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164話 お風呂とは覗くもの!

 なんだかんだで2日目も無事終了かな? 大きなトラブルが無くてよかったわ。

 思ったよりも団結力というか、クラスメイト間の友情ってあるものですね。


 ただなぁ、そうなると捕虜にしている方のクラスメイトをどうするかひじょーに困る。

 できれば目の付く範囲に移動させたいんだけど、みんなが知ったらどう思うか、そしてどんな反応になるか、不確定すぎる。

 少し疲れるけど、このまま離した状態で監視しかないかなぁ。


 そんな面倒事からの気分転換のため、わたしはぐでーっとお風呂に浸かる。

 頭空っぽにする時間はすっごく大事!


 とはいえ、う~ん、一人の風呂ってなんかつまんない。

 誰かと一緒に入るのが当たり前になってるから、余計にそう感じちゃう。


 もっとも男衆と入るのは論外。そういう趣味、皆無なので!

 だけど女衆と入るのも無理っぽい。前世が見知った男だとダメだね、若干抵抗あるような素振りだったから、こっちが遠慮しちゃったわ。

 わたしは、前世は前世、今世は今世って割り切ってるけど、他の人は違うってことなんだろうね。


 そもそも、どうしても一緒に入りたいかって言うと、そこまでじゃない。日本人ってどういう発育なんだろ~、程度の興味があるだけだし。

 まぁミツキに対しては、ちょっと違う感情があるけど……。





 お風呂で良い感じにぐでーっとしてたら、魔道具が着信を知らせてきた。

 この時間ってことは


「あーやっぱりメイね」

『むふー、おねーちゃんのお風呂姿、最高です!』

「いやいや、その発言はひじょーにセクハラくさいよ?」


 メイとの通話もほぼ日課になってるけど、なんというか、こういう時狙ってくるんだよねぇ。下心なのか、スキンシップの延長なのかはわからないけど、堂々とした覗き見って感じだわ。

 そんなメイは寝る支度をし終わったようで、寝間着の状態……だけど。


「ねぇメイ、それって熱くないの?」

『ぜーんぜん! それにほら、尻尾もあるんだよ!』


 今日のメイは着ぐるみタイプの寝間着で、なぜか狸タイプ。狐族なのに狸の着ぐるみという、何とも言えないあべこべさ。まぁかわいいけど!


『それとも~、おねーちゃん、えっちで透け透けな衣装を着たあたしが見たかったの~?』

「ぶはっ」

『むふー、その反応、まんざらじゃないみたいだね!』

「勘弁してよ、もぅ」


 メイはちょくちょくわたしを誘惑しようとして、結構きわどい格好してくる。

 それが絶妙に似合ってるせいで、やめろとはとても言えない、むしろ楽しんでるわたしもいるわけで。ほんと抜け目ない妹です。





 その後はいつも通りメイとおしゃべり。

 他愛のないことから愚痴まで様々だけど、楽しいし落ち着く。たまにメイが暴走するけど……。


『ところでおねーちゃん!』

「な~に?」

『浮気、していない?』

「げふっ」


 と、唐突になんつーこと聞いてくるのよこの子は。

 浮気ってあれでしょ? メイの知らない子と仲良くなってないかのあれでしょ?

 そういえば昨日、ミツキたちの事ほとんど説明しなかったわ。前世のクラスメイト助けたーってだけで……まさか。


『その感じ、やっぱしてるんだ! ひっどーい! あたしという可愛い妹がいるのに!』

「ちょ、ちょっと落ち着こうかメイ。どうしてそう思ったのか、そこを聞きたいんだけど」

『浮気がバレないように?』

「ちがうから!」


 メイは冗談抜きに独占欲が強い。

 アリサとエレンですら認めるのに偉い時間がかかったくらい、わたしを思いっきり独占したがってる。

 どうしてメイがそこまで好意を持つのかはいまだに謎だけど、まぁ悪い気はしない。独占がほんと強すぎるけど……。


『なんて言うかなー、おねーちゃん、大人の階段上がりかけたって感じ?』

「……ねぇメイ、それ、意味わかってないのに、なんとなくそれっぽく言ってるだけでしょ?」

『そうかもしれない!』

「ということは、根拠が無いけどいつもの勘ってことね。ほんと勘がいい子なことで……」


 そもそも大人の階段ってなんなのよ、わたしも知りたいわ。


「まぁ浮気どうこうは置いといて、昨日助けたクラスメイトなんだけど、実は――」


 メイに詳細を説明する。

 そしてミツキに関しても事細かに説明、というか浮気を許してもらう旦那の釈明をする。

 案の定、メイがだんだん不機嫌になってる。これは機嫌を治すのに少し苦労する感じが……、でもがんばる!





「――というわけ。なので、不可抗力ではあるけど、ミツキはまぁわたしに近い存在になりそうな見込みもある良い子なの」

『ふーん』

「だから、ほら、機嫌治して?」

『じゃぁ~、おねーちゃんがあたしに愛を囁いてくれたら許す!』

「ちょっ!? それ、かなーりハードル高くない?」

『そうかな~?』


 この子、完全に小悪魔モードになってるわ。

 さらにいかにもって感じの笑みを浮かべてるし。まぁそれもかわいいんですけどね!


『それじゃぁ、おねーちゃんが好きなあたしの特徴、言ってくれたら許す!』

「あ、それなら簡単だわ。えっとね、まずメイの良いところはその明るさでしょ。次に笑った時に――」

『え!? お、おねーちゃん? あ、あのっ!?』


 はて? 急にメイが照れだしたけど、どうしたのかな?

 まぁ気にしないで、良いところどんどん言ってくよー。どんどん言わないと、時間がすっごいかかっちゃうからね!





 10分くらいかな、良いところを言い続けてたら


『お、おねーちゃん、あ、あたしがもう限界だから、ゆ、許して?』

「そーお? まだまだあるんだけど」


 おやまぁ真っ赤になっちゃって、かわいいですね!

 なんていうか、わたしって人の良いところは割と平気に言えるんだよなぁ。言われる方は弱いけど。


『あたしも、おねーちゃんのこと大好きだけど、思ってた以上にあたしのこと、大好きなんだね~、むふふー』

「そこは否定しないわ!」

『むふー、そこまで言い切られたらしょうがない、その子も認めよう!』

「う~ん、メイの許可が必要なのはおかしい気もするけど、まぁいいか」


 だけどこれで堂々とイチャイチャできます!

 やっぱねぇ、ミツキも好きだけど、それでメイに嫌われるのはイヤだからね。





『ところでおねーちゃん、ちょっと真面目な話があるんだけど』

「どうしたの? しかも焦ってない?」

『すっごい焦ってる! 知っての通り、あたしの未来予知って、がんばれば他の人の未来も見ることができるの』

「それってとんでもないよね……」


 将来を占うとかはよく聞くけど、そんなのじゃない、本当の未来予知だからなぁ。

 こういうのを聞くと、つくづくメイってわたしよりも全体的に能力が高いわ。

 今はわたしに懐いてるから良いけれど、敵だったら……ほんと怖い。


『それでちょっと嫌な予感がして、おねーちゃんの未来を見たの』

「わたしの?」

『うん』


 そう言うメイは冗談とかでなく、すごい真面目……違うわ、焦りと恐怖みたいなのが出てるわ。これ、相当ヤバい未来が出ちゃった?


『最初に言っておくと、いくつか未来が見えたの。だから、どれがおねーちゃんの未来になるのかは、全部おねーちゃんしだいだからね』

「未確定な状態ってことね。つまり予知以外もあるってことかぁ」


 確かにメイの未来予知はほぼ完ぺきだけど、予知できない未来もある。それだけ未来は不確定な物なんだよね。


「それで、何が見えたの? やばそうなのは覚悟してるから」

『えっとね、おねーちゃんがね……壊れちゃうの』

「わたしが、壊れる?」

『体じゃないよ。心が壊れて、人形になっちゃう未来があったの……』


 ……マジ?

 精神面激弱なわたしにとって、その発言はひじょーに怖い。

 なんか予想以上にやばいことに巻き込まれそうだなぁ……憂鬱だよ。

いわゆるビデオ通話なので丸見え

次回あたりから、少しシリアスっぽい展開に入ります(あくまで〝ぽい〟です)

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