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過度な受験生

作者: Sou

過度な受験生


ある日、俺は第1志望校の受験に落ちる夢を見た。その日から自分を誘う全ての誘惑に対しクーデターを起こしたのであった。


2月1日


ついに、2月になり、受験当日まで残り9日だ....

未だに俺はシャーペンに手を付けていない。いや学校では触っているが、家では一切触っていない。だから、友達には「塾に行け」と言われるが、塾は某ウイルスによって破壊された。

ただ、ココ最近になってようやく分かったことがある。身の回りに誘惑が多すぎだった。

勉強机にはいつしか流行ったゲーム機。右側には人気漫画。そして、机にはまっさらなノートが置いてある。

そんな机を見て、俺はこう呟いた。


「これじゃ通りで勉強できないわけだ。」


半分諦めかけていた僕はポケットに隠していたスマホを取りだし、動画アプリを開いた。

スクロールするごとに自分の興味を奮い立たせるサムネイルが見えてきて、ヨダレを垂らしそうになるほど、夢中になっていた。

しかし、スクロール途中、今まで見てきたサムネイルとは全く異なる画面を見つけた。そのタイトルは『勉強したけりゃ革命を起こせ』だった。

他の動画とは違う興味に引かれた。そこで俺は何をしたか。そう、まずスマホの電源を消した。

そしてお経を唱え始め、ゆっくりと目を瞑った。

そして頭の中でこう考えた。


「革命とはなんだろうか。自分の脳への洗脳?誘惑との戦争? 変な勉強教え方をする僕らのセンコー?誘惑かな?」


断定までとは言いきれないが、だいたい予想がついてきた。そして 革命 という意味を改めて理解した。革命とはクーデター?

だいたい検討がついてきた。

よし!と言って勉強するために買った椅子から勢いよ立ち上がり、なにか動いた。

まずはスマホを手に取った。5秒くらい見つめた。


「このクソっ!」


スマホを勉強部屋の扉の取手に向けて思いっきり投げた。パキン という音が一瞬、俺に恐怖という名の絶望を見せつけたが、なんだか心は清々してきた。恐る恐るスマホに近づくと、画面は完全に割れていて、中から黒くて臭い液体がでてきた。

俺は怖いという感情を捨てて、勉強机に向かって、床に大きな足音を響かせながら近づいた。

次は左にあるゲーム機に目を向けた。

目を瞑り、自分で自分を洗脳させた。


「これは俺と俺の戦いだ!!!!!!やってやる!」


そう言って、拳を目の前に出し、思いっきり握りしめた。そして正義の拳をゲーム機に振りかざし、およそ5mくらい吹っ飛ばした。もちろんスマホのように画面はボロボロになった。ゲーム機に拳を突きつけた俺は痛みを感じなかった。

感じていたのは恐ろしい程の清々しさだった。

次に「どこから出した?!」と思われるマッチを手に取り、


「金なんてただの依存性抜群のゴミだ!」


と洗脳教育を行い、マッチの箱の側面に擦り付け、火をつけた。漫画に火がつき、次々と周りの漫画が可燃材料へと変わり、黒焦げたカスへと変わり果てた。

金に対抗できた者。

これぞ世紀の大革命である。

後ろにはベッドがある。

俺は悪魔の目を光らせ、マッチを用意しながら近づく。そしてさっきと同じ流れで火をつけ、ベッドを燃やした。洗脳教育が人を悪魔にする、といういい例である。周りの人から見たら、まさしく悪魔以外の何物でもないだろう。この悪行(仮)には漫画内のボスキャラもドン引きだろう。

ベッドは燃え尽きると、次はそのまま、勉強部屋の床へと燃え移った。勉強机の上にある勉強道具を取りだし、急がず、慌てずリュックに詰め込んだ。詰め込むだけ詰め込み、1度家の外に避難した。幸いなことに家には誰もいなかった。家族は今、買い物中である。(ちなみにここは一軒家です。)

そして、外から帰ってくると、旅行の土産のごとく、ハンマーをブンブン振り回しながら勉強部屋に戻ってきた。

多分、何をするつもりなのかは、大体の人は察したであろう。

そう、この過度すぎて、悪魔の受験生にはもう感情がない手遅れ人間なのだ。

勉強部屋の至る壁に向かってハンマーを打ち付け、至る物、部屋を次々と破壊して行った。


この文章を書いている僕から言わしてもらおう。「もうやめてやれ、家が可哀想だろ。」


しかし、この声は家を燃やす炎の音にかき消されたのであった。


2時間後、だいたい予想が着いているだろう。


なんということでしょう!?さっきまであんなにごく一般家庭だった一軒家はあっさりと、受験生に焼き尽くされ、残っているのは黒い塵と灰のみ!これが洗脳教育が人を悪魔にする良い例えです!


『リフォーム完了。ミッションコンプリート』


そんな文字がこの受験生を埋めつくしたのであった。しかし、肝心なことを忘れてはいないだろうか。

そう、受験票だ。

かなり前に出願はしたものの、受験生は当日持参の紙切れなので、リュックに入ってない限り、詰み である。

慌てて唯一原型を保っているリュックの中を確認する。

しかし、5分経っても「あった!良かったぁー」の声は発されず、ずっと「あれ?あれあれ?」の声が響いているだけであった。

そして、1時間が経ち、リュックを探すのを諦めたのであった。

塵と灰で埋め尽くされたただの土地の上に膝から崩れ落ち、泣きわめいた。


「あああああああああああああああ!」


後ろで鳴るパトカーと消防車のサイレンに叫び声は見事にかき消されたのであった。


『Game Over.』


完.

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