294話 メイちゃんの自己紹介!
12/23に内容ちょっと修正
違う話が混じってました…
メイとコレットちゃんがスタスタと教壇に向かったけど……大丈夫なのかな?
「心配だなぁ……」
「あら? ずいぶん心配していますわね。なにか思い当たる部分がありますの?」
ぼそっと喋ったらエレンに指摘されちゃったわ。まだまだだなぁ、わたし。
「だってメイだからねぇ……、何を言うんだかって心配が強くならない?」
「言われると……たしかにそうですわね。わたくし達の思いつかないことをドーンと言いそうな気もしますわ」
「そうなんだよねぇ……。ほんと、出来がいい身内は大変です」
そんな話をエレンとしていたら、メイが教壇傍についたわ。
さてさて、いったい何を聞かせてくれるのやら。
「初めまして、私の名前はメイ。とある国からやってきた王女です。こちらはコレット」
「コレットでーす」
そんな感じに話し出したけど……えっと
「アレって何?」
「わたしくも驚きですわ」
「私もですね。レイジとノエルは?」
「僕もだね。なんていうか、キャラを作ってる感じがすごいよね」
「これだと何時もの性格がどうなのか、さっぱりですよねー?」
うん、予想以上の状態になっていたわ。
なんとなくキャラを作るとは思ってたけど、すっごい真面目ちゃんというかなんというか。
これはメイの考えたことなのかしら? それともコレットちゃんの作戦なのか、ちょっと気になるね。
その後もしばらくメイが説明しているわけだけど
「ふ~む、やっぱり反響が大きいなぁ」
「ですわね。自分たちは敵ではないという印象付けをしつつ、もしも向かって着たらどうなるかの状況説明もするとか、相当ですわ」
「襲われないようにするってよりも、無駄に挑んでくるなって感じだから、なおさらそう思えちゃうね」
わたしが知らない作戦とかも持ってそうだし、実力差がほんとーにすごい感じがしちゃうなぁ。
「だけど、これからどうしますかね? 僕としては止めた方がいい気がしてきたんだけどんだけど」
「ん~そうだなぁ……言い出しっぺのレイジが止めに入ってみる? 多少面倒な気もするけど」
「それは勘弁してもらいたいなぁ……」
「だよねぇ……」
レイジが首を振りながら完全拒否したわ。ちょっと残念。
そもそもだけど、メイの説明が少し過激になったというか、それはちょっと生死にかかわるんじゃない? って内容もあるから止めたくなってきたんだよね。
ただまぁ、ここで止めに入ったらどうなるか。
「僕達が全力で当たれば止めることは出来るよ。ただ、それって」
「ただの武力行使ですもんねー? それしちゃうと、お嬢様がメイ様に怒られる、みたいなことになっちゃいますよねー?」
「やっぱそうなるよねぇ。とはいえ、この状態も正直……ねぇ?」
チラッとアリサの方に視線を向けると、うん、少し難しい顔して頷いたよ。
「少し危うい感じがしますね。今のメイ様は、強く出る部分と弱く出る部分の調整が絶妙で、聞いている側が自然と引き込まれると言いますか、受け入れ易い感じになっています」
「確かにそうですわね。なんとなく、先導者の様な感じもしますけど」
「ですね。そして、そこが危うい感じがする部分の一つにもなっています。今のメイ様の喋り方は先導者の説法同様、引き込まれる者には効果的ですが、説法をする者と同等の力や感性、存在を纏う者には響かないどころか、疑う部分が強くなってしまいます」
「あー、たしかに言われるとそうかも。別にメイを否定する気とかは一切ないんだけどね」
「メイ様に対する負の感情はありませんので、口論になるという事は無いのですけどね。あくまで今回、メイ様が取られた説明方法が先導者などの説法と同じ形式だった、それだけですし」
全員に対し丁寧な説明をするより、上からバンッ! って突き付けた方が速いのもわかるからなぁ。時間もこっちのほうが早いだろうし。
「ただ、先ほど説明したように、同等の力や感性、存在を纏う者からすると否定的な感情や意見が生まれ、論争が発生する危険があります。説法の内容が正しい、正しくないに関係なくですね。私達と違い、メイ様に対する感情が不確かな方には、良くない結果に繋がりやすいのです」
「それが危うい理由なのですわね。ですけど、止めたら止めたで」
「わたしが恨まれる可能性もあるんだよねぇ。う~む、なかなか面倒な状況だわ」
ちゃっちゃと説明を終わらせたいっていうメイの気持ちも分かるけど、できるだけ平和に過ごしたいと考えてるわたしも居るわけで。こういうのは最初に話しておくんだったなぁ……。
なんて思いも浮かんできたところ、メイの説明が終わりそうなのか、まとめに入ったわ。
「――というわけで、私の話は終わります。それと最後にですが、そちらに座っている少女のユキは、私にとって先輩でもあり婚約者でもあります。ですので、皆さん気を付けてくださいね」
そう言って、メイがニコォって感じに笑顔をしたんだけど……マジで? ここで一気に関係性を出しちゃうの?
いやいや、ちょっとちょっと
「ねぇアリサ、これって」
「無理ですね」
「ちょ!?」
「だって考えてもみてください、あのメイ様ですよ? 全力時には私たち全員で行っても敵わないメイ様ですよ?」
「あぁ……ごめん」
「お判りいただければ幸いです」
アリサの勢いがすごかったけど、うん、わたしもすごーく納得だよ。
ほんとね、全力状態って桁が違うというか規模が違いすぎるからね……。わたしの妹、強すぎです。
そんな感じにメイの自己紹介も終わったようだけど、うん、マクレン先生が苦笑いしてるわ。
「あーメイちゃんや、その何だ、うまく言い表せないんだが、なかなか凄い自己紹介だったな。だがまぁとりあえず、ほどほどにしておけよ? クラスメイトは従者じゃないからな?」
「は~い」
「こういう所、ユキに似てるんだなぁ」
マクレン先生がウンウンって感じにメイを見てるけど、それっていいんですかねぇ? わたし、そこまでキャラ被ってませんよ? タブン。
「それじゃメイとコレットの二人は席に戻ってくれ。そんじゃ次は――」
今期の選択授業とかを説明する、そんな感じではあったけど
ガラガラ!
って音とともに、教室に人が入って来たわ。
ふ~む、見たことない奴らだなぁ、いったい何者なんだろ? ちょっとというか、だいぶ気になっちゃいますね。
「へぇ、思っていた以上に人が多いのね。魔力量も想定以上なモノが多いみたいだし」
「魔力以外も相当だな。なるほど、これが〝異世界〟ってやつなのかもしれんな」
そう言って教壇の方に向かってるけど、なんかすごい上から目線だなぁ。
「おいおい、君達は誰なんだい?」
「あぁすまない、自己紹介がまだだったな。オレの名はバルブレック、見ての通り獣人だ」
「そしてワタシはダリアネット。よろしく頼むわね」
そう言いながら二人は教壇の傍でポーズをとったけど、なんかすっごい目立つなぁ。派手派手な衣装もそうだし、尻尾も複数でボリューム感がスゴイし。
それと同時に、途中までこっちに来ていたメイがすっごいキレてるんだけど、なんで?
う~む、これはなーんか嫌なこと、起っちゃうのかしらねぇ。
プールの授業をやるかは検討中
ぱっと思いつくよーな思いつかないよーな




