fourteen.
男の生涯を賭けた最後の兵器が完成した
15年の歳月をかけて作り上げた兵器
エデンの完成
心とリンクをさせたエデン
男の過去、現在を全て託した機械
最高品質の鉱物や材料を使い
持てる知能を全て出しつくして考えた設計図
この一体でこの世界を変えられるほどの力を持つエデン
男は縋る思いでエデンを起動した
「おはようございます、マスター」
ふわりと笑う姿に男は我ながら天才だと自負しにやりと笑う
――そして力尽きた
無理をしすぎたのだ
体力を、知力を、気力を、時間を、命さえも削って
「ああ、マスター、そんなところで寝てはいけません」
エデンは軽々と男を抱き上げるとベッドの上へとゆっくり下ろす
「マスターは眠っテいるのデすカ?」
いつもの通りホットミルクを注ぎに来たイヴが問う
「マスターはいつまデ眠ルのですか?」
いつもの通り純度の高い鉱物を持ってきたアダムが問う
「マスターはお疲れなのですか?」
いつも通り多くの材料を持ってきたカインが問う
「マスターは元気がないのですか?」
いつも通り設計図の複写と新しい図案を持ってきたアワンが問う
「……マスターは亡くなったのですか?」
ぽつりとアズラが問う
「マスターは……」
エデンはそれ以上言葉を続けなかった
だから、みんなそれぞれ男に言われたことをやり続けた