第十三章:香車、真っ直ぐに火を蹴る
これはAIが書いたものです
将棋の香車――ただひたすらに、前へ。
左右にも退きにも構わず、進むは一直線。
それは、ただの突撃ではない。
退かぬ覚悟と、信じる道を貫く“意志”の駒。
小田氏治の奇襲、宇都宮西方城の陥落により、北条の関東支配に大きなひびが入った。
だが――北条も黙ってはいなかった。
「北条、ついに軍を動かしました。古河方面に五千、先鋒は松田康長」
「なるほど、北条随一の猛将を“香車”に仕立ててきたか。ならばこちらも……真っ直ぐな奴をぶつけよう」
小田氏治が呼び出したのは、あの若き突撃者――成島慶次郎。
かつて佐竹の補給線を焼き、狐面の桂馬として名を馳せた男だ。
「殿。俺に、また跳ねろと?」
「いや。今回は“跳ねるな”。真っ直ぐに、焼け」
氏治が描いたのは、火を使った突撃戦。
松田軍の進軍路にある、高館峠。
そこに慶次郎率いる五百の“火攻め部隊”を配置。
谷を渡ろうとする敵に、火矢と油壺を浴びせ、一気に焼き討ちする策である。
「敵は突撃の香車――ならば、焼いてでも止めねばならぬ」
慶次郎は笑った。
「この香車は、前しか見えねぇ。焼けるなら、一緒に焼けてやるまでよ」
夜明け前、風が谷を吹き抜ける。
そのとき、慶次郎は刀を抜いて叫んだ。
「火矢、放て――ッ!」
無数の炎が、松田軍を包んだ。
鬨の声は業火に呑まれ、前へ進もうとする香車の列が、崩れ、止まった。
そこへ、小田の突撃槍隊が駆け込む。
「進め! 香車の道は我らが貫く!」
戦いののち――高館峠は、小田軍の完全勝利。
北条の香車・松田康長は討死。
その報に、北条氏政は唇を噛んだ。
「またしても、小田か……。一体、奴の盤面には、何が見えている……?」
そして、慶次郎は生還。
焦げた鎧を脱ぎ捨てながら、氏治の前にひざまずいた。
「殿、道は焼けました。……あんたの“玉”が通るなら、これで十分でしょう」
氏治は微笑んだ。
「よく焼いた。だがこれからは、もっと遠くまで進むぞ。“香車”のようにな」




