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一日千文字のストーリーズ  作者: 伊達幸綱
12/29

十二日目 親愛

どうも、伊達幸綱です。それでは早速どうぞ。

 ある日の事、ある高校の一室で一人の女子生徒が腕を組みながら目の前にいる男子生徒に声をかけた。


「さて、今日こそはスクープを持ってきてくれたかな?」

「スクープ……ああ、ありますよ」

「ほ、本当に!?」

「はい。そして、それはもう記事に──」


 その言葉を聞くや否や女子生徒は男子生徒が持っていた紙を取り、ワクワクした様子でそれを読み始めた。しかし、すぐにその顔は落胆の色に染まった。


「……こ、これがスクープ……?」

「はい。この学校のだれもが虜になっているアイドルになんと子供が産まれたんです。これはスクープですよね?」

「いや、たしかに喜ばしいけど、アイドルって言っても普通の野良猫だからね!? まあ、かわいいのは認めるけども」

「部長もお昼休みには餌をあげてますからね」

「な、なんでそれを!?」

「これでも忍者の末裔ですからね。僕に調べられない情報は殆んど無いですよ」


 自慢げに言う部員に対して部長はため息をついた。


「はあ……それなら、もっとみんなの目を引くような情報を持ってきてよ。前だってこの学校に今をときめくアイドルが通ってるかもしれないって情報を調べてもらった時も結局真相まではわからなかったから、別の記事にしたわけだし」

「ああ、それなら裏は取れてますよ。ただ、本人が学校生活くらいは落ち着いて過ごしたいと言っていたので記事にはしなかっただけです」

「……ああ、そう」

「後、ちょうどこの前、一人の女子生徒と男性教師が良い雰囲気になってましたけど、それもなんだか邪魔するのは悪い気がしたので、見てないフリをしておきました」

「……君、本当に色々な事を調べてるよね。でも、どうしてそれを私には教えてくれるの?」


 その問いかけに対して部員はにこりと笑いながら答えた。


「部長は僕にとっては主のような者であり、この世で一番好きな人ですから。そんな人に色々話したくなるのは当然でしょう?」

「主のような者であり、この世で一番好きな人、か……。ふふ、それは君からの告白と受け取っても良いのかな?」

「もちろん良いですよ。だって、部員が僕と部長しかいないこの新聞部に入部したのは、部長に惹かれたからですし」

「……そう」

「それで、部長はどうです?」

「……そうだね。私も君の事が好きだよ。それも“like”じゃなく、“love”の意味で」

「ふふ、それはよかったです。それじゃあこれで僕達は両想いで恋人同士という事ですね」

「そうだね。という事でこれからもよろしくね」

「はい!」


 とても嬉しそうな顔で部員が答える中、部長はそれを見ながら小さな声でポツリと呟いた。


「……ほんと、“昔”とまったく変わらないなぁ」

「……え、何か言いました?」

「言ってない言ってない。さて、それじゃあその記事も含めて今週の学校新聞の作成に取り掛かろう。頼りにしてるよ、彼氏君」

「はい、任せてください」


 部員が胸を張って言うのに対して部長は笑みを浮かべながら頷いた後、二人は仲睦まじそうに話をしながら新聞の作成に取り掛かり始めた。

いかがでしたでしょうか。これからも書き続けていくので読んで頂けると幸いです。

そして最後に、今作品についての感想や意見、評価などもお待ちしているので書いて頂けると嬉しいです。よろしくお願いします、

それでは、また明日。

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