7/71
6:返信
・前回のあらすじです。
『依頼のなかみをユノが確認する』
(あまり長く留まってるつもりはなかったけど)
手紙を折りたたんで、ユノは床に放置していた鞄にしまう。
(道にまよってたところだし。やれるだけのことはやっておこうかな)
うんっ。と伸びをする。
書もの机に座って、『了解』の旨を伝える文書を認めにかかる。
まごまごしながら返事を書き終え、伝書鳩役のイリスを呼んだ。
返信をイリスの肢にむすび、窓から飛ばす。
赤く暮れた空へ消えていく白い鳥。彼女を見送って、ユノは硝子窓を閉めた。
ぱたん。
せまい客室に、空気のふくれたような音が鳴る。
仰向けにベッドにねころがり、木目の天井をユノはながめた。
(明日。早目にギルドに行って、グールのこととか調べないと)
冒険者ギルドには、各地からひとが集まってくる。
ここエルドランの支部であれ王都の本部であれ、それは変わりなかった。