3-2
「ナイトさぁん。マッテクダサイ。」
ワンは、必死にナイトの背中を追う。ツーもワンの背中に必死に着いて行く。
「何だよ」
ナイトが急に立ち止まった為、ワンの頭がナイトの背中にぶつかった。そしてツーの持っていた書類が床に散らばった。
「お前、何してんだよ。秘密文書だろ?」
「ナイトさんが急に立ち止まるからじゃないですか!」
ツーは、慌てて書類を拾い集める。
「あれだけ名前を呼ばれたら普通立ち止まるだろうが!」
ナイトは、拾った書類をツーに投げ渡した。
「ナイトさぁんがあのオンナをさいようするからですよ」
「ワン、何だよ?文句でもあるのか?」
「はぁい。あのひと、ボロボロのフクきてた。ドレスきてない。」
「そうですよ!ナイトさん!何故あの女を採用したんですか!」
秘書2人は、ナイトに詰め寄った。
「なんでだろうなぁ?」
ナイトは、タバコを吸いながら空を見上げていた。
「お前らも吸うか?」
そう言ってライターを差し出した。
「ナイトさん!話を逸らさないでください!」
「シンケンにキイテ!」
秘書2人は、めげずに問い詰めた。
ナイトは、口元から煙を吐くと、ポツリとこう呟いたのだった。
「彼女は、俺と似ているからだ。」