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299話 説明なーがーすーぎー

 機械人形の説明が始まったけど、何とも言えないなぁ。

 魔道具でデカデカと前仕様からの変更点が表示され、それに伴う上昇値などがズラズラっと出てるけど、正直ちんぷんかんぷん。


 変更内容は説明からなんとなくわかるけど、わたしは前仕様の能力を知らない。

 思考速度が2割上がりました! って言われても、前の思考速度がどの程度か知らないので、すごいことなのか違うのかが判断できません。

 そのせいもあってか、ちょっと飽きてきたなぁ……まぁ最初から乗り気じゃなかったけど。


「あーきーたー!」

「ちょ、メイ!?」


 わたしが飽きたくらいだから、たぶんメイもそうだとは少し思ってたけど、思いっきりぶっちゃけたよこの子。

 突然過ぎたけど、司会の方には聞こえて無かったようで良かった。さすがに聞こえてたら、わたしの立場の関係でちょっと問題だからねぇ。


「だって、説明ばっかだと何が何だかさっぱりだもん」

「まぁ、うん、わたしも同感だから何とも言えないけど、その、立場があってね?」

「ぶーぶー!」

「いや、わたしに抗議されても困るんだけどね?」


 うん、完全に飽きてるわ。

 それと同時に、飽きたのを言い訳にイチャイチャ度を上げようとしてるわね。

 場所が場所だけに、もうちょっと抑えてもらいたいところではあるんだけど、メイの気持ちもすっごいわかるので、バシッと拒否できないわたしも居るわけで……。なかなか困った状況です。





 そんなこんなの状態だけど、説明はどんどん進んでいるわけで。完全に飽きているメイが、わたしに抱きついたり尻尾モフモフしたりしてるけど……。

 えーっと、今度は内部の内部、機械人形を動かすための式、というよりプログラミングコードって言うべきかな? その説明に入ったみたいね。ホント説明大好き集団だなぁ。


「説明の場面が変わりましたが、知らない言語を使っているようですね。私の知識不足、という可能性もありますが」

「いやぁアリサの知識不足ってのは無いと思うよ。だって、わたしも見たことも聞いたことも無いし」


 説明とともに映し出されているプログラムの内容や、例として挙げられている使用したコードの一部を見てはいるけど、見たことのない記述ばかり。

 機械関係はちょっと知らないことが多いけど、それでも見たことが無く、似たプログラムが思い浮かばないのは初めてだよ。


「いちから構築した言語ってとこなのかもねぇ。って、どうしたのメイ。モフモフしてた手も止まって、ぼーぜんって感じに映像見てるけど」


 今の説明が始まるまで周りを気にせずべったりだったメイが、なぜか説明が始まると急に手を止めるんだもの、ちょっと気になるわ。

 しかもなんだろ、困惑してる感じかな? 普通じゃないっぽいね。


「あー、えーっと」

「姫サマ、これってやっぱりアレですよね? だとしたら、姉姫サマにも報告必要ですよ」

「だよね。でも、うーん……」

「なんか困ってるっぽいねぇ。てか、コレットちゃんの発言をから推測するに、二人は表示されているコードに見覚えがあるってこと?」


 メイだけが知っているなら前世関係、コレットちゃんなら前の世界絡みって推測できるけど、二人共って事はメイの国の技術なのかしら?


「そうなんだよ! でもね、絶対におかしいの!」

「おかしい? なんかバシッと言い切ってるけど、そんなに変ってこと?」

「変なんだよ! えとね、あのコードは〝とある国〟が開発している物なの。んで、その国って言うのが」

「最近来たあのゴミ王子王女コンビの国なんですよー姉姫サマ」

「へ? まじ?」

「マジなんだよ!」


 メイがバシッと言い切って、コレットちゃんが思いっきり頷いたけど、そんな事ってあるの?

 だってあいつら、こっちに来てまだ数日しか経ってないのに、もう仲間というか連盟というか、そういうのができたってこと?


「あー、メイがおかしいって言うのはそういう事か。たった数日しか経ってないのに、どうやってこの学園の学科の一つに潜り込む、というよりも中枢に入ることができたのか、ってとこかな」

「そうなんだよ! 見た感じ、あたし達の方では誰もが使えるコードを用いてるようだけど」

「機密でもない物であっても、こっち側の技術よりも数段上ってことなのかねぇ」


 こっち側って機械の科学は確かに遅れ気味だからなぁ。

 魔科学で基礎を作って、それを機械の科学に落とし込むってのは見るけど、機械の科学だけを使った現象を新規に作ったり、他の技術に頼らずに改良ってのはあまりない。

 ないという事は、技術の進歩も飛躍的に上がる場面もほぼないため、どうしてもゆっくりになっちゃうわけで。


「アイツラ……好き放題しすぎで、ほんと嫌! 大きな実績を作って、あたしの気を引こうとしてそうなのがさらに嫌!」

「相当嫌ってるんだなぁ。その反動で、思いっきりモフモフされてるわたしもどうなのかと思うけど……」


 精神安定の為なのか、すごい勢いでモフモフしたりサワサワしたりしてきてるわけで。これはアレですか? わたしの理性を飛ばす気なんですか? って感じでもあるわ。

 とりあえずメイさんや、もう少し抑えてくれませんかね?

 理性もそうだけど、その、だんだん手がやらしい感じで、変な声出しちゃいそうなんですけど? さすがにそんな状況は避けた、いや、だから、もう少し抑えてってば!





 メイのほぼほぼセクハラとも言っていい行動をしばし受けていたら、どうやら次の段階に入るみたいね。

 ようやく説明だけではなく、持ってきた機械人形を実際に動かすみたい。いやはや、ほんと説明長すぎです。


「ほら、今度は人形が動くみたいだから、少し抑えようか?」

「えー? あたしはおねーちゃんとイチャイチャだけしていたんだけど?」

「イチャイチャだけって、あーたね……」


 完全に発情してるよこの子。

 というか、さっきのコード云々とかはいいんですかね? もっと深堀とか、どうしてこうなったかの追求とかしないんですかね?

 もっとこう、考えなければいけないことが


「おねーちゃん! あたしが何も考えていないって思ってないかな!」

「ソ、ソンナコトナイヨ?」

「えー? うっそだぁ」

「ホントホント」


 うん、顔に出てたようで、思いっきりばれてるわ。ほんとわたしって隠し事できないなぁ。


「まぁおねーちゃんには、後ですっごいお仕置きするとして」

「やらなくていいからね? なによりその眼つき、絶対にやらしい要素入りでやるって感じだし」

「むふー! えっと、アイツラの事は、あとで本国の方に問い合わせるからだいじょーぶだよ! 国際問題どんと来いなんだよ!」

「いやいや、それはやり過ぎ……でもないのか?」


 機械人形に使える技術の提供ってことは、軍事的な価値もある物って事になる。

 となると、メイの安全の為とか、学園のあるアルネイアやこっち側への侵略に当たらないか、といった事を調べる必要も出てくる。

 特にうちの国同様、メイの国もメイに対する愛情的なのが相当強いようだから、おそらく根掘り葉掘り調べることになるだろうなぁ。安全第一というか、ちょっとの危険すら排除したいって考えもありそうだし。


「なので、あたしはおねーちゃんとイチャイチャするの! ストレス発散なんだよ! つまんない説明とあいつらのせいで、ストレスヤバヤバなんだよ!」

「あらまぁ、建前とかすべて排除して、完全にぶっちゃけたよこの子」

「むふー! あの人形が変な動きでもしない限り、あたしはおねーちゃんを堪能するのです!」


 そんなことを言いながら、まーたモフモフサワサワを思い切りしてきたけど、うん、その発言はやめよーね?

 未来予知ができるメイがそういうこと言うとね、ほんとーに起こりそうだからね?

 そういうのは勘弁してもらいたいのです、マジに!

戦闘もできる人形ですからね

未知の技術埋め込んでますからね(たぶんフラグ)

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