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361話 身支度でもイチャイチャしたいのです

 模擬戦とかがあってから数日後、あっという間に会合というか世界の著名人で話しましょう大会というかの開催日になってしまったわね。

 お母様がすっごく参加したくない感じ出してる会だけど、はてさてどうなるのかしら。


「わたしも参加するってのがさらに嫌! って感じ出してたよね」

「サユリ様の事ですか? たしかにそうですねぇ。なんていうか、お嬢様を変な場に連れて行きたくないとか、関わらせたくないって意思が結構見えてますし」

「だよねぇ。あそこまでの反応、久々に見たよ」


 出発前の身支度をアリサにやってもらいながら、会に関することをちらほらと。

 そしてやっぱり気にしちゃうのが、お母様が嫌がってるとこ関係なわけで。表にも結構出てるからどうしても話題に出ちゃうよねぇ。


 そして、気になってる事と言えば他にもあるわけで。


「それにしても今回って、これ、つけてなんでしょ?」

「ですね。ぱっと見はただのアクセサリーですけど」


 アリサがわたしの首に新しいペンダントをつけてくれてるけど、これ、魔道具なんだよね。

 見た目は金属の鎖に繋がれた大きめな宝石なんだけど、中身は翻訳機能やら防毒や防臭、麻痺とか感染症関連の対策を思いっきり仕込んでいるものなわけで。


「徹底しているというか、相当厳重だよね」

「異常なくらいですよね。昨日も免疫効果を高める薬の服用もありましたし」

「あったあった。なんていうか、未開の危ない地に行くって感じにガッチリとしていて、ちょっと驚きだわ」


 普段つけている魔道具に精霊神の加護とかで普通は問題無いはずが、念には念を入れまくった感じの対策だもの。

 これが戦場に行きますとかならまぁ分かるけど、会合とかの場なのがなんともかんとも。


「わたしたちにとっては有害となる空気とか魔素とかを摂取している種族が多いのかねぇ」

「その可能性はありそうですね。ただ、それだと少し気になる事が増えてしまいますけど」

「あー、それってあれでしょ、うちの立場的なのだよね」

「です」


 アリサがちょっとフクザツって顔しながらわたしの身支度をしてくれてるけど、確かにそうだよなぁ。

 客観的に見て、お母様が今回の会のメンバーで下位に存在するって事はまずない。とゆーかむしろ、だいーぶ上位の存在だもの。招待状の内容も、ぜひとも来てくださいって感じだったのを見せてもらったし。


「となると、あれかなぁ」

「あれって言いますと?」

「お母様が徹底的に嫌う存在とかが居て、それとの接触というか関わりを完全に断っておきたいとかがあるのかもってね」

「ありそうですね。お嬢様を安全にと思っての事が余計に出ているとかですね」


 そう、わたしの安全第一ってのが大前提なこともあり、お母様は嫌いな存在が居るならより一層しっかりと! って、なってそうなんだよね。

 わたしの安全と嫌いな存在が居る場合の相乗効果がトンデモナイですってとこだわ。


 そんな話をしてたけど、身支度完了っと。

 鏡の前でくるっと回って最終確認。うん、いつも通り可愛いです、わたし。

 着物ドレスなので上半身は少しキッチリだけど、腕部分やスカート状の裾にはフリルもりだくさんで可愛さ増し増し。髪につける大きなリボンとの色合いも良い感じなのでさらに増し増し。


「さすがわたしって、あー、やっぱそうなったか」


 予想できていたけど、アリサが悶えてるわ。

 身支度中は耐えていたけど、くるっと回った後に少しポーズ取っちゃったりなんかしたから、ついに限界突破しちゃったみたいね。わたしの破壊力はとんでもないです。


「今日もなっちゃったねぇ」

「いやいや、ならないって事がそもそも無いんですよ?」

「そうかな~?」

「そうなんですってば!」


 悶えながらも床をバンバンって叩いて抗議しちゃってるけど、相当だねぇ。

 でもまぁそうなるのも納得というか、予想できていたというか。

 どうにもわたし、年々可愛さがぐんぐん上がってるようで、アリサも慣れるどころか冷静にしているのが厳しくなってる的なこと言ってたからなぁ。

 耐えるように訓練を続けているとはシズクさんから聞いてはいるけど、わたしの上昇率がヤバ過ぎるわけだね。さすがです、わたし!

 せっかくだからもう少しからかうというか、色仕掛けというか、そんな感じの事をして反応も見たいとこだけど、今日は無理ね。


「ほら、お母様たちを待たせたらだめだから、いくよー」

「ちょ、ちょっとだけ待ってくださいってば!?」

「えー?」


 う~む、どうやら今回の破壊力は想像以上だったようで、アリサの復帰に時間が少しかかりますね。

 いやいやほんとーにとんでもないな、わたしの可愛さ!





 アリサが何とか落ち着いたので、お母様たちが待つ中庭にテクテクと。

 とゆーか


「ねーねーアリサ」

「なんですか?」

「さっきのもそうだけど、わたし、まだ尻尾5本なんだよね。つまり、まだ9本じゃないんだよね。とゆーことは~?」

「……耐えられるかなぁ、私」


 うん、思いっきり苦笑いしたね。

 そうなんだよね、まだまだわたしの上限は来ていないんだよね。9本になるまでにどんどん各種能力も上がるって事なので、当然可愛さとかも上がるわけだものね。

 今ですらこうなる事がちょくちょくあるんだもの、想像しちゃうよねぇ。


「まっ、がんばろーね!」

「お嬢様、その言葉に反してどうにもイタズラしようとか、そういう考え出てません?」

「どうかな~?」

「ぜーったいに出てますよね?」

「むふー」


 はいっ、思いっきり考えてました!

 もちろんアリサだけでなく他の子たち相手にも、こう、色仕掛け的なのしてみたいなぁという乙女心がですね。

 持ってる武器は活用してみたいって時々思っちゃうのです。


「やりすぎたら、サユリ様に報告しちゃいますよ?」

「えー? でもさぁ、お母様も止めずにイケイケドンドンのノリノリになりそうじゃない?」

「あー……」


 わたしの性格ってお母様たちによるところが9割だからね。可愛さをどんどん上げましょうってなってるのを受けている結果ともいうけど。

 そんな人たちが止めるとはなかなか思えません。外ではダメよって注意はされる程度だろうね。


「ですけど、このままだと本当に危ないんですよ?」

「危ないって、それは知らない人とかにやった場合でしょ? さすがにそんなことは」

「いえいえそれは当然ですけど、それではなく」

「ではなく?」

「え、えーっとですね……」


 おっとぉ? 急にちょっともじもじしちゃって、何なんだろ?

 って、これはつまり、あー……。


「ま、まぁ、その、時と場所は選ぶから、わたしも!」

「で、ですよね!」


 お互いちょっともじもじ。

 さすがに察しますよ。危ないっていうのは、アリサが限界超えてわたしを襲うって事だものね。そう、エッチな意味で襲うって方の意味で!

 まぁ四六時中発情とかしているわけでもないから、意図せぬ時とか無理やりっていうのはぜーったいに無いので、わたしとしてはそこまで気にしてないのだけれどねぇ。時と場所が問題無ければどんとこーいなのです。

 とはいえ世間体とか、アリサ以外の子たちとの連携とか順番的なのもあるだろうから、そういう事なるのは相当先だろうなぁ……とも思っているわけで。


「でも、それはそれだね!」

「やっぱそうなるんですよねぇ、私のお嬢様は」

「よくわかっていらっしゃる」

「そりゃもう、お嬢様の専属メイドですから」


 くすくすって笑いあっちゃうけど、まぁそうなんだよね。

 いろいろ考えとか予想とかも出ちゃうけど、尻尾が増えたら全力で色仕掛けする未来がこう、ねぇ。

 う~む、いつでも安心安全にイタズラとかができるよう、小型の魔道具型隔離部屋を携帯しておこうかしら?


「それはやりすぎですからね?」

「えー?」


 いつもどーり考えがバッチリ見抜かれたわ。

 でも必要だと思うんです! 色仕掛けに限らず全力でイタズラするために


「ダメですからね?」

「ぶー」


 うん、完全なイタズラ方面は止められるの、わかってたけど、わかってたけどー。

 ちょっと面白そうなのに、残念です。

色仕掛けにもしっかり耐えようとするメイドちゃん

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