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349話 メガネの定番機能!

 世界地図とかを使っていてふと気付いたこと、新しいのが出ている頃じゃん!

 とゆーわけで、今日はお買い物だよ~。


「今日もたくさん買っちゃうんですねぇ」

「買っちゃうねぇ、わたしだから」


 アリサと一緒にいつも来ている魔道具屋さんで、更新されたり新しくなっていたりする世界地図や惑星をかたどった模型以外にも、珍しい魔道具やインテリア用の魔道具とかをいーっぱい物色し、良いなぁって思った物をどんどん購入。安いのから高いのも気にせずどんどん購入。


「それにしても、まーた随分と大陸が発見されたみたいだね。先月買ったのからだいぶ変わってるよ」

「ですね。情報は来ていたのですけど、あまり関係のないというか、興味のない事なので私も軽く知っていた程度ですよ」

「新大陸が出たから交流しましょうとかってのもあまり無いしねぇ」

「国の上層部や外交担当の方、業者の方は気にしますけど、私たちに関係してくるのはずっと後ですものね」


 うんうんって頷きあっちゃうくらい、わたし達とはしばらく関係の無いですって事なんだよねぇ。関係ないままでいてくださいって気持ちもあるけれど。


「でもまぁそのうち旅行とかには行ってみたいから、情報収集もソコソコしようかな」

「旅行、良いですねぇ。安全な大陸ならさらに良いのですけど」

「元は別世界だからか、風土や文化や考えも全く違うせいかどうにも安全な所が少ないのがちょっと残念なのがね」

「過去には交流が始まるや否や、すぐに宣戦布告してきた国もあったんでしたっけ?」

「みたい。今は滅んじゃった国ばかりだそうだけどねぇ」


 この世界の事を知らないからか、ちょっと甘い考えで挑んで返り討ちになり、そこから一気に破滅へ向かっていったバカな国は歴史関連の書物にもバッチリ書かれてるからなぁ。

 今だと滅ぶかはまだ分からなかったけど傭兵帝国もそれに近かったかな? こないだのガーディアン関連の事件から少し変わったようだけど。

 まぁその関連からか、なーんかメンドそうなことが始まりそうな気がしちゃうけど、今は忘れておきましょー。





 ある程度物色したら、わたしの様な優待者向け用の展示部屋にとつにゅー。

 部屋の中には超でっかい医療用の魔道具や、宝石としか思えない王冠型の魔道具、これ一個で島1個くらい吹き飛ばせるよねっていう銃型の魔道具など、いろんなものがもりだくさん。


 そして中には


「この先はダメですよ?」

「えー?」

「えー、じゃないです。えー、じゃ」


 むぅ、この先の展示部屋に入るの、アリサにまーた止められてしまったわ。

 とはいえ止められるのも当然と言えば当然か、この先はちょっと大人の人向けな魔道具がいっぱい展示してある部屋なわけで。


「でもさぁ、魔道具なんだよ? めっちゃおもしろいのとか、すごいのもありそうなんだよ?」

「無いのでやめましょーね?」

「えー?」


 アリサがだいーぶ真面目な顔をしてわたしの前に立ち、通せんぼまでしちゃったよ。徹底してきてますねぇ。


「そもそもですけど、お嬢様には必要ないでしょ?」

「そうかなぁ? だって見たことのない道具から得られる知識とか」

「そういうのはありませんから、諦めましょうね?」

「ぶーぶー」


 こりゃぁ完全に無理そうね。

 いやまぁちょーっと下心的なので見てみたいってのは一応あるけど、一番はほんとーに使っている技術とかを分析し、新しい道具とか作ってみたいって方なんだけどねぇ。研究者魂みたいなものだけれど。


「しょうがないなぁ。それじゃほかの……お?」

「このタイミングでその反応、少し不安になるんですけど……」

「まーまー」


 アリサがちょっと嫌というか不安っぽい感じ出してるけど、そんな変なものを見つけたとかじゃないんだよ?

 トコトコと少し移動し、飾ってあった眼鏡を手に取って……ほほう?


「透視能力付きの万能型魔道メガネ、ですか」

「だね。新発売なんだって」


 新進気鋭な魔道具の工房が作った最新型らしく、結構値段が高いけど既存のより透視能力がすんごくなったものみたいね。

 デザインは貴族かつけるような少し細目、わたしには合わない感じのだなぁ。どうにもこういうちょっとカッコイイ系統の、似合いません。

 だけども機能は見てみたいので、チャキっと試着。


「なるほど、通常の機能とかが眼鏡のガラス部分に表示されるのではなく、前方に画面がポンと浮かんだ感じに表示されるのね。これなら視野の邪魔とかにはならなさそう」

「眼鏡のガラス部分に直接表示するのはだいぶ窮屈でしたねぇ」

「だねぇ。しかも故障とかになったらガラス自体の透明度無くなって、メガネとして全く使えなくなる酷いのが多かったわ」


 透過させるという機能を使っていたとかだったなぁ。破損しなければその方が安定するとかもあったようだけど。


「それじゃさっそく売りである透過の方を……ほう?」

「どうしました?」

「いやね、結構すごく透過していて少し驚いたわ。ここから店先までバッチリと見えてるよ」


 わたしの目の前には普通の壁だけでなく、透過したものを映す専用画面も一緒に表示されていたので、結構使い勝手良い感じになってるわ。

 これ、偵察とかにも便利だし、ダンジョンとかでも有効活用できそうだなぁ。


 っと、透過と言ったらもう一個確認しないと。

 くるっとアリサの方を向いて~っと。あっ、とっさに腕で胸とかを隠しましたね。女の子なら当然の反応です。


 それにしても……ふ~むふむ


「えーっと、お嬢様? ジーっと凝視されるのは、その」

「あーごめんごめん。安心して、見えてないから!」

「え? だってそれ、透過のじゃ?」

「うん、高性能な透過機能付いているね」


 展示してあった説明書きにバシッと指をさしたけど、まぁそういう疑問でてくるよね。


「んとね、アリサの着ているメイド服ってうちの特注だよね」

「ですね。着心地が良いだけでなく性能面もすごく良い服ですね」

「だね。んでそのメイド服なんだけど、当然いろんな機能も盛りだくさんなわけで」

「そう言われると確かに……あっ! なるほど」


 気が付いたようで、アリサもパンッと手を叩いたわ。


「そっ、この魔道具の透過機能ごときじゃ透過できません。さすがに魔道具破壊みたいな機能は盛り込んでいないようだけど、こういう魔道具が世の中に出てくるんじゃシズクさんが対策用として盛り込むよう進言しそうだなぁ」

「確かにしそうですねぇ。私たち従者がどうみられるかも気にされますし」

「うちの従者さんはうちの看板みたいなとこがあるからね!」


 良いメイドさんや執事さんは、いつどこで見ても良いメイドさん良い執事さんであれ、みたいなものです。


「でもちょっと残念ね」

「まさか、透過できなかった事がですか?」

「ちょ、そんな怒った目で見ないで? 盗撮にロマンを感じるとか一切ないからね? それに何よりほら、アリサの裸とかいつでも見れ……あ、はい、ごめんなさい」

「まったく、本当にお嬢様ったら」


 ちょっと顔を赤くしてプンプンって感じを出しちゃって、可愛いですね!

 まぁ他にお客さんいない場とはいえ、裸がいつでも見れますとか、ちょっとヤバい発言だったわ。隠すことじゃないけどね! 一緒のお風呂は毎日だもの。





 からかい過ぎたら危ないので、そろそろメガネからは離れましょう。


「しっかしこれ、まだ販売枠がそこまで無いからいいものの、一般でも買えるようになったら問題だよね」

「ですねぇ。お嬢様みたいに盗撮したがる人が買ったら犯罪者だらけになりそうですものね」

「ちょ、だから盗撮する気は無いんだよ?」

「ほんとうですか~?」

「ほんとほんと! むしろね、見たいときは見せてって言うから!」


 ドヤァ!

 あ、うん、アリサさん、顔真っ赤ならないで? 言われる場が簡単に想像できちゃったのは分かるけど、抑えよーね?

 まぁそもそもだけど、わたしにはそんなこと言える度胸は一切ないのだけれどね! わりと奥手なんです、ほんとーに。


「まぁその、それはいったん置いといて。こんな魔道具を販売しだすとか、今までとは違う経営者が作った工房なのかねぇ」

「そういうのはありそうですね。普通であれば犯罪にならないよう、透過機能に制限を設けて販売しますけど」

「ところが制限ないっぽいんだよなぁ、これ。衣服も透過できちゃいますって警告を出してるわけでもないようだし」


 透過能力があるだけなら問題無いのだけれど、その魔道具の使い方次第では紐づく犯罪があるってのなら、販売する前に対策なり注意喚起は出しましょうってのがこの世界の物作りのルール。

 とはいえこのルール、残念ながら国ごとによって基準が微妙に違うし罰則もほとんど無いわけで。


「おそらく今は高額にして販売者を限定する事がこのメガネ関連の罰則になっているんだろうけど、この先どうなるのやら」

「魔道具に限らず、技術関係はその辺りが難しいですねぇ」

「まぁねぇ。罰則強くしすぎたら実験ができず、新しい発見にも繋がらないってのがちょくちょくあるからどうしてもね」


 ほーんと、こういう所は難しいのです。わたしだって犯罪ギリギリな道具を作り、そこから分析していって安全ですごい道具作るのやっちゃうもの。


「とりあえずこれ、買うわ」

「え? 買っちゃうんですか? まさか……」

「だから改良して盗撮しようとかしないってば、も―!」

「ふふっ、ほんとですかね~」


 ニコニコした顔で、もぅ。

 まぁアリサにおちょくられてるのは分かってます。だけどそれに乗っちゃうのがわたしなのです。


「ママ様に渡して対策とかとってもらうだけだよ」

「なるほど、国の方で知らない魔道具だった可能性があるってことですね」

「そゆことー」


 さすがに販売する魔道具1個1個の確認はできないもの。それこそこのお店の店主さんだって、このメガネの犯罪性というか危ない部分を想像していない可能性もあるしね。

 なので、こういった物を見つけたらとりあえず上の人に報告、それが一番なのです。


 しっかし透過かぁ……。

 う~ん、ちょっとやってみた、あっ、いや、すこーし考えただけだよ? やるとは言ってないよ?

 だからアリサさん、おちつこーね? そもそも見たいときは見せてって、あっ、だから、ちょ!?

見るのは時と場合によりけりです

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