きみに幽霊
耳鳴りしたら
幽霊がいる
ちょうどわたしのひだりどなり
ファミリーレストランの空席はきっと
だれかが腰をおちつけて
耳鳴りがして
ぎゅっとする
うらめしい とか
みれんがましく
きみをもういっかい
だきしめたい とか
そういうちょっとのやさしさで
空席をうめよう
わたし
きっと
来世はないから
ずっとかわいい幽霊になる
だから
死ぬのも
ちょっとゆるせる
あのね
さみしいを
かなしいと思わないで
きっときみのひだりどなり
耳鳴りのしたほうから
ぎゅっとしてあげる
まぜたジュースのつめたさで
目を覚まして
そういう体温だから




