one.
日本から遠い遠い異国にある山頂にもうすぐ75を迎える老人がいる
彼は若い頃からそれはそれは長い間、世界征服を目指して活動していた
山からは貴重な鉱物が出る
食べ物はそこら辺に生えている木の実を食べればいい
年老いてからは肉を食べたい気持ちも消えた
綺麗な水に澄んだ空気
汚れていない食べ物に汚い人間もいない
その山は男にとってとても居心地のいい場所であった
小さな掘っ建て小屋の地下で50数年間ちゃくちゃくと世界征服の為
人型の兵器の研究をしていた
いや、40を超える頃にはすでに1体目は完成していた
今は改良版を作成中なのだ
彼は幼き頃から神童と呼ばれた
神童は天才へ天才は神に愛された男とまで呼ばれてた
いろいろなところから勧誘も受けた
多くの人の指導者になるべきだと諭されたこともある
だが男は頑なに拒み続けた
何故なら彼は目覚めた時からこの世界を自分の思うままにする、という
大きな野望があったのだ
「力こそ全て、力があれば全てが言うことを聞く」
「頭脳だけでは全ての人類が従うことはない」
「恐怖と絶望、僅かな希望で私の思う世界は創れるのだ」
そう信じ続けて人型兵器を作り続けていた……はずだった