バックでトゥーなフューチャー・・・空白のパ~ト②
「そんなの知らないわよ」
「えぇ~」
なにそれ。これから俺の過去話に入る予定じゃなかったの?俺のシリアスな雰囲気をかえせバカ野郎。
「そんなの興味ないし。てか、なに生意気こいてんの?しばくよ」
……こいつマジでいっぺんしめたろか。
「人様んち勝手に上がって飯食わせてもらってるやつの台詞じゃねぇだろ」
「それはそれ。これはこれ」
だめだ。殴りたい。
「話を戻すけど、なんで俺なんだよ。文章なら俺よりうまい奴がもっといるだろ?」
「知らないわよ。興味もない」
「……マジでお前を殴りたいよ」
「でも、長老たちがあんたにしろって」
「いきなりの登場だな。誰だ、そいつら」
「絵本の御老人たち。私んとこの食われるおばあさんもその一人よ」
「さいですか」
小ずきんは爪楊枝で歯の間に挟まった鶏肉のかすをとるの必死で俺の話なんて本当に興味がなさそうだった。
「でも、俺はもう書かないって決めたんだ。そんな俺を頼るより他へ行った方が絶対得だぞ?」
「ふん。なんとでも言ってなさい。あたしが土下座しながらやりたいって言わせてあげる」
誰が言うかばーか。
「それより、あたしはもう眠いわ。ベットはどこ?」
そう言われて近くの掛け時計を確認。
時刻、9時。
生意気言ってもガキだな。
そんなことを思っている間にも小ずきんはうとうとし始めていた。
「ったく」
俺は小ずきんを抱えるとベッドまで運んでやった。
俺の腕の中で小ずきんは暴れたが、眠いのと子供なのがうまく作用してまったく手間取らず運べた。
とりあえず、俺も床に座布団でもひいて寝るかな。
ついでに、次に目を覚ました時には全部ウソであることを願おう。
そんなことを考えながら、俺の意識は闇に落ちた。