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異界にて〜  作者: 田端
4/4

4話 真理教

さて、王都ベネルクスを出た二人はひとまず

最初の宿泊予定地であるユトレヒトという町へ向かった


「!!」


美佳は驚いた

どうせ徒歩での長い旅になると

思っていたのだがなんと鉄道があったのだ


「こ…これって鉄道よね?」


「そうですよ?」


「ずいぶんとまあ…近代的ですね」


「まあ産業革命っていうのも終わりましたし」


ただし鉄道路線はプロイセンとここを結ぶのがひとつしかない為

国境付近に存在するアベルラントという所で降りてそこから

ダンブルクへ徒歩でいかなくてはならない、また鉄道事態巡航速度が60キロぐらいなので

そう遠くまではいけない、本数も多いとはいえないし遅れることもあるので

それを考えて近くのユトレヒトを目的地に選んだ


「まもなく一番線よりケールン行き普通発車いたします」


その語、駅員がドアを閉めに来た

どうやら自動でしまるわけではないらしい


これも遅れる理由なのでは?と美佳は思った

まあ、秒単位で動いている今の日本の鉄道が

正確すぎるといえば正確すぎるが


「本日はご利用頂きましてありがとうございます

 この列車は普通、ケールン行きです、各駅に停車します」


しばらくすると田園風景が広がる


その時


ガララ…


「えっ!?窓開くんですか!?」


「え?窓ってあくものじゃないんですか?」


最近の鉄道車両は窓があかないようになっている

その世代の鉄道車両にしか乗った事のない、いやあっても精々路面電車か地下鉄ぐらい

だと思っていた美佳にとって斬新であった


「そうなんだ、普通の列車も窓が開くんだ」


まあたしかに窓をあけたらいい風が吹く

風景もいい、なんだかんだで和む列車の旅だった


50分ほど後-


「ユトレヒト、ユトレヒト、降り口は右側です

 お忘れ物のないようご注意ください」


しばらく列車に揺られていると

どうやら目的地へ到着したらしい

ドアがあいて二人は下車した


「ふああ…なんかつかれた」


「それは列車にのるだけでも疲れますよ

 だってあまり乗り心地よくありませんもの」


駅舎は大変立派なものであった

中世ヨーロッパ風の造るのに

やたら時間をかけそしてやたら金をかけたような


こんな郊外の町まで美しい

この国は財政的に裕福であるらしい


町も美しいレンガ造りの家が立ち並ぶ

王都よりも新しく開発されたらしく

王都よりもきれいだ


「ん?」


「どうしたんですかニーナさん?」


「えっ?いや、たまたま指名手配されてる人の

 顔写真がはってあったので」


「カメラあるんですか?」


「ええ」


あっても不思議ではない

少なくとも日露戦争〜第一次世界大戦レベルの技術はあるのだ


(…あれ?この人見た事あるなぁ…?)


美佳が知っている人物に

似ているらしい


しかし名前が思い出せない

その時


「駅に毒ガスが!」


「え!?」


突然毒ガスがまかれたらしい

さかもさっき利用した駅である


「ちょ…ちょっと大丈夫なの私達?」


「さあ?でも大丈夫よ、私たちが去った後ですから」


会話をしている彼女たちの

横を兵士達が叫びながら走っていった

現代視点からみればお古の銃を持っているが

中世風の風景のなかあんな武器をもって走っているほうが逆に不自然だ


それに何故だろう?甲冑はきていない


「あの?ニーナさん?あの人たち甲冑は…?」


「ああ、甲冑は軍服不足でどっかからひっぱりだしたものらしいですよ」


「へっ?」


「第一あんなの着て長時間戦えませんよ」


(えええ!?中世ヨーロッパじゃないやん!)


中世の面影はどうやら建物ぐらいらしい

あと現実世界との大きな違いは魔法というものが存在する

国名、国体が微妙に違う事だろう



「おのれ!インコ真理教め!」


「イ…インコ? まさか!?」


「知っているのですか?」


「私の国のカルト教団です!サリンばら巻いたり弁護士殺害したりと

 いろいろ迷惑かけてました」

「まさか!亜裟覇羅(あさはら)もこの世界にいたりするの!?」


本名、松本、通称、亜裟覇羅諸卯子卯(あさはらしょうこう)

まあ説明するほどでもない、でも死刑囚のあの人とは関係ありません


美佳は覚悟を決めた

こういう展開の場合主役らが

事件を解決するのである


とりあえず戦う覚悟、死ぬ覚悟はきめた


(やってやるのです…)


…だが


「じゃあ宿、いきましょうか」


「ええ!?戦うんじゃないんですか!?」


「大丈夫です、しょっちゅうなので軍隊に

 まかせておけばそれで解決です」


覚悟の意味は?

一気に溜めた気力がどこかへ…


夜-


(でもなんで亜裟覇羅が…)

(まあいいか)

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