twelve.
日が落ちてあたりが暗くなってきても、5人は戻ってこなかった
朝になっても戻ってこなかった
「一体どうしたんだ」
いつもなら夕方には戻ってくるはずだ
ああ、通信機を持たせるべきだった
そわそわと帰りを待つ自分に気付き
らしくない…… と思いながらホットミルクを啜る
「ただイま戻りマした、マスター」
イヴの声がする
小走りに玄関へと向かい迎え入れる
イヴ、アダム、カイン、アワン、アズラ
全員がいる
「ああ、おかえり……」
そう言いながらホッとしている自分に気付く
ああ、いつしかこの子たちは私にとって大事な存在になっていたのだな
一晩戻らないだけでこんなにも心配するなんて……
苦笑しながら5人を中へ入るよう促し
報告を聞く
「マスターの言いつけを守ってきました」
アズラがそう言いながら分厚い封筒を幾つもカバンから取り出す
また女将からの手紙か?
何故、こんなにもあるのだ
とにかく手紙があるということは、アズラは本当にいい子だったわけだ……
いや、まだわからん……
大量の食材を貯蔵庫へ入れるよう5人に指示をし
最初の手紙を手に取った
宛名はもちろん
「イヴちゃん、アダムくん、カインくん、アワンちゃん、アズラちゃんの保護者様へ」
女将の手紙はいつも通りのお礼や5人が何をしてくれたかの報告だ
いや、しかし、他の手紙はなんなのだろうか……
さらっと目を通すと宛名には「マスター様」や「保護者様」など
それぞれ違う字で書かれている
とにかく中を見なければ始まらないな……
軽く深呼吸をして私は2通目の手紙を開く