表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
322/363

322話 やっぱり高性能?

少し長いです

 運が良いというかなんというかだけど、ガーディアンがすんなりわたしを管理者だと認識しちゃったので、各種情報をじゃんじゃんと抽出。

 その情報で真っ先に目が行ったのが


「これ、わたしが知っているのよりも5世代も新しいのか」

「ボクとレイジクンも同じ感想ですねー。となりますので」

「少なくとも僕らが居た時代からはだいぶ時が進み、ガーディアンの世代更新が何度も行えるほどの技術や資源を確保した世界になるね」

「そういうことだよねぇ。あの世界って資源枯渇が激しいから、あの国のバカどもが別世界への侵攻を繰り返すっていうトンデモナイ状態だったけど、今ではガーディアンの更新とかできるほどの資源が確保できてる状態になったって事かぁ。だけど、それならそれでおかしな状況になるなぁ」


 首を傾げちゃいながらあの世界の事を何とか思いだしながら考えてるけど、覚えている限りあの状態じゃ資源が豊富で進行も楽な世界手に入れました! って状態でなければ厳しいはず。

 そんなあたりの世界がうまいこと引けたんですか? ってのも気にはなるけど、引けた結果あの世界の資源が豊富になったとしたら、こっちの世界にまた侵攻とかする必要無いわけで。


「資源以外の目的があるのかねぇ」

「資源以外……か。だとすると……いや、さすがにバカげている」

「おっと、その様子だとレイジクンも気づいた?」

「コレットも思ったなら、たぶんそうなるかなぁ」


 レイジが「ハァ……」ってすっごいため息したけど、どういう事かな? わたしは想像今のところできて無いんだけど。


「おそらくだけど、ユキ様狙いだね」

「はい?」

「さすがおねーちゃん、もてもてすぎ!」

「異世界の敵まで魅了するとか、さすがユキさんですわね!」

「その称賛は嬉しくないんだけど!」


 メイとエレンはなんでそうキャッキャとなるんですかね? 敵からモテてもわたし、嬉しくないんだよ?


「これはあくまで推論、前回のガーディアンとの接触により、向こうはユキ様の情報をある程度手に入れたて仮定しての話になるんだけど」

「あー、その推論はあってそう」

「とはいえ確証は無いので、あくまで推論にはなりますけどね。それでその推論ですけど、他世界には無い精霊という特異な存在と、その精霊に近い半精霊という存在に興味が湧いた、というのが一番にありそうかなと」

「あの国王は欲望万歳だったからねー。精霊を使役したいとか、精霊を取り込んで力を上げるだけでなく不老不死になりたいとか、そういうことを考えてそうですよ」

「うへぇ、なんともはた迷惑」


 そういう考えのバカはこっちにも少なからずいるけど、世界を超えてまでそういった感情から侵攻しちゃうとか、ほんと迷惑。

 まぁ世界を超えて侵攻してくること自体迷惑なんだけど、





「まぁそれはさておき、世代が上がっているからか、性能や武装関係も進化しているみたいね」

「攻撃力と防御力が上がっているみたいだね。だけど再生能力が無くなっているようだけど」

「あーそういえばこいつら、破損したのを自己再生で修復するのではなく、別の機体が魔法かな? なんか光をペカーって浴びせて直すって方法をとっていたね」


 邪魔でしかなかったけど、さっき駄物の機械人形が戦闘っぽいことをしていたのがこんなところで役に立つとは。

 当の駄物はさっぱりって顔してるけど。


「「魔法を使った!?」」

「そ、そうだけど……ずいぶんと驚くね」


 レイジとコレットちゃんがクワッって感じにまた驚くんだもん、相当だね。


「そりゃ驚きますって! 姉姫サマはもしかしたら知らなかったのかもですけどー、ガーディアンは魔法や術式は使えないんですよ?」

「え? そうなの?」


 キョトンとしちゃったけど、そういえばガーディアンが魔法使ってるところ、見たことなかったような?

 魔物特攻の能力はあるけれど、それは大元の作者である勇者が付与した能力なのでちょっと違う。

 次に属性攻撃やバリアなんかを展開してはくるけど、それは機械の技術で再現している物で純粋な魔法とかじゃない。


 ……うん、使ってないね!

 まぁ動力として魔力も使っているので、魔法のような技術で動く物ってのはあるかな?


「魔道具を組み込んで放つという方法なら可能なんですけどー、あの世界って魔道具自体ほとんどなかったですからねぇ」

「そういえば魔石とかもほとんどなかったよね? こっちの世界に召喚されて、魔道具だけでなく魔石も一般流通されているのに驚いたなぁ」

「魔石がほぼ枯渇してましたからねー。それだけあの世界はやつれていたって事でもあるんですけどねー……」


 レイジとコレットちゃんがシミジミって感じに話してるけど、確かにそうだったような記憶。

 そもそも魔物自体あまりいなかったかな? 魔石になる鉱石とかも無かったし。


「となると、あの回復ぺかーはこっちの世界で手に入れた魔道具、もしくは侵攻して手に入れた世界の戦利品を使ってできた魔道具を組み込んだ結果、になるのかな?」

「そうなりますね。その辺りは書かれていませんか?」

「残念だけど無いねぇ。これが装備に関する情報なんだけど」


 画面を操作していって装備一覧の細かい情報をポンっと出してっと。


「装備の名称と効果、それと残段数に破損情報、代替装備の提案しか書かれてないみたいなの」

「現在装備している武装の詳細情報や入手元の情報が無いわけですか」

「そうなっちゃうね。まぁ鹵獲された場合を考えたら、ここまで情報が書かれているのも奇跡ではあるんだけど」


 ずらーっと表示見てるけど、わたしだったら記載しないか超難しい暗号にしておいて、もしも見られても大丈夫なようにするからなぁ。

 こういうところを見ると、ガーディアンを作った人はお間抜け―ってのと、わたしの方が技術も考えも上です! って自画自賛しちゃうわ。





 ガーディアンの装備とかはさておき、次の問題に入ろうかな。

 ポチポチっと操作してっと……よっし。


「これでどうやって来たのかが分かるけど……は? え?」


 いったん目をコスコス。

 うん、きっと見間違いだよね。

 あらためて、今度はちゃーんと見て……マジかよ……


「このガーディアン、単独で転移できる超高性能な転移装置を装備している……しかも超小型の装置で」


 画面にはバッチリと〝空間湾曲型時空横断移動装置〟って書かれてるんだもん。

 しかも内容を見る限り、転移門と同じような機能を持った転移装置を装備しているだけでなく、その装置が超小型みたいなんだもん。

 この世界でも転移門を超小型化して携帯するとかすっごく難しい技術だっていうのに、いったいどこでこんな超技術手に入れたんだよ……。


「転移装置ってゆーと、このガーディアンって単体で転移できるって事なの?」

「そうみたい。装置を起動するための手順を見る限り、座標を設定したら魔力を流すだけのお手軽装置にもなってるのかな」


 なんで武装と違い転移装置には詳しい説明残してるんですかね? ってツッコミはあるけど、今は助かってるのでまぁ良いでしょう。


「それってズルいんだけど! あたしは転移するために、能力抑えるための封印を何重にもするし、安全確認の魔法を何重にもかけてやっと来てるっていうのに!」

「そういえば結構大変だって言ってたね」

「そうなんだよ! しかも魔力と精霊力をけっこう使うから、ポンポン起動もできないんだよ!」

「ボク達の世界と姉姫サマの居る世界だと結界を通過する必要があるんですけど、その結界が厄介で姫サマの力は強すぎて転移門が安定しないんですよねー、強すぎる弊害ってっやつで」


 ブーブーしているメイをコレットちゃんがなだめてるけど、ほんと結界を超えての転移って大変ね。

 ただなぁ、安全装置の関係もあるだろうけど、それをあの駄物もやっているのはどうなんだろなぁ……当人は話に乗れずにもがもがしているけど。





 そのまま転移装置の情報とかを調べてみたけど、特に罠とかは無いね。

 機密装置だったようでコアの付近に厳重装備されていたこともあり、破損もなく無事回収どころか起動して使うこともできる至れり尽くせり状態。


 となると~


「乗り込むしかないね!」

「殴り込みだね!」

「殲滅しに行くですわね!」


 みごとにわたし、メイ、エレンのお嬢様3人娘の意見は一致!

 まぁわたしは戦闘狂じゃないけど、明らかな敵対行動されたんじゃ仕返しもしないとなぁって考えが出ちゃうからねぇ。


「それじゃさっそく転移してきた元の座標を調べてっと……」


 魔道具を操作して地図を表示しつつ、ガーディアンからは元座標が設定されている箇所を調べてっと……あった!

 あとは地図に座標を入力していけばサクッと表示……うげ。


「すっごく嫌そうな貸してますけど、どうしたんですの?」

「すっごく嫌な顔しちゃうよ……。だってこれ」


 そう言って地図画面の拡縮を調整すると……


「これは……傭兵帝国ですの?

「んーん、よく見ると、傭兵帝国の領土ではなく隣の国がおさめている島だけど、傭兵帝国がすぐそばなんだよね」

「すぐ傍とは厄介すぎですわ!」

「そうなんだよねぇ。なんですぐそばの島から送ってきてるんだよ……」

「えーっと? つまりどういうことなのー?」


 エレンだけでなくアリサ達もうげぇって感じだけど、メイとコレットちゃんと駄物はさっぱりみたいね。


「えっとね、メイも聞いたとは思うんだけど、この傭兵帝国ってわたしが住んでいる国とかの敵なの」

「敵って、あーもしかして?」

「うん、このまま殴り込みに行った場合、傭兵帝国の領土に侵入しなくても警戒されたり国の方に抗議がきたりするの。しかも、もしも傭兵帝国の領土になっていたとかだと、ガーディアンと戦闘しただけでも開戦の意思有り! ってなっちゃうの」


 ガーディアンを送ってきたのが傭兵帝国とグルでした! ならまだ仕返しって意味になるのでどうにかなるけど、現状は情報も証拠も無いからなぁ。

 これが倒しに行った後に無関係ですって証拠が出てきちゃったらガーディアンがどうのこうのは話題にもならず、レグラスが開戦したとかって流れになって戦争するって未来しか見えない。

 しかも傭兵帝国との本格的な戦争ってなると、他の同盟国をいくつも巻き込んだ相当ヤバい大戦になっちゃうだろうし。


「どうしたものかなぁ」

「お嬢様、こういう時はサユリ様やタツミ様に相談された方が良いのでは?」

「それもそうだねぇ。いつもの流れでサクッと解決はできないし」


 わたしがドーンと行ってサクッと敵倒して解決! ができれば楽なんだけど、行くことで問題発生になるとかは厄介だわ。


 ではでは、この時間だとお父様は会議で忙しいだろうからお母様に連絡を……あれ?


「どうしましたか?」

「えっとね、通話ができない状態になってる」


 魔道具ポンポンっと操作してお母様に通話しようとしたら、「各種回線は現在封鎖中です」っていう、今まで見たことも無い表示がババーンと出てきちゃったよ。

 予想外の展開すぎるし……これはちょっとヤバそうだわ。

ちなみに個別着信拒否では「この通話はご利用できません」あたりになります

(使うときはなさそうですけど)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ