8/71
7:広場
〇前回のあらすじです。
『王家のたのみをユノが受ける』
〇
旅をしながら日銭を稼ぐ戦士たちに、仕事を斡旋するという業務上、ギルドにはモンスターの情報や資料的知識が集まりやすい。
冒険者ギルドの支部を探して、ユノは宿を出た。
エルドランに来て次の日のことである。
冒険者ギルドは、多くの場合は広場にあるものの、この町は勝手がちがった。
街路と、広場の南口の境目に立つ案内板には、『西区の高台にある』と記されている。
(混んでるかな。すっかり寝過ごしちゃったもんなあ)
なれない土地は、それだけで気力を擦らされた。
昨日イリスが去ってから、ユノはすぐにねむりこんでしまった。
夕食も食べず、胃のなかが空の状態で寝いったためか、体調はすこぶるいい。ねざめもよく、目は冴えて、頭はしゃっきりしていた。
昼と朝の、ちょうど中間くらいの時刻である。
筋雲が掛かって、すっかり秋の陽気となった空。
抜けるような青空は、どこまでも心地よい風を運んでくれる。