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2.女の子は頭ポンポンだけでよろこぶ?

12話の予定です。短いですがしばしおつきあいください。

歩きながらこのバックは容量無制限のアイテムボックスだったりしてと中を覗いてみたが、ただの小さなウエストポーチだった。

水と乾燥肉、この世界のお金らしきものが少し入っていた。

ラノベなんかとは違ってハードモードなんだな。


この世界にどういった経緯で来てしまったかはわからないが理解は深めておいたほうがいい。

川に沿って砂利の川原を下っていく。



少し行くと周りの崖も小さくなり開けてきた。

川原も小石だらけ川幅も広くなって道が見えてきた。


「きゃああああああ!!助けて!」女の子の叫び声がする。


お決まりのイベントが始まったようだ。

ファンタジーにはつきものだよなぁ。

めんどくさい。



道の途中で馬車がひっくり返っており、二人のおっさんたちは盗賊のようだ。

うずくまる女の子が助けを求めている。

車輪が外れて馬も逃げてしまったようだ。


「おい坊主、邪魔だ。」

「ぼ、僕は道を通っただけで・・・」


問答無用なのかニヤニヤしていた大きなおっさんが殴りかかってきた。


うわあああ。僕は慌ててよける。

身体が軽い。あれれ?ひょいひょいとよけることができる。


避けていたけど、相手はしつこく攻撃してくる。だんだんむかついてきた。

バランスを崩した相手がよろめいたので、地面にたたきつけて足蹴にしてやった。


「なんだちょこまかと!」残りの盗賊が叫ぶ!


僕はダガーを持っていたことにいまさらながら気が付いてベルトから抜いてみた。

細くて軽いけど使いやすそうだ。

ただ、いままで一度も剣なんて使ったことがない・・・はず。



剣の握り方なんてものも知らないが、とりあえず握って振り回してみた。

もう一人の盗賊も突っ込んできた。

適当に振り回して当たったとおもったら、相手は伸びていた。


馬車に積んであった縄できつく縛る。

盗賊の癖に弱い奴らだな。



伸びている強盗を街まで連れて行くのは重いし面倒だな、と思っていると女の子が話しかけてきた。


「危ないところを助けていただきありがとうございました。

 御覧の通りお礼の持ち合わせが何もないのですが、街にいけば何かしら差し上げられるかと思います。」

「たまたま通りがかっただけです。それじゃ。」



さっさと歩いて逃げようとするのを慌てて引き止められてしまう。


「お、おまちください。また先ほどのような輩が現れたりすると思うと怖くって・・。

もしよろしければ街まで一緒にいっていただけないでしょうか?」


女の子は涙目になっている。


ここは女の子一人じゃ危ない道なのか。

今襲われたばかりじゃさすがに怖いのか。

この世界の常識をまだ知らない僕はあわてた。


こういう場合はどうやって落ち着かせればいいんだっけな?

女は頭ポンポンすると喜ぶと何かの本に書いてあったのを思い出す。


「大丈夫だ。大丈夫だよ。」


ツインテールの少女の頭をなでてみたらやっと落ち着いてきた。

本ってすげーな。

頭ポンポンしたし、もしかしてモテ期ってやつかな。

いやでもラノベだとモテる主人公って気が付いてない奴が多いから、ふりをしたほうがいいのだろうか。


人生経験少なすぎて怪しげなラノベ本を頼るショウであった。

結局、メルクル街まではどうせ行くのだし一緒にいくことになった。

馬車には大した荷物はないのでそのままにした。


盗賊は縛ったまま置いてくる。

街道を通りががった誰かが拾ってくれるだろう。もしくは自分たちで歩けないこともないかな。


 『強盗して失敗しました。衛兵に突き出してください。』と書いた看板をぶら下げておいた。



「ショウさんは田舎から出てきたばかりなんですね。

 私でわかることならお教えします!」


僕は冒険者目指して旅行中ということにした。


助けた子(名前はリリーシュという)に街の話が聞けたことはとても役にたった。

無視しなくてよかった。と、こっそりため息をつく。


日本のような警察はないらしい。

その代わり街には衛兵がいて警護などを引き受けているそうだ。

王城のほうは騎士団が受け持ってるそうな。


6日で一週間。魔法の種類でもあるらしい。

銅貨・銀貨・金貨数え方など。




そうこうしてるうちに街の防壁がみえてきた。

メルクル街に到着だ。


門にいる衛兵の人たちに身分を聞かれてアワアワするショウをしり目に、

リリーシュはカードをだして知り合いだと言ってさっさと一緒に通してもらう。

盗賊の話もリリーシュが話してくれたらしい。


日本でぬくぬく育った学生ではとてもこの行動力についていけなかった。

さらにショウもギルドカードを持っていたことを後から思い出したのだった。

ギルドが発行してる冒険者カードは、身元保証も兼ねてるから、見せれば大体通してもらえたはずだった。


僕ってちょっと情けない。

ショウは落ち込んでみたが、ギルドに報告するといってリリーシュに引っ張られて仕方なくついていく。





ギルドの応接間に通され、盗賊の詳細を報告して書類を作る。

捕縛費用としてお金がもらえるらしい。

ギルドの営業時間が終わっているためお金は明日清算されることになった。


ギルドカードをどこで作ったのか聞かれたらどうしようかとドキドキしたが聞かれなかった。

小心者すぎる。



ギルドポイントというものがあってFクラスから順に上がっていって最後はAクラスになるらしい。

その上は王国の管轄なんだそうだ。


「ギルドカードにはランクが記入してあり、そのランクに合わせて受けることができる仕事が変動します。

 ランクがあがるごとにギルドカードを更新しますので、その際には受付までお立ち寄りください。」


僕は一番最初のFランク。子供がお小遣い稼ぎにするためのランクなんだそうだ。

主に街中での仕事で家の掃除や洗濯なんてのもある。




もうかなり外は真っ暗でギルドの受付も終わった。


リリーシュの家族が迎えに来て、何度もお礼を言われた。

商人の太っ腹のお父さん。涙目でリリーシュを抱きしめてるお母さん。優しそうなご両親だ。

お互いに軽く紹介しあった。


「もう夜も遅いので後日お礼に伺いたいと思います。」軽く会釈して仲良く帰っていった。



家族いいな。

僕は思い出せないけどたぶん優しい両親がいたのだろうか。

感傷に浸っていてふと気が付いた。



あ、今日寝るところ決めてなかった。




人間は頭を攻撃されると即死します。よほど信頼関係が成り立ってる人以外触ってはいけません。

女子が頭ポンポンだけで喜ぶわけはなく、むしろ気持ち悪いと思われます。

ただし「ラノベ」ならポンポンで好きになるとか頭のおかしい生命体がいる設定もあります。

ちなみにリリーシュはそのせいで冷静になれたと思われます。

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