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337話 姉妹の力はすごいよね

 ちょっと押され気味だけど、どうしたものかしら。

 時間さえ稼げれば簡単に逆転できるんだけど、その時間が難しい、すっごく難しい。


「では、終わらせ……ほぅ」


 そう言って、左手を挙げてそこに魔力か何かでできた刀を作ったと思ったら、バッキーンと大きな音が。


「ちょ、メイ!?」

「いいかげん、おねーちゃんから離れろゴミクズが!」

「くくっ、不意を突いたつもりだったようだが、遅すぎるなぁ!」


 結界内にいたメイが、桜華を顕現させてだいーぶ怒った感じに切り込んできたよ。悪魔への耐性がまだできてないだろうに、無茶するわ。

 だけど、これはチャーンス!


「術技、烈震八連! 烈破八連!」

「ぬぉ!?」

「そのままぶっ飛びなさい!」


 メイの攻撃に気を取られたせいか、すこし緩んだので一気に押し返し! そして時間稼ぎも考えて、思いっきりぶっ飛ばし!

 うん、緩んでいたからか防御もうまくできず、一気に吹っ飛ばすことに成功!


 さてと、とりあえず


「ちょっとメイ、大丈夫なの?」

「力は出ないけど、汚染は大丈夫だよ!」

「力は出ないって、何か無茶してそうだなぁ」


 魔力をガッツリ使って抵抗力を強制的にあげたとかしてそうだわ。


「タイマン戦に強制参加とはいい度胸だ! そちらが二人ならば、こちらも二人だ!」

「げっ、糞男!?」

「くらえ! ホーリーレーザぁぁぁぁぁぁ!!!」


 糞男の回復が済んでいたようで、羽をまたバザッと羽ばたかせ、周囲に羽を散らしたわ。

 そしてホーリーレーザーとか言う詠唱をしたらその羽がピカっと光り、そこから光属性っぽい無数のレーザービームが! 悪魔なのに光属性って何よ!


 って、いかんいかん!

 威力が分からないし直撃は汚染とかが危ない可能性もあるし、まずは結界を張って防御しないと。


「防げばよいのだろ?」

「はい?」

「起動せよ! 光の盾、クリスタルビームシールド!」


 すると目の前に、魔力じゃない何か、電気かな? それでできた光のカーテンみたいなのが出て、飛んできたレーザーをぼしゅんぼしゅんって音を立てながら防いでるわ。

 このカーテン、結構強そうだわね。


「って、駄物!?」

「駄物ではない! バルブレックだ! いいかげん覚えろ!」

「そう言われましても」


 すみません、興味ない存在とか嫌いな人の名前って覚える気ないというか、覚えられないのです。


「しかし、コイツはヤバいな。オレのシールドでもぎりぎりだぞ」

「ギリギリって、どのくらい持つのよ」

「このままであれば10分程度は耐えることができるが」


 チラッと駄物が先の方、ジジイを見たけど……うん、首をコキコキしてまたかかってくる気満々ですね。


「どうするの、おねーちゃん」

「う~ん……このまま時間を稼ぐことができればあっさり倒すこともできるんだけど」


 さっきの感じからして、あと5分程度稼ぐことができればジジイも確実に倒せるはず。

 だけど、その5分稼ぐことができるかって言うと、たぶん無理ね。しかも糞男まで攻撃してきている厄介な状況だし。


「ちなみにだけどメイ、朱雀や青龍とかの顕現はできる?」

「今の状態だとどれか1種類を顕現するのが精一杯かも」

「でも顕現はできるって事だね」


 封印状態とかもあってメイの能力はだいぶ落ちてるけど、それでも桜華を使った能力は使えると。

 それなら……いけるわ!


 まずは


「駄物! あと1分、いえ30秒稼ぎなさい!」

「だからオレの名は!」

「そんなことはいいから! ジジイと糞男、両方とも引き付けておきなさい!」

「両方だと!?」

「文句言わずにやりなさい!」


 ジジイがすぐにも攻撃してきそうなので説明は後回し、ともかく時間を作る!


「くそっ! あとで説明しろよ!」


 そう言って駄物がシールドを展開したまま、まずは糞男の方に突っ込んでいったわ。

 見た感じ、おそらく防御に徹していれば2体相手でもなんとかもつはず、というかもちなさい!





 さてと、駄物を使って作った時間を利用して


「それじゃメイ、朱雀、合わせるよ!」

「わかったけど……それでだいじょーぶなの?」

「だいじょーぶ! わたしにまっかせなさい!」


 ドーンとだいぶ強気な発言っと。それだけ自身があるって事なのです!

 ではでは


「月華」

「桜華」

「「朱雀!」」


 二人同時に朱雀を顕現。それじゃさくっと


「狙いはジジイ一人! いっくよー」

「うん!」


 タンッと二人同時に駆け、ジジイの傍に一気に接近。


「来るか狐!」


 ジジイもちゃきっと刀を構えなおしたけど、関係ないわ。防御されようがそのまま一気にぶった切る!

 ジジイを左右から攻撃できるような位置に移動して~


「月華」

「桜華」

「「神炎開放!」」


 朱雀の力を開放し、炎を思いっきり纏った状態で切りつける!


「受けてたとう! 鬼神奥義、鬼神炎獄表臨斬!」


 今のわたしとメイの力なら受け止めるどころか反撃も余裕でできると思っているようで、ジジイはニヤッと笑って技を発動したけど、甘いんだなぁ。


「受けられるものなら、しっかりと受けてみるといいわ!」


 ジジイの反撃をものともしないどころか、朱雀の炎が飲み込んでいき、そのままズバッと斬っちゃう!


「な、なんだとぉ!?」

「甘く見たしっぺ返しってやつよ!」


 ジジイの攻撃だけでなく刀をも朱雀の炎で溶かしながら、そのままわたしとメイの斬撃がジジイの体に当たる。一切のズレが無い、完璧同じタイミングでズバッと。

 ニヤッとしていたのもすぐに驚きの顔に変わったけど、どうにもならないようね。ずばずばーっと。


「ぬおぉぉぉぉぉ!? ば、ばかなぁ!?」

「ちっ、回避されたわ」

「厄介すぎるんだよ!」


 わたし達の攻撃は確かにあたった。だってジジイの体に二重のバツ印がついて、傷口からは血がドバドバ―っと流れてるもの。

 だけど切り込んだ瞬間に回避しだしたようで、もっとえぐるくらい切る予定だったのが多少の深手程度になっちゃったわ。


「なぜだ! オマエ達の力では、我に敵うはずがないのに!」

「へぇ、やっぱそういう分析してるんだ」


 傷口を手で押さえながらジジイがすごい焦ってるけど、そりゃそうよね。

 さっきまでは確かにジジイのが強かった。わたしだってだいぶ押されていたし、メイは封印状態もあってもっと弱い状態だもの。


「ま、その理由なんて教えませんけどね~」

「くそっ! ディアム殿、こちらを手伝え!」


 ジジイは糞男に援護を求めたようだけど


「げ、ゲンザブロウ殿!? コイツ、厄介すぎて」

「厄介とは失礼な奴だな。まぁいい、オレも多少不安視していたが、思ったよりもダメージが抜けきていなかったようだな! フル装備でないオレと互角だぞ!」

「く、くっそぉ」


 あらあら、駄物が結構押し込んでるわ。メイの婚約者だーとか言ってただけあって、装備が万全でなくてもそれなりに強いってことかぁ。

 まぁそれでわたしの好感度が上がるかって言うと、そういうことは無いんですけどね!


「ちょっとおねーちゃん!」

「な~に?」

「ほんとーにどうにかなっちゃいそうなんだけど!」

「なっちゃっいそうだねぇ」

「そうなんだよ! それで、どうしてなの?」

「あーその様子、メイは知らなかったのね」


 現状だとジジイの方がだいぶ強かったのに、防御どころか攻撃をも飲み込んでザックリいったから、どうなってるのかわけわかりませんって状態なわけだね。

 う~ん、ジジイは糞男に助けてくれ状態で必至だし、少しなら大丈夫か。


「えっとね、わたし達の月華と桜華って結構特別なの。お母様たちの術装の子供っていうのもあるんだけどね」

「聞いたことある! たしか術装の移譲や継承でなく、ママ達の術装の子供をあたし達が貰ったって状態なんだよね」

「そそ。そんな特別な術装なんだけど、力関係もかなーり特別なの。だって月華と桜華、それにお母様たちの月花と桜花もだけど、ぜーんぶ同じ力を発動できちゃうからね」

「あっ! たしかに!」


 メイもちょっと驚いたけど、そう、本来術装はいくら同系統や類似した術装が存在していても、完全に同じ力を宿すとかは一切ない。似たような力を持つはあるけど、同じはありえないんだよね。

 だけど、わたし達の術装は親子姉妹でまーったく同じ力を使えちゃう。多少違う力は存在するようだけど、一番重要ともいえる朱雀とかの力をみーんな使えちゃう特別な術装。


「まぁ同じ力が使えるだけならジジイには及ばないんだけど、朱雀や青龍といった特殊な神獣に関しては別」

「べつ?」

「実はね、神獣って同じ存在を合わせると、能力が倍になるとかでなく、何十から何百倍にも上がっちゃう特別な存在なんだよ!」

「何十から何百って、うっそぉ!?」

「ウソじゃなくてマジなのよ。な・の・で~、ジジイにもバッサリ攻撃できたってわけなんだよ!」

「おぉー、不思議だけどなんかすごいんだね!」


 うん、かなーり不思議現象だなぁって思うのはわたしもです。

 同じ力使えるってのは良いんだけど、同じ力を合わせると威力がドカンと上がるとか、かなーり特殊だよね。しかも術式や術技だけでなく、神獣の力限定ってのがまた不思議です。

 しかも力を合わせて何かをした場合のみ上がるようで、もしも敵対して攻撃しあった場合では上がらないという、なんともご都合主義だなぁって思っちゃうくらいの仕様まであるんだもの。

 いったい神獣って、どういう存在なんですかねぇ。使っているけどいまだにわかりません!

 まぁ全部ひっくるめても、わたし達にとっては悪い事じゃないはずなので、あまり気にしないでおきましょー。

親子の協力技とか、姉妹の協力技がめちゃくちゃ強い娘たち

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