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プロローグ
Seven Swords Story
いよいよ夏も本番といった高気温が街を焦がす七月中旬。
静まり返る様な夜……虫の音すら響かぬ無明の漆黒の中、寝苦しさで目を覚ました俺は、とても不思議な夢を見た。
あぁ、何を言っているんだ。目を覚ました状態で夢を見る、なんて、そんな馬鹿な事があってたまるか。
そう、だからコレはきっと現実で、或いはある種の白昼夢。
俺の目の前に浮かび上がる、七本の巨大な……。
吸い寄せられる様に手を伸ばす……。
始まりだ。そう、コレが始まりだったのだ。
俺とアイツの物語。現実離れした御伽噺のその序章。最初の一小節は、静かに静かに奏でられた。
初めての人ははじめまして、そうでない方はお久しぶりです。人生で二度目の長編小説となります。少しでも面白いモノを書けるよう、ちまちまと頑張って行きたいと思っておりますので、興味を持って下さった方、長いお付き合いになると思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。