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童話DOOR  作者: 長門葵
1章~赤ずきん編~
5/16

本音を言ったらツッコミたい。だけど、ツッコミ入れたら負けなんです ぱ~とツー

「おじゃまします」


自称赤ずきんは結構、礼儀正しく俺の家へとはいってきた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


早速だが、さっきの言葉を訂正しよう。できたのは挨拶だけだった。


靴は放り投げ出され、頭巾は廊下に脱ぎ捨てられ、そのままテレビの前で寝転がりながらバラエティーを見ていた。


「何してんの。はやく、ご飯が食べたいわ。アップルパイなんて最高ね」


「そんなものはない」


とりあえず俺は手を洗い、エプロンをつけ冷蔵庫の中身をチェック。


鶏肉、玉ねぎ、卵・・・米は朝炊いたのがあるから、今日の夕飯は親子丼決定だな。


俺が料理をしている間、自称赤ずきんはテレビの中の芸人を見て大爆笑。


お前はおばさんか


ついつい心の中でつっこんでしまった。


「おい、自称赤ずきん」


「自称とかいうな。殺すわよ」


どこからともなく火縄銃を持ち出し、俺に向ける。


警察がいたら銃刀法違反で即逮捕だ。


「飯が食べたいんならまず手を洗ってこい」


「む、命令されるのは嫌いよ」


「ふ、さすが自称赤ずきんだな。手も満足に洗えないのか」


「そこまで言うなら見せてあげるわ。完璧な手洗いを」


そう言って洗面台に進む自称赤ずきん。


園児もそうだが、子供は扱いが楽でいい。あ、ばかも扱いが楽だ。


あと手洗いっていうと食器洗ってるみたいな響きだよな。どうでもいいけど。


「うし。できた」


「見なさい。この完璧までに洗われた手を」


「さすがだな。ほれ、飯だ」


「わーい」


がつがつとおいしそうに親子丼をかきこむ自称赤ずきん。


マジでただの子供だな、おい。


「・・・ガツガツ」


「もっと落ちついて食べろ」


「ふふうはひほぐっ(うるさいく、ぐっ)。げほげほ」


「言った通りだ。ほら、水だ」


水でのどに詰まった色々を流す自称赤ずきん。・・・なんか自称赤ずきんというのも疲れたからショウズキンに使用。小ずきん・・・ぴったりだろ。


「ふぅ、ごちそうさま」


「おそまつさま」


俺は食器を片づけながら、小ずきんに問いを投げかけた。


「でさ、なんでお前は俺んちに来たんだ?」


「ん?話してなかったっけ?」


「ああ、話してないどころか悪く言えば不法侵入ものだ」


「いちいちうるさいわね。人間の器がはかり知れるわね」


お前だけには言われたくないな。


「あんたはあのオオカミを絵本に戻すカギを持ってるのよ」


「へ?」


小ずきんのいきなりの真剣な声にヘんに裏返った声を出してしまった。

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