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107話 進級ですよ!

第4章の開始です

 アルネイアの学園に留学して早3年、あっという間だったわ。


 入学式のあたりですっごい面倒なトラブルがあっただけで、他は何もなく平和な初等部でした。


 フルーレ先生の授業はうちの延長だったからわかりやすいし、何より楽しい。しかも術以外の文学なども教えてくれるからほんとありがたい。

 当然、中等部になってもフルーレ先生の授業は継続。フルーレ先生いわく、わたしが卒業するまではずっと面倒見てくれるみたいでちょっと嬉しい。


 マクレン先生が担当する冒険科も予想以上に楽しい。わたしのやり方と違う一般的な冒険者のやり方や参考となる能力、考え方まで学べるのはホント良い経験。

 あとは学園ダンジョンの上級も学ぶことが多くて楽しい。なにより先生がダンジョンの設定をいじってるようで、入るたびに構造が変わるのはまさに冒険って感じがして素晴らしい!


 予想通りの結果もある。

 案の定、わたしに言寄ってくるバカが非常に多くなった。エレンもすごい量なんだけど、軽くその倍ってどうなってるのよマジ。


 容姿、実力、家柄、ここまではわたしとエレンは同等扱いだと思う。

 でもやっぱり〝狐族〟ってのは圧倒的みたいなんだよねぇ。珍しすぎる種族はほんと困るわ。

 しかもファンクラブもできてるって聞いた。どこのアイドルなんですかね? ってマジツッコミしたい。意味不明な二つ名までついたそうだし、ほんとかんべんしてもらいたいわ。


 さらに付きまとう奴や、同じ授業を受けようとする奴もすっごい増えた。

 付きまとう方はアリサの鉄壁過ぎるガードで排除できてるのと、授業も精霊科はフルーレ先生の認めた者しか受けれないし、冒険科もわたしたちは固定パーティで動いてるから接触はほぼない。面倒だけど何とかなってるのはよかったわ。

 まぁカイルみたいに、同じ授業を受ける人もいるから完璧じゃないけど。


 そういえばノエルの研修期間が終了したんだよね。

 今までは1週間ごとにうちとエレンの元を行ったり来たりだったけど、今年からはそれが無し。一人前のメイドとして認められたってことだね。

 しかも研修が終わったことにより、ノエルの給料が大幅にアップ。『こんなに貰っていいんですか!?』ってすっごい驚いてたなぁ。


 しっかし3年かぁ。3年たってるんだよねぇ、はぁ……。


「お嬢様、どうしましたか? 何か思い詰めてるようですけど」

「いやぁわたしの身長の伸び無さがちょっと……。確かに身長の分の魔力を魔石の修復に充ててるけどさぁ、3年経っても少ししか伸びてないのがねぇ」

「小さくともお嬢様は可愛らしいので、私は良いと思うのですけど。それに身長以外の成長は順調のようですし。はい、髪の方も終わりましたよ」


 アリサに身支度をしてもらったので鏡を見る、うん、相変わらずの可愛さですね!

 たしかに日に日に可愛くなってるし、身長以外の成長はいたって普通。むしろお母様要素を濃く受け継いでるから、9歳なのになかなかの発育な気がします!


 そんなわたしだけど、身長がここまで伸びないとはね。この調子だと、冗談抜きに成年期になっても140センチあるか微妙。悲観はしてないけど、やっぱり気になっちゃうわ。





 準備が整ったので外に出る。

 エレンたちは支度が済んでたようで、馬車の前で待ってたわ。


 しかし、うーん、納得いかないなぁ。


「どうしたんですの? 何か不満があるようですけど」

「いやさぁ、ちょっと回想モードしてたんだけど、3年前と比べてどうしても納得いかないことがあって」

「あら、それはなんですの? 気になりますわ!」


 わたしの手を握り、そのまま上下にぶんぶん振って気になるアピールするエレン。ほんと日に日にスキンシップが激しくなるねぇ。すぐに手を握ってくるどころか、指まで絡めてくるのも多くなってるし。

 まぁ嫌じゃないんだけど、ちょっとこっちが恥ずかしい。わたしがアリサやエレンに対して行うのは良いんだけど、逆にやられるのはホント慣れないなぁ。


「えっとね、なんでレイジだけ馬鹿みたいに身長伸びたんですか? 説明を求めます!」

「え!? さ、さすがにそれを僕に言われても……」


 わたしは言うまでもなく小さい、アリサとエレンも同年代よりかは小さめ、ノエルは平均かな?

 なのにレイジだけ平均以上なんですけど! というか、前の世界に居たときよりも成長してる気がするんですけど! なっとくいかなーい!


「たしかにレイジ君だけ平均よりも身長が高いですよねー。もしかして、勇者だからへんてこな能力とか持ってたりして」

「それだ! 勇者ボーナスで成長アップとかもらってるんじゃないの?」

「あ、あはは……そ、そうかもね」


 苦笑いするとか、マジに持ってるわね。

 むぅ、わたしも転生してるのに、この差はどういうことなんですかね?

 まぁ現状に不満なんて皆無、むしろ幸せすぎるから、深刻に考えるようなことじゃないけど。





 そんなこんなで馬車に乗り、学園へ向かう。

 今日からわたしたちは中等部! 教室が変わる以外は特に変化はないけれど、中等部になったってことを意識すれば、なんとなーく成長した感がでてくる。


 なにより中等部からは編入生も多くなるそうで、ちょっと楽しみなんだよね。

 わたしたちよりもすっごい天才とか、すっごい強い人が来るかもしれない。そう考えるだけでもワクワクしちゃう。


 そういえばエレンの弟君も今年か来年編入するんだっけ。

 同じクラスになるかはわからないけど、そっちも興味あるんだよねぇ。なんだかんだでまだ会ったことないから、よけいに気になっちゃう!


 そして馬車に乗ること数十分、ようやく学園に到着。

 まずは駐車場所の状態を確認……やっぱり混んでるなぁ。在校生が多いからしょうがないけど、最近は馬車通いの貴族がさらに増えた気がするわ。


 しかも、わたしの馬車以外にも目立つ馬車が多いからか、新入生の子たちが結構騒いでる。

 でも気持ちはわかるよ。馬鹿みたいにでかいのとか、変な形の物とか、馬は大量なのに馬車本体は小さいのとか、いろいろだもんね。なにより入学したばっかで見慣れてないだろうし。


「ではお嬢様、エレン様、どうぞこちらに」

「ほーい」

「わかりましたわ」


 わたしはアリサに、エレンはノエルに手を引かれて馬車を降りる。レイジは人が寄ってこないように少し前に立ち警戒している。

 そしていつものことだけど、わたしとエレンが降りると周りが騒然となる。わたしかエレンのどっちかだけでも目立つのに、それが二人そろってだからねぇ。こればかりはどうしようもないわ。

 まぁ目立ってるけど、レイジの鉄壁ガードがあるので安全ですが!


 それにしても


「んー?」

「どうされましたの? 何か気になってるお顔ですわ」

「いやぁ予想以上に注目されてるのがちょっとね。一時的なものだとは思うけど、今年の新入生はぐいぐいくるかもしれないわ」


 綺麗だの可愛いだの仲良くなりたいって声が多いのはわかるんだけど、嫁にしたいって声が異常に多いんだよねぇ。ひょっとして今年の新入生って青年期の人ばかりなのかしら?

 しかも直接的なことを言う人も多くてちょっとドン引き。まぁ関わることはないと思うから流しておこう。





 騒々しい校門からはさっさと退避し、中等部の教室へ向かう。

 そういえば初等部よりも大きな教室らしく、人数も増えるんだったかな。ということはお友達とかできるかな?


 残念ながらわたし、初等部の時ってお友達できなかったんだよねぇ……。

 家柄とかもあるせいか、友達でなく崇拝する人っぽくなっちゃうんだもん。かんべんしてもらいたいわ。


「廊下にも見たことない人がいっぱいいるね。今年からの編入生かな?」

「みたいですわね。結構なお歳の方もたくさんいますわ」


 40代とか50代、あるいは70代とかの人までいるねぇ。さすがに全員留年した生徒ってことはないとは思うけど。


 種族も増えたかな? 初等部に居なかった種族の人とか、ロードに進化した人もいっぱいいる。こういう光景は見ているだけでもちょっと楽しい。いろんな人たちが仲良く一緒に過ごすってのは良いことだしね!


 そんなこんなで教室に到着。

 さてさて、今日から中等部の始まり始まり~。

3年での成長をまとめると

 魔力 :けっこう上がった

 精霊力:めっちゃ上がった

 魅力 :だいぶ上がった

 身長 :微増

 体重 :微増

 発育 :なかなか

大体こんな感じです


ちなみに3年程度じゃ魔石の修復は完了していません(天衣は使えないまま)

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