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184話 お嫁さん事情?

 地球の物を幾つか購入してたら、少し小腹が空いてくるお時間。

 なので、お姉様の案内でちょっとよさげなカフェに入る。出店でもよかったけど、落ち着いて食事をとるなら室内の方が良いしね。


 ほほー、貴族向けのお店らしいけど、中は豪華って程じゃないね。絵画とかは飾ってあるけど、くどいって感じはしないわ。

 それに一般のお客さんもちらほら居るから、貴族以外お断りって禁則も無いみたい。とはいえ少し身なりの良い人だけだから、誰でも彼でも入れるってわけじゃないみたいね。


 店内の様子をぽけーっと見ながら、店員に案内されるまま景色のいい窓側の席に座る。

 4人掛けなのでわたしの隣にお姉様、向かいにアリサとエレン、隣のテーブルにレイジとノエルという布陣になったわ。親衛隊の人は少し離れたところで待機してるね。

 窓からはセイリアスの街が一望できて、なかなかいい感じです。


 ではでは、メニューを拝見っと。


「へぇ、チャイナドレスが民族衣装なので、てっきり中華料理ばかりかなって思ってましたけど、それ以外もあるんですね」

「貴族向けだからね。うちの国もそうだけど、外国の要人が来店するお店は、多国籍料理になっているところが多いんだよ」


 なるほどなっとく。

 確かに人によっては、その国の料理が口に合わないとか、食べられない可能性がある。

 なので自然と多国籍、どんなものでも提供できますって感じになるわけだね。


 まぁわたしたちは関係ないので、このお店のお勧めを大量注文する。

 麻花や豆花、杏仁豆腐や月餅といった中華料理の定番の物もあれば、パンケーキやプリン、クレープといったこれまた定番の物まで多種多様。

 注文時、店員さんがちょっとひきつった顔になってたけど気にしない。むしろ追加注文する気満々なので、覚悟しておいてください!





 雑談しながら料理を待つこと数分、いろいろと運ばれてきた。

 うん、見た目は問題なし、匂いもおいしそうで、これは期待できますよ!


 ではでは、まずは定番のマンゴープリンから、あーむっ!


「はふぅ、プルプルで甘くておいしい」

「だねぇ。食材はセイリアスで採れた物を使ってるみたいだけど、うちの国と比較しても劣ってる感じはしないね」


 お姉様が言うように、うちの国って食材のレベルも高いから、どうしても他国と比較すると良し悪しがハッキリ出ちゃう。

 アルネイアはうちの国と同レベルの食材が多かったけど、セイリアスも同レベルみたいだね。レグラス、アルネイア、セイリアスの三国は格が違うってことなのかもねぇ。


「ですけど、少し残念ですわ」

「なにが~?」

「器との組み合わせがイマイチな気がしますの」

「そう言われますと、たしかに」


 言われて納得。なんていうか、料理を引き立てるつもりが、逆に器が目立っちゃってるものが多い。

 杏仁豆腐なんて、器が結構ドギツイ赤色だったりするもん。日本人みたいに紅白でおめでたくって考えがあるのかもしれないけど、これはちょっとやり過ぎ。


 とはいえ味は文句なしって感じだから、大目に見ましょう。

 とゆーかこれはアレかな、大量注文しすぎて器が足りないってオチな気がするわ。ちょっと申し訳ないことしたかな?





 その後も料理を堪能していたら、お姉様がハッとした感じになった。


「いけない、ユキちゃんに聞きたいことがあるんだった」

「なんですか~? あむあむ」

「ねぇユキちゃん、ミツキちゃんもお嫁さんにするの?」

「がふっ!?」


 とんでもないこと聞かれたから、食べていた麻花を落としそうになったけど、何とか耐えた。あぶないあぶない。


「え、えっと、お姉様?」

「アリサちゃんとエレンちゃん、それにメイちゃんがお嫁さんなのは分かっているけど、さらにミツキちゃんも貰っちゃうのか、お姉ちゃんは気になっているの!」

「いやいやちょっと待って、そもそも」

「違う?」

「あ、いや、その……」


 あぅ、お姉様でなく、アリサとエレンまでジッと見てきたよ。レイジとノエルはニヤニヤしてるとか、完全に楽しんでるわね。


「えっと、ミツキはまぁ、その」

「貰っちゃうのね?」

「その、予定です……」


 うがー、改めてそう断言するとすっごい恥ずかしい。

 それに少し気になる。お姉様はニコニコしながらすっごい納得してるけど、アリサとエレンがどう思ってるのか非常に気になる。

 だってこれ、ある意味堂々とした浮気宣言ですよ? 大丈夫かしら……。


 恐る恐る二人を見たけど、あれ? こっちもすごく納得して頷いてるんだけど、どういうこと?


「あぁ、お嬢様が不思議に思うのも無理ありませんね。私とエレン様ですが、ミツキ様とじっくりお話しする機会を頂いてましたので」

「ユキさんの前世と今世でどういう経緯があったのか、バッチリ聞いていますわー」

「あ、そうなのね」

「そしてお友達というか同志になりましたわ!」


 同志って、またぶっ飛んできたわね。まぁ仲良くなって受け入れた感じなのはいいけれど。


 だけどちょっと意外。

 エレンはすんなり受け入れてくれるとは思ってたけど、アリサとミツキが敵対しなかったとは。


 良くも悪くも、二人は似た感じなんだよね。

 ちょっと嫉妬深くて、わたしの心が離れたら生きていけないってくらい、わたしに依存しすぎちゃってるとことか。


 なので、時間をかけて二人の仲をじっくり進展させるってのを考えてたんだけど、大丈夫だったみいたいね。

 奪い奪われる的な言い争いは覚悟してたんだけど、それも無かったのかな?





「となると、ミツキちゃん達をうちの国の住民にしたのは正解だったね」

「あー、たしかに、神聖王国の住民のままだと、いろいろと面倒ですもんね」


 うちの国の勇者だから返せとか、所有者の権限を発動させて色々と要求してくる可能性もあったからねぇ。

 あの国、ほんと自国のためならなんだってする腐った国だし。


「でもね、全員は無理だったの。というより、ほとんどの子はセイリアスの住人になったの」

「それって、保護したのがセイリアスだったからですか?」

「そうなの。とはいえ他の住民と同じ権利は持っているから、生活に困ることは無いと思うし、望めば他国の住人にもなれるからね」

「なら安心ですね!」


 レグラスやアルネイアと比べると、ちょっとダメな部分が多いセイリアスだけど、その他の国と比較すれば全然問題ない。

 むしろ経済規模は三国の中で一番だから、逆に過ごし易い可能性もある。機械製品も多いから、日本からだと馴染みやすいってのもあるかな。


「もしかしてレグラスで受け入れたのって、わたしの前世の幼馴染組だけですか?」

「さすがユキちゃん、よく分かったね!」

「だって、その、たぶんお母様が」

「そうだよね~」


 お母様基準だと、好意的に見えるのはあの4人だけなんだよね。わたしは少し甘いけど、お母様の判定はすっごい厳しいし。

 もっとも、お母様が認めたってことは、将来性がある優秀な人材ってことなんだけどね。


 ただなぁ、少し不安材料ができちゃったわ。

 レグラスとセイリアスに分かれたことで、元クラスメイト間での軋轢が生まれないかしら。悪く言えばこれ、見込みあるのとないので分けちゃってるから。

 おそらくミツキたちは結構な強さまで進化できると思うけど、セイリアス組はそこまでならないだろうし。

 この差が揉め事に繋がらないといいなぁ。

ちなみに正妻うんぬんとか、順番がどーのは決めない予定です(ややこしくなりそうなので…)

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