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327話 依頼なんですか?

 ではではトンッと地面を蹴り、ぴょーんと近くのガーディアンの頭にちゃくち!

 ガーディアンが反応して掴もうとしてくるけど、その前にガーディアンの頭をトンッと蹴って、またまた近い所に居るガーディアンの頭にちゃくち!

 その繰り返しでポンポンッと先に進んでっと。これならすぐに最深部に行け


「待てよ!」

「ちょ、ちょっとぉ!?」


 次のガーディアン踏みに行こうとしたら、駄物が目の前に飛んできたんだけど!?

 正面衝突しちゃいそうになったから、急いで空中に魔力で足場作ってそれを蹴り、ぶつからないよう向き調整して地面に着地っと。


「あっぶないなぁ」

「だよね! いったいどういうつもりなのかな!」


 メイが相当プンプンだけど、駄物までなんかイライラって感じ。


「仲間を見捨てて行くとは、どういうつもりだ!」

「仲間って、誰よ」

「はぁ? お前、この状況で仲間が居ないなど、そんな馬鹿なこと言うつもりなのか!」

「そう言われましても?」


 すっごいキレてるけど、マジでどういう事よ?

 百歩譲って駄物を仲間だとしても、その駄物は勝手に突っ込んで勝手に戦闘しだしたんだから、わたし達が無視して先に進んでも文句言われる理由は無いよね?


「よく見ろ! 敵によって今にも倒れそうな仲間達を!」

「倒れそうなって、あー、結局そういうことですか」


 なっとく。

 駄物にとって、傭兵帝国を含めたこっちの兵たちは味方認識ってわけね。

 だけどわたしにとって、こいつらは全員敵って認識が強い訳で。なので助けようという気には全くなりません! とゆーか、その辺りの説明もしてあった気がするんだけど。


「つまり、先に進まないでわたし達にも戦えと?」

「その通りだ! むしろ、なぜそう考えない!」


 ずいぶんとキレ気味にがーがー言ってきてるけど、ほんとーにわたしからすると、そんな考えにはならないわけでして。

 これがうちの国の兵士さんとかなら喜んで助けるんだけどねぇ。


「つまり、倒せばいいんでしょ?」

「当たり前だ! なので今すぐ」

「とりあえずやっておくかぁ」


 駄物がまた何か言いそうだけど無視!

 まずは右手を挙げ、そのままばっと手を開く。

 すると踏んできたガーディアンがうっすら光り出す、よしよし、ちゃんと仕込めてるね。


「おねーちゃん、これってもしかして?」

「うん、メイが思ってる通りだよ。なのであとは」


 開いていた手をぎゅっと握る。

 すると光っていたガーディアンを隠すように金色の球体が現れると、その球体がすぐに縮小していって、ガーディアンまとめてポスンと完全消滅。うん、バッチリです。


「おー、おねーちゃん凄い! あたしだともうちょっと時間かかるよ!」

「そうなの? 術式でなく、単純な魔力制御だから、メイの方が速そうな気がするんだけど」


 メイがパチパチと拍手してくれるけど、ほんとーに簡単な魔力制御なんだよねぇ。

 対象に圧縮した魔力を付与し、遠隔でその魔力を制御して解放と圧縮をするだけの簡単な技。術じゃないので、術札無しでもできる簡単なものです。


 それにしても、メイよりも速いのか。

 ん~む、訓練いっぱいしてきた効果で、ひょっとしたら魔力制御とかはわたしの方が上になってるのかしら?


「お、お前は!」

「はいはい、何か言いたそうだけど五月蠅いので黙ってください」


 倒したら倒したで、まーた駄物ががーがー言ってくるみたいで。

 厄介だなぁ、ほんと。





 そんな何ともめんどくさい状態になってたら、どっずーんと近くのガーディアンが倒れっる音がした後、1人、いや3人かな? 近づいてきたわ。

 なんなんだろ? って思ってたら、その3人が目の前に来るなりガシッと頭を下げてきたんだけど。


「おい駄物、こいつらは」

「知らん!」

「知らないとか、つかえない奴だねー」

「バシッと言い切るなぁ。まぁわたしもそう思っちゃえるんだけどね。それで、えっと」


 敵対心が思いっきり出ちゃうのを抑えるように注意して、3人をじーっと見てみましょう。

 ふ~む、機械装備してるけど結構ボロボロだなあぁ。先頭は女で後ろのは男、種族は全員只人っぽいな。


「えーっと」

「無礼かもしれないが頼む! 我らの殿下を助けてくれないか!」

「はい?」

「殿下って、おねーちゃん?」


 わたしとメイがなんのことでしょって感じに目を合わせちゃったけど、殿下って、あの殿下?


「分かった、オレに任せてくれ!」

「ちょ、駄物!?」


 駄物がドンッと胸を叩いてふんぞり返ったけど、何しきってるんですかね?

 ちょっと黙らせておこうかしら?


 そんな事を考えてたら、女が頭をあげわたし達を見てきた後、なんか申し訳ないって顔をして


「いや、すまない……その、貴殿ではなく、そちらの女王に対してなんだが」

「「女王!?」」


 思わずメイと一緒に叫んじゃったけど、女王って何よ!?


「ちょっと説明!」

「す、すまない。その、貴女はレグラス王国の伝説にもなっている金色狐の女王、その娘子で間違いないか?」

「お母様も女王って……まぁそうだけど」

「そして先程、数体のエネミーロボを倒したのも貴女で間違いないか?」

「あー、やっぱバレたらそうなるよなぁ」


 そう、傭兵帝国側って魔力使ってないけど、魔力の探知ができないってわけじゃない。誰が魔力を使ったとかも当然わかるわけで。

 認識疎外が無効化されたせいでわたしに対する認識だけでなく、警戒というか注意がドカッと増えちゃった中、ガーディアンを魔力を使って倒してたらバレちゃうよね。


「それで完全に把握した。貴女は私達よりも強く、そしてエネミーに対しても完全上位であると!」

「まぁそうかも? 特に今のガーディアンって魔力に弱い状態だし」

「そんな貴女だからこそ頼みたい! 殿下、殿下を!」


 ちょ、膝をガクッとついて、わたしにすがりつくように訴えてきたんですけど!?

 すっごい必死だなぁ。


「あーえっと、つまり、傭兵帝国の王子様が突っ込んでいるってわけ?」

「その通りだ。殿下は帝国最強の装備を整えてはいるが、このエネミーが相手では……」

「帝国最強って、相当強いアレかぁ」


 情報だけではあるけど、たしか剣や銃とかのいろんな装備が召喚できる優れた装備で、天衣と同じくらいの防御力や性能があって、使用者によってはわたしと同等以上になるんだったかな。

 まぁ相違ヤバい装備が作れるのもあって、傭兵帝国ってうちの国とも戦えるんだけど。


「頼む! 謝礼は貴女が望むもの、欲しければ我が部下、私自身を捧げても構わない!」

「いやいや、そんな人もって」


 そう言いながらチラッと目の前の女を見るけど……ふむ、結構良い体してますね。

 防具がボロボロだから、その隙間から見える


「おねーちゃん?」

「あっ、いや、変な事は考えてないよ!」

「ほんとーに?」

「ほんとほんと!」

「あやしいなぁ」


 いかんいかん、メイがじろっと睨んできちゃったわ。


「浮気はダメなんだよ!」

「浮気って、しないしない。わたし、結構キッチリしてるので!」

「ほんとかなぁ?」


 ちょ、そんな疑った目で見ないで?

 とゆーか、今までも一切浮気とかしてませんよ?


 しっかしなんでもあげるから助けてくれって、そこまでするくらい大事な王子樣なら何でこんなとこ来たんですかね?

 危機管理無さすぎだなぁってのと、それだけ余裕だと思っていたのか、はたまた別の理由があるのかねぇ。

 まぁわたしとメイもこんなとこ来てるけどね!

女兵士は割と美人

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