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350話 お買い物は続けるよ~

 ちょっとした発見はあったけど珍しいものが大量とか新製品もりだくさんでもなかったし、今日の魔道具のお買い物はこの辺りまでかな。

 なので次は~


「本屋さんかな」

「ハァ……本も買っちゃうんですね」

「ちょっとアリサ? そのすっごーく呆れた目は何かな?」


 困ったお嬢様ですねって顔しながら見てるんだもん。まぁ大体予想つくんだけど。


「だってお嬢様は10日ほど前にも買いに行って、その結果は本棚3個追加する羽目になったんですよ?」

「そ、そんな事もあったかな~?」

「ありました、思いっきりありましたー。私は止めたのに、同作者様が関わった作品を片っ端に買っていましたー」

「ちょ、ちょっと、そんなむくれなくても良いじゃない」


 そう、前回買いに行ったとき、ちょーっと面白そうな小説を発見しちゃったんだよね。

 発見しちゃったらその次は定番の全部買っちゃいましょー! ではあったんだけど……。


「確かに反省はしたよ? アリサが言うように、小説だけにしておけばよかったって」

「表紙詐欺だって何度も言ったのに、お嬢様ってば全部揃えるんだーの1点張りで」

「うぐっ、痛いところを」


 アリサが小説以外の漫画とかを確認のためチラッと見た瞬間、すっごいダメそうな表情したのは覚えてる。

 表紙はすっごく綺麗でよかったのに、漫画の中は構図が酷いとか落書きみたいな絵とか1コマがでかすぎてのページ数を無駄に稼ぐ詐欺っぽいのばかり。残念なことにその作者さんが原作の漫画は、ことごとくハズレ作品ばかりだったというのがね。

 なのでアリサが割と本気に止めてきてはいたんだけど、わたしはそれでも買っちゃったわけで。

 その結果、本棚3個分のお買い上げにはなったので当然本棚も追加して並べたけど、小説以外はハズレばかりなのでほとんどが並べただけで見ない本シリーズの置き場に移動しそうなのがね……。


「お店の方も引いていたのに、それでも買っちゃうんですから」

「で、でもね、コレクターとしては」

「買う必要、なかったですよね?」

「だけどもしかしたら」

「お金の無駄使い、ですよね?」

「……はい」


 アリサが真面目な顔して諭してきちゃったけど、ほんとそうなのです。

 しかも分かっているハズレでも持っておきたいってのなら、魔道具で配信されている方を買えばいいわけで。本として売られているのを買う必要もなく、魔道具配信の方が圧倒的に安くもあったわけで。

 そりゃぁアリサも止めるというか、教育の観点とかも出てきてこうなっちゃうよね。お金をバカスカ稼げるとはいえ、むやみやたらと買い続けるのは良くないだし。ちょっと反省。





 そんなこんなだけど、とりあえず本屋さんへ移動。

 アリサがちょっと呆れた感じ出してるけどだいじょーぶ、今日は無駄使いしないから! ……たぶん。

 ちょっと反省したけど、目の前に気になる本が出てきたらまーた買っちゃいそうだなぁ。ほぼ性格みたいなものなので、なかなか治せません。


 そんな事はさておき、本屋さんに行く前に屋台が多く並ぶ区画を通っていく。近道でもあるけど、一番はこの区画大好きだしね。


「うんうん、新しいお店もいっぱいあるね」

「ですね。先月区画の拡張をし、100店舗ほど追加できる状態になった効果が出ていますねぇ」


 二人でぐるーっと見渡すけど、ほんとお店がいっぱいです。

 もともとこの区画は、街中に店舗を構えるには予算関係が厳しい人が多くなっていた状態を打破するため、屋台という少し規模の小さい店舗を格安価格で出店できるようにした区画。

 だけど格安で出店できるとはいえ審査はしっかりだし区画内の警備や指導も万全なので、偽物を売りつけるとか凄いぼったくりとか感じが悪いお店ってのは一切ない。なので少し安く良い物を変える区画って印象が強いね。

 そんな素晴らしい区画なので、新規出店を希望する人もわんさかだし、街中で店舗を構えてる人も2号店や期間限定の店舗として出店していたりもする、ほんといろいろあって楽しい区画なのです。


「それにしても転移門の使用が制限されているのに、他国の人が思ってた以上に居るね」

「確かにそうですね。それも見たことが無い衣装を着ている方ばかりなので、どこかの国が許可を一斉に出したのかもしれません」

「あーそういう事もあるかぁ。まぁ犯罪者とかは居ないだろうけど、ちょっと視線が気になるわ」


 普段と違いどうにもわたしを見てくる人が多く感じてたけど、この区画の人を見たらなるほど納得だよ。

 この街、というかこの国に来たことがあまりない人がわんさかいて、その結果わたしという珍しい存在への興味から様子を見ちゃうって人がわんさかって事だね。

 今のところ敵意みたいなのは感じないから良いけど、やっぱあまり気持ち良くないです。


「狐耳と尻尾を完全に隠すべきだったかなぁ。隠すとわたしの存在意義が減る感じして、あまりやりたくないんだけど」

「えーっと……残念ですがお嬢様の場合、狐耳と尻尾を隠されても変わらないと言いますか」

「え!?」

「狐族だから、とかではなく、可愛らしい子が居るって方での視線ばかりですので……」

「あっ、そーゆーこと」


 うんうんって頷いちゃうくらいちょっと納得。

 そう、わたしは日に日に可愛くなり続け魅力も相当上がり続けているので、髪色変えるとかメガネとかつけて印象変えるとかしないと結構引き寄せちゃうんだよねぇ。

 あーそれに衣装もか。今日もフリフリがいっぱい付いたゴスロリドレスだもの。


「でもさぁ、わたしがかわいくない偽装するのって」

「えぇ、私も含めて屋敷に居られる方だけでなく、国中全員反対なんですよねぇ」

「なんだよねぇ」


 かわいいのはかわいいままが一番という共通認識。まぁ昔に比べて、わたしがさらにとんでもなく可愛くなっちゃったって事による影響なんですけどね!

 もっとも、わたしの可愛さがメキメキ上がり続けてるのはうちの教育方針みたいなものあるので、誰が悪いとかは一切無いのであまり気にしないけど。





 さてさて、視線は気になるけど区画内をぶらぶら。

 ちょっと良いなって思った小物や、かわいい服に使えそうな織物とチラホラ購入しながらぶらぶら。ちゃーんと爆買いは自重です。


「う~ん、やっぱいろいろと欲しくなっちゃうなぁ」

「目新しい物も多いですしね。他で売っていない物までありますし」

「なんだよねぇ。定番なお店で良い物を見て買うのも好きだけど、こういう場所で思いがけない良い物を発見するのも楽しいから、ほんとーにドンドン欲しくなっちゃう」


 この区画のある意味罠だわね。

 小さなお店の人とかが仕入れたとっておきの物とか、冒険者がダンジョンで思いがけず手に入れた物なんかも売れる場所だから、珍しいのがいっぱいで楽しくなり、ついお財布の紐が緩んじゃうわ。


 とはいえ


「見たことのない国のお店はちょっと警戒しちゃうね……」

「危険な店舗は無いはずですけど、どうしても警戒しちゃいますよね……」


 二人してそんなこと言っちゃうけど、やっぱねぇ……。


「見たことない食材なのは良いんだけど、ちょっと不気味な触手みたいなのがウネウネし過ぎじゃないかなぁ……」

「触角がワシャワシャしているのもありますしねぇ……」


 そう、ぱっと見ゲテモノ食材コーナーとしか思えないお店が目に入ったわけで。しかも1軒だけでなく、複数あったわけでして。とある国では人気な食材って事なのかねぇ。

 お客さんが買ったりしているから大丈夫な食材なのは分かってるんだけど、わたし達には無理です。抵抗感とゆーか拒否感がすごくて無理です。

 そりゃぁね、魔物を食材にするとかはよくあるし、わたし達だって食べ慣れている魔物素材は当然あります。

 なので魔物素材自体は問題ないけど、あの見た目はほんとー無理! ウネウネとかシャカシャカとかの気持ち悪いのは無理! 加工すれば美味しいのかもしれないけど、加工前の状態は無理!


 とゆーかよく見ると、どうにもゲスイというかエッチそうな顔をした人まで買っているような……。


「もしかしてあれって、ただの食材じゃなくって……」

「そっち方面の役割もあるのかもしれませんね……」


 他国に来て、エッチなネタに使えるような物を売る人々、って事かいな……。

 これはもうあれだね、見た目のヤバさもあるけど、それをそっち方面で活用しようとする人が居るとか、わたし達の想像もつかない世界があるってことですね。……知りたくなかったけど!

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