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165話 嫌な未来とグラビアショー?

 メイが予知した未来が恐ろしい感じで、ちょっと不安になっちゃう。


「それで、どういうことなの?」

『えっとね、そうなった経緯は分かんなかったけど、おねーちゃんが返り血で真っ赤になって、虚ろな目をしてどっかを見ていたの』

「何そのすっごい異様な状態は……」


 返り血で真っ赤って、普段のわたしじゃ考えられない。

 そもそも返り血どころか、敵の攻撃とかで汚れたりするのがすっごく嫌。

 なので、汚れないように動くし、ちょっとでも返り血を浴びたら速攻で洗浄の術式を使うくらい。血まみれのままでいるとかマジであり得ない。


 だけどメイの予知では返り血を浴びたまま、しかも虚ろな目をしてるって、ほんとヤバいな。


「返り血ってことは何かと戦ったんだろうけど、虚ろな目になるって予想ができないなぁ」

『ね? おかしいというか、おねーちゃんがおねーちゃんじゃない、壊れちゃったような状態でしょ?』

「だねぇ。しかも原因が分からないというのが厄介だわ」


 メイが見えたのはその光景だけだったようで、情報も少なく、対策も立てられないのがほんときつい。

 しかもメイの予知ってほぼ確実に当たるからなぁ……。





「てか、いくつかって言ってたよね? 他のもヤバいの?」

『ヤバいというか、よくわかんない。おねーちゃんが大量の人間と戦っていたり、殲滅攻撃をして焦土にしていたり、あとはなぜか自分で命を絶つ光景もあったよ』

「う~ん、前二つはなんとなくわかるけど、最後のはありえない気がするんだけどなぁ」

『でも見えちゃったの!』


 あらまぁちょっと怒っちゃったよ。つまり、本当にそんな光景が見えたわけね。

 だけど想像すらできないなぁ。今世捨てる気なんてからっきしだから、絶対にありえないと思うんだけど。

 それとも、そこまで絶望する何かがあるってことかな?


『あれ? おねーちゃん、なんか落ち込んでない?』

「ちょっとだけね。だって暗い未来ばかりだから、少し嫌になっちゃうわ」


 戦ったりするのは慣れているけど、結果が暗くなる戦いはほんと嫌、報われない結果なんて大っ嫌い!

 なので、そうならないよう強くなろうとしているし、努力もしている。自画自賛だけど、いろいろとがんばってきたつもり。


 なのにそんな未来がくるって聞いちゃうと、ちょっと落ち込んじゃう。

 今までの行動は無駄だったのかな? って、思い詰めちゃったりもする。





『だいじょーぶだよ! あたしが悪い未来を知ったということは、少なくとも違う未来が起こる可能性が出たってことだから』

「そうなの?」

『そうなの!』


 おっと、メイがすっごいドヤってますよ。

 うん、その仕草もかわいいって、そうじゃなーい! 気分が一気に晴れたけど、それはそれ。今はどういうことなのか、聞いてみないと。


『えとね、あたしの未来予知は完璧だけど、悪い未来の時はその逆、不完全なの。不完全とゆーことは~』

「他の未来もあるってことね」

『そゆこと!』


 なるほどねぇ。

 そう聞いちゃうと、ほんとメイの未来予知ってすごいなぁ。

 もしも悪い未来も必ず起こる、回避不可能って言う予知だったら、予知を知ったとたんに絶望する可能性もある。

 だけど実際は違う、むしろ意識して回避するように思考を誘導できるってところが便利だねぇ。ちょっとうらやましいです。


「となると、わたしは変なことが起きないか注意しつつ、起きた場合は最善策とか考えないで、ともかく行動した方が良いってことかな?」

『え? 考えないの?』

「呆れた顔しないで、考え無しってわけじゃないから。なーんとなくだけど、メイが教えてくれた悪い未来って、慎重になりすぎて失敗した結果なんじゃないかなぁって思ったの」


 慎重になったり、じっくり様子を見たり、作戦を考えすぎていると、なぜだか失敗することが多いんだよね。

 考えすぎず、感情のまま勢いよく進んだ方が良い結果になる、そんな気がするわ。





 その後もメイからいろいろ聞いたけど、結局わかったのは原因が不明ってことと、場所は神聖王国でってことだけ。ほんと厄介な国ですね!


「なるようにしかならないか。はぁ、ちょっと憂鬱」

『ダメだよおねーちゃん、そんな暗くなったら』

「そうなんだけどねぇ。ちょっといろいろ重なりすぎててね」

『それじゃ気分転換しよう! な・の・で~、おねーちゃん! こういう格好してちょーだい!』

「ぶはっ」


 メイがどこからともなく取り出した雑誌を見せてきたけど、それには水着の女性がポーズをとる、いわゆるグラビア写真集だったわけで。


「ちょ、ちょっとメイ、どこでそんなものをって、あれ?」

『どーしたの?』

「いや、それに写ってるのって、コレットちゃん?」

『そうだよ! ね? かわいいでしょ?』

「かわいいというか、エロい?」


 さすがというかなんというか、男の娘だけあって、そういうグラビア的な知識も豊富なんですかね。

 それに、露出の多い水着であっても女子にしか見えないとか、やっぱ凄いわ。


『この前かがみな感じの格好とか、おねーちゃんならもっと似合うと思うんだ!』

「そうかなぁ? わたしがやると、子供が背伸びをしてがんばってる風になる気がするんだけど」

『そんなことないよ! だ・か・ら~?』

「はいはい、やればいいんでしょ?」

『むふー』


 正直なとこ、興味が無いわけじゃない。

 自分のかわいさ的な戦闘力がどの程度になのか、結構気になっちゃうんだよね。

 なんてったって人を悶えさせるの、大好きだから!


「んじゃまずは、えーっと――」


 メイ監修のもと、ちょっといろいろ試してみますか。





 しばらくメイのためのグラビアショー的なことをしてたけど、う~ん……


「ねぇメイ、大丈夫なの?」

『だ、だいじょーぶ! ちょっとおねーちゃんの破壊力がありすぎただけだから!』

「そんなに!?」


 まさかメイまで悶えさせることになるとは。ほんとわたしって、こういうことの才能も豊かですねぇ。良いのか悪いのかは置いといて。

 だけどこれではっきりと分かった。グラビアみたいなことは、うかつに人前でやるとか絶対に無理ってことですね!


「というか撮った写真、ばら撒いたりしないでよ?」

『しないよ! 今日撮ったのは、あたしのおねーちゃんファイルに大切に保管するから!』

「まーた気になることを」

『それだけあたしがおねーちゃんのことを大好きだってことです!』

「笑顔でそう言われると、やめろって言えないじゃないの」

『むふー』


 悪いことはしないだろうし、それに写真を整理しているメイがすっごく楽しそうだから、まぁいっか。

 それによく考えたら、うちの家族も同じような状態だったわ。

 メイドさんと執事さんが魔道カメラを常に持っていて、いつでもパシャパシャ撮ってたの、思い出したよ。ほんと、みんなわたしのこと好きすぎですね。


「でもなぁ」

『どーしたの?』

「いやね、そう考えると、わたしもメイの写真もっと撮りたいなぁって」

『おぉー、おねーちゃんがあたしのことを、むふー』


 おやまぁ、わたしもメイの写真が欲しいって言ったら、すっごく喜んじゃって、ほんとかわいいですね!


『じゃぁ~、今度はあたしがいろいろポーズとるから、おねーちゃんが撮ってね!』

「さすがメイ、わかってるね! んじゃバシバシ撮っちゃうよ~」

『ちなみに~、えっちぃの、多めにしておく~?』

「げふっ!?」

『むふー、動揺しちゃって、おねーちゃんかわいいです!』

「勘弁してよ、もう」


 なんだかんだでこういうこと、メイの方が上なわけで。

 さすが姉よりも優れた妹ってとこかなぁ、何においても上だわ。

入口→シリアルモドキ

出口→ただのイチャイチャ

だいたいこんな感じです

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