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一日千文字のストーリーズ  作者: 伊達幸綱
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十五日目 友情

どうも、伊達幸綱です。それでは、早速どうぞ。

「……ん?」


 ある日の放課後、教室で友達と話をしていた時、制服のポケットに入れていた携帯が突然ブルブルと震えた。


「メールか何かかな……?」


 不思議に思いながら携帯を取り出して画面を確認すると、姉さんからのメールが一通来ており、私はそれに嫌な予感を覚えながらもメールを開いた。そして、メールの本文と添付されていた画像を見て小さくため息をついていると、それを見た友達が不思議そうに話し掛けてきた。


「どうしたの?」

「……姉さんからのメール。今、向こうの学校の役員と一緒に生徒会室でおいなりさんを食べてるみたいで、その画像が添付されてきた」

「へえ、良いじゃん。お前の姉さん、料理上手なんだろ?」

「うん、それは認める。でも、生徒会室で食べようとするのはどうかと思う……」

「あはは、たしかにね」

「はあ……どうせまた意中の相手を労おうと思って、おいなりさんを作ったんだと思うけどね」

「意中の相手……ああ、お前達の幼馴染みだっていう生徒会長さんか」


 友達の言葉に頷いた後、私はもう一度ため息をついた。


「そう。姉さん、昔からその人には迷惑をかけててね。今回も半ば無理やり生徒会長にしたみたいだよ」

「そっか……でも、それでもなってくれるなんてその人は優しいんだね」

「……うん。私からしたらとっても良いお兄さんだよ」

「けど、このまま行くとその人はお前の義理の兄さんになるんだよな?」

「まあ……ね。姉さんはもちろんの事、その人もなんだかんだで姉さんの事が好きだし、その内付き合うんじゃないかな?」

「そっか。そうなれば良いね」

「うん」


 姉さんがべたべたとくっつき、それに対してその人が呆れ顔を浮かべながらもなんだかんだで許容する様を想像し、私の胸の奥がポカポカとする中、友達の内の一人が私を見ながらクスリと笑った。


「でも、そしたら今度は彼氏の一人でも作らないのとか訊かれそうだね」

「ん……たしかに。でも、私を好きになる人なんていないと思うよ?」

「そうか? お前、普通に可愛い顔をしてるし、感じも悪くないから好きになる奴なんて結構いると思うぞ?」

「うんうん。僕もそう思うよ」

「でも、二人は私に対して恋愛感情はないでしょ?」

「ああ、まったく無いな。まあ、お前が彼女だったら楽しいと思うけど、俺は今の関係性が一番だと思ってる」

「僕も同感。君だってそうでしょ?」


 その問いかけに私は素直に頷いた。


「うん。こうして一緒にいるのは楽しいけど、恋愛感情はまったく無いね」

「私も同じ。他の子からは結構驚かれるけど、二人に対して胸がドキドキしたり緊張で口の中が乾いたりするような感じはまったく無いね」

「だよな。だから、俺達はこのままで良いんだよ。ずっと仲良しの四人組のままでな」

「そうだね。それぞれに恋人が出来たとしても今みたいに仲良く話していたいね」

「たとえ、卒業して進路がバラバラになっても、ね」

「うん。ずっと仲良くしていきたい。その気持ちに嘘はないよ」


 にこりと笑いながら三人に向かってそう言っていたその時、教室のスピーカーから最終下校時刻を報せるチャイムが鳴り始めた。


「おっと……もうそんな時間か。んじゃ、帰るとするか」

「そうだね。今日もどこか寄ってく?」

「あはは、まだ少し話し足りないもんね。僕は賛成だよ」

「私も賛成。その上でリクエストするなら、ファミレスが良いかな」

「ファミレスか……良いな。よし、それじゃあ近所のファミレスまで行こうぜ」


 友達のその言葉に私達が頷いた後、私達はいつものように色々な話をしながら下駄箱に向かって歩き始めた。

 男女間に友情は成り立たない。そんな言葉を聞いた事があるけど、それは私達には当てはまらない。だって、私達はこの四人でいる事が好きで、何より幸せな事だと感じているから。


 ……ずっと、この関係性が続けば良いな。


 窓から夕日が差し込む廊下をみんなと話をしながら歩きつつ私は心からそう願った。

いかがでしたでしょうか。これからも書き続けていくので読んで頂けると幸いです。

そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしていますので、書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。

それでは、また明日。

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