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339話 強くはなったけど、そうきたか・・・

 さてと、次は糞男の方だけど……あー、やっぱ駄目だったね。転移の魔法か何かが発動してたようで、きれいさっぱり消えちゃってるわ。

 わたしが分身でもしない限り無理だったからしょうがないけど、ちょっとだけ残念です。


 それにしても、転移門でなく転移する魔法を使っていたってのがなんともかんとも。

 転移の魔法や術自体は昔からあるにはあるけど、この世界の環境とかの影響で安定しない。それこそ転移実行後に想定外の場所に辿り着くどころか、時間や時空が想定外だったとか、転移できずに消滅しちゃうことが多々起きる。

 そのため、長距離の移動には乗り物を使ったり、転移門という魔法や術と違って安全性が完璧なものを使ったりする。お母様たちだって術ではなく、携帯用の転移門を使うくらいだもの。


 だけど、ジジイと糞男は魔法での転移を使った。

 危険を承知での転移では無さそうだったから、おそらく悪魔特有の何かがあるんだろうね。悪魔専用魔法とかもあり得るかな?

 その技術をうまく習得できれば、わたし達も転移門以外での転移ができるようになるとは思うけど……無理な気がするなぁ。悪魔の力を流用するってのも嫌だからだけど。


 まぁいいや、とりあえずジジイをしまっちゃいましょー。

 ポーチから犯罪者とかを輸送する特殊な箱を取り出し、その中に死体をぽいぽいぽいーっと。

 あとは箱に備え付けられている魔道具を起動し、蘇生と捕縛を開始させてっと。うん、ばっちりだね。


 この世界、死んでも転生とか不死者化とかが割とあっさりできちゃうからなぁ。魔法や術が当たり前の世界ならではってとこだけど。

 そのため犯罪者は殺して持ち帰るのではなく、蘇生して持ち帰るって方法が割と一般的。冒険者が通うお店でもあっさり買えるくらい一般的。死んで逃げるはさせません! まぁ犯罪者用だからか、綺麗な蘇生でなく何らかの後遺症が発生する場合が多々あるようだけど。

 綺麗な蘇生をするには高級な設備が揃っているすっごい大きな病院とかで、なおかつ超短時間に実行するとかなせいで、あまり使われないんだよなぁ。まぁ簡単にぽんぽん蘇生できる世界だったらそれはそれで問題だけど。

 もっとも、うちの人だけが使って良いって許可が出ている特殊な術式や、月華の鳳凰を使えば綺麗な蘇生も簡単にできるけど、それはそれだわね。





 さーてさて、あとは召喚された鬼族だけど……そっちは大丈夫みたいね。

 ジジイが戦闘不能になったからか、指令系統がおかしくなり行動不能状態となったようで、簡単に捕縛されていってるわ。

 あとはこの使役状態とか悪魔化っぽい状態の封印だけど、それはうちの国の技術者さんたちにお任せしましょー。わたしがやるよりも完璧だしね。


「おねーちゃーん、おわったよー」


 うんうんって一人納得してたら、あっさり捕縛が終わったようでメイが飛びついてきたわ。

 あとは先に倒したあの世界からの勇者だけかな?

 まぁ女は駄物にべったりだからそのままでも大丈夫だし、わたしとメイが倒したのは回復せず未だに瀕死状態だから輸送用の箱に詰めるだけで終わるね。


「なーんかどっと疲れた感が出る騒動だったね」

「たしかに! とゆーかー、おねーちゃん!」

「な~に?」

「尻尾9本状態とか、すごいのあったんだね!」

「あーこれね」


 メイがわたしの増えた尻尾をモフモフしながらそんなこと言ってきたけど、確かに説明無しにこの状態だったからなぁ。

 しかも体への負荷とか制限とかは特になく、おまけに時間経過によって能力もぐんぐん上がるとかチート能力だろ! って指さされちゃいそうなのだからなおさらだねぇ。


「実は対悪魔用に魔衣と精霊衣よりかは下なんだけど、ちょっと特殊な術衣があったの。ただ、その術衣をサクッと覚えたときにお母様がいろいろと察しちゃったようで、だったらもっとすごい専用の術衣を使いましょーってなってね」

「あー、おねーちゃんならそういうの多そう」

「多そうって……、いやまぁ確かに多いけど」


 基礎のお勉強やら修業やらを開始したら、たいていその日のうちの上位や最上位のものを習得しましょーになっちゃうのは事実だからなぁ。さすがわたし、才能の宝庫!


「ただまぁこの術衣、一つだけ欠点があるんだ」

「そーなの?」

「そーなのよ。これ、ちょーっと能力が上がりすぎて、力加減がかなーり難しくなってねぇ。しかも時間経過で能力がぐんぐん上がっちゃうから、弱くした分をかるーく超えてさらに上乗せした力になってたりもしちゃうわけで」

「欠点ってそっちなの!?」

「もっち! 体に支障がーとか、反作用で何かがーとかは一切ないよ。あくまで手加減するのが大変ってだけなんだ」


 そもそもそういう危険に鳴るようなもの、お母様が使っていいなんて言うはずないのです。天衣を未だに使っちゃダメってのも、体内の魔石へのダメージがあるのでやってはダメって意味に今はなってるし。


「あとは仮ではあるけど、増えた尻尾の関係でちょっと重心がずれるくらいかなぁ」

「確かに尻尾ってなにげに重いもんね!」

「そうなんだよねぇ。空気抵抗のせいとかもあるんだろうけど」


 尻尾が3本から5本になったときも結構感じたからなぁ。獣人にしかわからない経験でもあるけど。


「でもおねーちゃん、ひょっとしたらだけどこの状態、あたしの封印無し並みになるんじゃないの?」

「ん~、たぶんそれは無いかな。お母様が言っていたけど、この状態ってあくまで今現在わたしの体内にある魔石と精霊石の力を引き出しているだけで、ちゃーんと尻尾が9本になったときの能力じゃないんだ」

「未来の力を使ってますじゃないってこと?」

「そゆこと。まぁメイが教えてくれた封印状態無しの能力と比較して、にはなっちゃうけど、尻尾4本分の差がどうしても埋まらないって結果にはなっちゃうんだ」


 それだけ尻尾が9本になった狐族はすごいって事なんだよなぁ。もしも敵としてそんな存在が出てきたらすっごくヤバいです。


「なるほどね!」

「まぁ尻尾だけでなく、身長とかは伸びてくれても良かったのになぁって少し思っちゃってはいるけどね!」

「身長って、おねーちゃん……」

「おっと、そのかわいい子を微笑ましい感じに撫でちゃいたいって感じがする目線はやめようか?」


 わたし、背がだいーぶ小さいのをすこーし気にしているんですから。

 ほんとーに一切伸びなくて、これは将来140センチいくのかしら? ってくらいな状態なんだもの。

 まぁ小さいなりの利点もあるのでそこまでではないけど、やっぱ、こう、大人のおねーさんにはなりたいのです! なれなそうだけど、なりたいのです!


「ふむふむ、つまり変わったのは尻尾だけって事だね」

「あー、実は尻尾が増えた分、ちょっとだけ重くなったわ。それ以外は変化無しだったかな?」


 身長体重に体の各部位の大きさなどをお母様と一緒に確認したけど、体重が少し増えただけだったからなぁ。まぁ術によって体系がバンバン変わるってのはそれはそれで嫌だけど。


「だけど、う~ん……」

「なんか悩んでるけど、何かあった?」

「えーっと、ハッキリ言っちゃうとね、おねーちゃんがすごくエロくなった!」

「……はい?」


 メイが真剣な目をしてそんなこと言ってきたとけど、えっと、なに? ポカーンとしちゃったけど、ほんとなに?


「エロくなったって、服装だって今までの魔衣や精霊衣同様に巫女服主体ので露出も特に変わってないんだけど」

「んー、なんていうかなー、存在がエロくなった?」

「存在って!?」


 なにその歩く卑猥な物体になりましたみたいな表現は!?


「でも事実なんだよ!」

「いやいやその事実って……。まぁ全能力ガッツリ上がってるから、魅力とかも上がってはいそうだけど」


 魔力と精霊力がドカンと上がってはいるけど、それ以外の各種能力もガッツリ上がっているからなぁ。あまり実感はわかないのだけれど。


「つまりー、魅力がガッツリ上がってエロくなったってわけだね!」

「いやいやまって? 魅力がエロさってどういう事?」

「でもそうとしか思えないよね!」

「思えないし思いたくないです!」


 だってわたし、エロイ狐娘を目指してませんから。まぁお母様がエロカッコイイから、それにあこがれちゃってはいるけど。


「とゆーわけでー」

「わけで?」

「おねーちゃん! そろそろあたしとだね」

「ちょ!? ま、待とうかメイさんや!?」

「えー?」

「えーじゃないよ、えーじゃ! 時と場所と年齢を考えようか、マジに!」

「ぶーぶー!」


 いかんわ、メイが完全に、その、えっちぃ事したそうな雰囲気だして手をワザワサしてたんだもの。暴走状態みたいになるとか、ヤバすぎです。

 これ、本当に魅力だけ上がってるのか心配になってきたよ。狐族の魅了とか、しれっと発動しているんじゃないかしら……。

 帰ったら能力の制御とか、もうちょっとしっかり、って、ちょ、メイ!? なにごく自然に手を、だからやめなさいってばぁぁぁぁぁ!!!

ちょっと過激なイチャイチャをしたがる妹ちゃん

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