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297話 案内と所用片付け!

 メイの追っかけみたいなのが出てくるとか、なかなか面倒な感じになってきたなぁ。案の定、メイ達を案内した先で遭遇って状況が何度もあったし。

 このままだと厄介な登場人物って感じも強くなりそうだし、どうにかしないとかな。


「それでおねーちゃん、今日はどこ案内してくれるの?」

「当人は気楽だなぁ」

「なにが?」


 わたしの手をにぎにぎしながら隣を歩くメイの表情を見る限り、意図的とかではなく、何のこと状態って感じだわ。


「そりゃメイの追っかけ」

「きーきーたーくーなーいー!」

「徹底してるなぁ……」


 話題に上がるとすぐこれだからなぁ。

 あの二人を相当嫌っているのもあるんだろうけど、なんていうか敵対してるんじゃ? って思えてきちゃったわ。


「姫サマー、そんな対応していると、そのうち姉姫サマから嫌われちゃうんじゃないんですかー?」

「そうなの!? おねーちゃん、あたしを捨てるの!?」

「いやいや無いから、ほんと―に無いから。だから、その、急に顔を寄せてくるのはやめよーね?」


 コレットちゃんの一言で、メイが必至というか泣く1、2歩手前みたいな感じで、グイっと見つめてくるんだもん。なんていうか、これも相当ですね。

 戦力的なのはメイの方が上だけど、愛情的なのはわたしの方が圧倒的って感じかしら? 良いのか悪いのかは分かんないけど。

 とゆーか、わたしの婚約者候補ってみんなそうなってきてるよーな気も……。気のせいだとは思うけど、ちょっと気になりますね。





「えーっと、今日は案内もあるんだけど、ちょっとわたしの所用も兼ねてるんだ」

「へー。それっておねーちゃんだけ?」

「そうだよー。エレンは今日、別の用事があるから、ちょうどいいと言えばちょうどいい日程ではあったけどね」


 今現在廊下を歩いているのは、わたしとアリサ、そこにメイとコレットちゃんの4人状態だから、少し気になったんだろうね。

 エレン達は学園に来て早々、「今日は用事があって、一緒は無理なのですわ。申し訳ないですわぁ」って言ってたこともあり別行動に入っちゃった。


 そもそもエレンはこの国アルネイアの貴族なのもあって、この国の貴族特有の授業をどうしても受けなきゃいけないのがある。

 わたしの方も似た様なのはあるけど、お母様とシズクさんに教わるのだから、大変って思ったことは一度もないけど、こういう学園で受けなきゃいけないのは大変そうだなぁとは思うわ。

 とはいえエレンの弟君も一緒だからか、「少し教育してきますわ!」なんて意気込んでたけど。弟君、いまだにシスコンっぽいのが抜けて無いからなぁ……。


「んで所用だけど、アリサ」

「こちらですね」


 アリサがスッとポーチから1通の手紙を取り出し、メイに手渡す。さすがわたしの専属メイド、動きが洗練されてます。


「んっと、〝新規開発した機人形の展示会〟って書いてあるけど、これってなーに?」

「それはね、今日案内する中に入っている〝機工〟の学科が、新しい人形、まぁロボットだね、それを作ったのでお披露目をするって案内なんだ」

「へー。それにおねーちゃんが招待されたの?」

「そだよ。エレンも招待されてるけど日時が異なっていてね、今日はわたしとアリサだけなんだ」


 全生徒に対して一斉公開しようにも部屋の大きさなどの関係で、どうしても人数制限しなきゃいけないって理由がある。

 個人的にはエレンと一緒じゃないのは不満感ある……というか思いっきりあるけど、国とか街ごと、あとは身分なんかで分けてるからしょうがないとかなんとか。

 まぁ分けなくてもいいように、もっと広いところ借りろよ! って考えちゃうのは、わたしの悪い癖かしら?


「招待状ですが、主に貴族の方とその従者に対して配布されています。私の場合、お嬢様の招待状に添付してあった形ですね。ここまでくると貴族の方専用のようですが、一般の方を退けるというのは一切無いです。ただ、一般の方は席が無いので立ち見になってしまいますが」

「招待状は座って見るための予約券みたいな感じね。だからメイとコレットちゃんがいきなり参加しても大丈夫なわけ」

「ふーん」

「あっ、その表情、もしかして〝自分達は立ち見になっちゃう〟って考えてる?」

「そうだよ! だって」

「ほっぺふくらませちゃって~、ふにふに。えっと、メイとコレットちゃんが立ち見するってことは無いよ」

「そうなの?」


 わたし達と離れるのを予想したのか、メイがプンプンって感じになっちゃったけど、すぐに収まるかな。

 ただ、その仕草が可愛いのもあって、ついメイのほっぺをフニフニするわたしもどうかと思いますが!


「招待された方の中には、親族や友人などを数名招く権利があるのです。当然、お嬢様にもその権利が付与されておりますので、お二人を招くという形で同席をしていただければ問題無いのですよ」

「だね。まぁ向こうとしては、全世界で有名なわたしのお父様とお母さまを呼んでくれって考えてるんだろうけど、そんな事は絶対にありません!」

「ですね。ただ、それだけ自信がある発表なのかもしれませんが……」


 そもそもなぁ、なぜかわたしが呼んでもいい人の人数が無制限なのと、予定日以外でも参加できるだけでなく、なぜか何度でも参加して良いという特権までついてるんだよねぇ。特別視され過ぎだわ。


「なるほどね! でもロボットかぁ」

「もしかして、メイはロボット嫌いとか?」

「んー、好き嫌いは特にないけど、なんか嫌な気がするなぁって」

「そういう未来予測、やめよーね? メイが言うと冗談でなく、実際に起こりそうな気が悶々だよ」

「むふー!」

「いや、褒めて無いから……」


 メイが誇らしげに少しドヤッてるけど、ほんと勘弁してください。未来予知能力のある子が言うと、冗談だったのが真実になっちゃう気がするよ……。





 そんなこんなで目的の教室まで来たけど……人が多いな!

 見たところ、レグラスの貴族中心って感じではないなぁ。となると今日は良いところの貴族を集めただけかな?

 だけどアルネイアの貴族は少ない感じ。となるとそっちはエレンと同じ日に集めてそうだわ。


「ねぇおねーちゃん、本当にここなの?」

「残念だけどここなんだよねぇ」

「ゴミだらけな空間に、あたしを入れるわけ?」

「ゴミって……気持ちは分かるけど。んと、今日のコレは出ておかないといろいろと面倒、まぁ国が少し絡んでいるってせいなんだけど、すこーし厄介なんだよ。だから、ちょっと我慢しよーね? まぁわたしと別行動を」

「それはしないよ!」

「なら我慢しましょー」

「むー」


 メイが結構むくれたなぁ。ただまぁわたしも人混みって嫌いだから、むくれたい気持ちはあるんだよねぇ……我慢するけど。


「じゃぁ、おねーちゃんがあたしの望みを一つ、叶えてくれるなら我慢するよ!」

「ちょっとメイさんや、なんでそうなるのかな?」

「んー、あたしとおねーちゃんの仲だから?」

「うん、なんとなくしっくり来たわ。まぁ変な内容じゃなければ良いけど」

「本当だね! それはたのしみー」

「もう一度言うけど変な内容は受けないからね? ネタとかでなく、本当に受けないからね?」

「むふー」


 あー、うん、これって結構ヤバい気がしてきたわ。メイがすっごいニコニコしてるんだけど、同時にこう、なんというか下心的なのもうっすら見えてるし。

 メイって下心満載ってわけじゃないけど、どうにもわたしへの興味というか下心的なの、結構強いからなぁ。

 むぅ、発表会で変な問題起きないといいなぁっていう不安より、メイがする望みの方が不安になってきたよ……。

メイはちょっとエッチな幼女・・・かもしれない

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