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115話 お客が来た時の定番料理

 さてさて、まずは防具を作るためにじっくりと測定しましょう。


 ではでは、へー、ほー、なるほどなるほど。

 わたしたち以外をじっくり観察すると、色々と見えてくるね。


 まずはショージ君。

 身長はレイジよりも高めだけど、筋肉量はレイジの方が断然上。体つきはほぼ同じなのに中身の差が凄いね。

 それにレイジの場合、魔力との相乗効果もある。ほんと特別な勇者なんだねぇ、ショージ君もその域になれるのかしら?


 次にミスト君。

 ぱっと見はショージ君よりもひ弱って感じ。

 身長はレイジと同じっぽいけど、そこまで引き締まってない。良くも悪くも普通の民間人ってとこかな。まぁムキムキの筋肉だるまよりかはいいけど。


 最後はアンジーさん。

 身長はノエルと同じくらい、体つきはスレンダー寄りですね。

 ぱっと見は華奢で、『箸よりも重いものは持てません!』って感じがするから、これは守ってあげたくなる男が多そう。でも実際、誰かが守らないと簡単にやられちゃう気がする。


 三人に共通してるのは、体は歳相応に成長しているってとこだね。今後も多少は成長すると思うけど、大きく体つきが変わることはなさそう。成長のたびに手直しするのは割と大変だから、その手間が無いのは良いことだと思います。


 測定も終わったし、次はデザインを決める。といっても悪乗りせず、ちょっとおしゃれなお店に売ってそうなマントやローブ、コートにしておこう。


 防具は本来、日常生活に支障がなく、常に着用していても浮かない物が理想。なにせ転移やら召喚が当たり前な世界、いつ何が起こるかわからないもの。

 なので本当は洋服や下着の方を作るべきだけど、さすがにそこまでする義理はない。まぁそっちはもっと仲良くなったら考えましょうか。


 よっし、デザインも何となく描けたし、ぱぱーっと作っちゃいましょー。





「というわけで、これが防具一式になります。付与してるのは武器と同じ能力なので、武器と防具の相乗効果でそこそこになったんじゃないかな?」

「なんかすごい速さでミシンをかけたりしてて訳が分からなかったけど、普通の防具なんか目じゃない物なのはわかった」

「ですね。しかも邪魔にならず着け心地も良いです」

「三人お揃いなのもいいですね!」


 うむ、どうやら満足したみたいね。

 確かにそこらに売ってる防具よりも丈夫に作ったから、多少は生存率も上がってくれたんじゃないかな?

 とはいえ三人は技術面もダメダメな感じだから、防具を過信しているとあっけなく散っちゃう気がする。そのあたりも鍛えるときに注意すべきかな。


 さーてと、装備は一応できたことだし、あとはどうやって鍛えていくかだなぁ。

 基礎訓練から始めたいところだけど、試験までの日数も考えないとダメだし。なかなか大変なお仕事になりそうだわ。





 装備の細かい調整をしてたらいいお時間なので、夕飯の準備に移る。

 三人は手伝うって言ってきたけど、それは遠慮して居間でのんびりしてもらう。手伝ってもらう方が遅くなるからだけど……。


 さてと、こういう時は大正義のカレーだね!

 まずは炊飯器でご飯を炊いておく。カレーができてるのにご飯が炊けてませんってなったら、それはもう地獄のどん底に落ちた気分になるし。


 次はカレーの仕込みに入る。

 まずはフライパンでバターを溶かし、玉ねぎを飴色になるまで炒める、とことん炒める。

 わたしが玉ねぎを炒めてる間、アリサにはスペアリブをこんがりと焼いてもらう。ふっふっふ、今日はスペアリブのカレーよー。


 玉ねぎの準備ができたら他の野菜も投入。そしてこんがり焼けたスペアリブも投入し、水を加えてグツグツ煮る。


 灰汁が出なくなったらローリエを投入してさらに弱火でコトコト。この世界に無かったであろうローリエまであるとか、ほんと過去の転生者さんは何をしてるんですかね、って使うたびに思うわ。


 カレーの具材を煮込んでる間に付け合わせも作る。

 アリサにはサラダをお願いして、わたしはスープを作る。簡単だし、野菜とウィンナーのコンソメスープにしようかな。


 具材をばばーっと切ったら、鍋にどばーっと投入してグツグツ煮る。

 ある程度火が通ったところで自家製コンソメスープの素を投入し、さらにコトコト煮る。コンソメの素は作るのがすっごい大変だけど、市販品とは違うおいしさだからどうしても作っちゃう。おいしい物のためなら努力は惜しみません!


 スープの準備もできたところで、カレーの具材もいい感じに煮えてるのを確認。

 ではでは、この自家製カレールーを投入してさらにコトコト煮ていきましょー。うん、すでに匂いがヤバいわ。ほんとカレーって反則だよね、お腹が一気に減っちゃう。





 そんなこんなで完成したので三人を呼ぶ。うん、調理中の匂いで相当ヤバかったみたいね、期待が顔に出てるよ。

 ではではみんな席に着いたところでいただきましょー。

 まずはカレーから、あーむっ。


 もぐもぐ


 うん、期待通りのおいしさだわ。やっぱりスペアリブにすると肉の旨味がすごくて、一段上のおいしさになる。具材の柔らかさもちょうどいいし、完璧だわ。

 それに決め手は何といっても玉ねぎの甘さだよね。飴色になるまでしっかり炒めるだけなのに、やらないとなんか物足りなくなるくらい重要。


 そして具材を綺麗にまとめ上げるのがこのカレールー、味はもちろんコクもすごい。配合を練りに練った成果がしっかりと出ている絶品です!


「お嬢様これすごいです! 以前頂いたのもすごくおいしかったのに、それよりもさらにおいしくなってます! これはもう、ちょっとだめになりそうです」

「でしょでしょー。欲しかった香辛料がようやく手に入ったから、それをルーに加えたの。もちろん配合も練り直したんだよー。んでその結果がこれ、わたしのカレーは進化し続けるのだ!」


 アリサが悶えながらわたしにもたれかかってきたわ。これは相当ですね!

 でもこの反応になるのもわかるよー。だってこのカレーは先日お母様に試食してもらった時、お母様も同じような反応になったからね。わたし、カレーだけはお母様に勝てる自信があります!


 でも、もっとも―っとおいしくできるはずなんだよね。改善できるところもいくつかあるし、何よりスペアリブ以外のお肉やシーフードを使ったカレーはまだまだ改良中。最適なルーが作れてないので、普通のポークカレーやビーフカレー、チキンカレーですら納得がいかない出来だし。


 それになぁ、本音を言うとわたし、甘口の方が好きなんだよねぇ。中辛も好きだけど、どうも味覚がお子様だから甘いほうが好き。

 でもこのカレーを甘口にするのは難しい。果実やハチミツ、玉ねぎの量を調整すればいくらでも甘くなるけど、それやると全体のバランスが悪くなる。

 甘口もそうだけど辛口も同様に課題が多いし、まだまだ先は長いわ。


「カレーもそうだけど、このコンソメスープもヤバいな。これと比べると今までのコンソメスープは、本当にコンソメを使っていたのか? って気持ちになる」

「サラダもすごいです。どれも食べやすく、そしてドレッシングと絡みやすい形になってるんです。何よりこのドレッシングもお店で買うのよりも美味しいですし」


 二人の反応、わかるよー。使ってるコンソメの素も配合を徹底してるからね。そこまでやれば高級料理店も目じゃないくらいの完成度に仕上がるわけで。

 アリサが作ったサラダも同様、野菜とドレッシングのバランスから、ドレッシング自体の完成度もめっちゃ高い。


 まぁわたしたちってご飯に関して一切妥協しない生活してるから当然ではあるけど。とゆーか、ご飯以外も妥協してないけど。


 そんな二人とは対照的に、ミスト君は一心不乱に食べてますね。

 その気持ちもわかるよー。やっぱおいしいものが目の前にあると、無心で食べちゃうからねぇ。





 そんなこんなで夕飯も終了。

 わたしとアリサは平常運転でお替り何度もしてたけど、何気に三人もお替り5回もしたね。

 でも食べ過ぎたからか、三人とも動けなくなってるのにはちょっと苦笑いだけど。陸に打ち上げられたアザラシかトドって感じだわ。


 しばらく時間がかかりそうだし、先にお風呂に入っておこうかな。

 上がるころには動けるようになってるでしょう、きっと。

飯テロ作品にはしませんよ


次回、視点を変えた閑話モドキになります

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