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三ノ巻

「んん……」

妖怪達が民宿に来てから翌日、焔は自室で目を覚ました。

「朝か……」

雀のさえずりと布団の敷かれた和室に挿し込む朝日の光によって意識を覚醒させる。




「おばさん、これ美味しいです!」

「驚いたな……まさか、これ程の料理を作れる人間がいるとは……」





「ああそうか……夢じゃなくて、本当に皆と住むんだ……」

昨日の光景、発言が全て幻かと思っていたが、現実はこうはいかなかったようだ。



「そうだ、焔君。今日は山賊握りあるわよ」

「本当⁉ やった、一個貰ってくね!」









「……何の用だ」

「笛、上手いね」


「尺八?」

「篠笛だ」

天は全く違う回答に淡々と返し、続けて言う。

「人間」

「何?」



「何度も言うが……」

天は焔の横に立ち、耳元で呟く。

「僕は君を認めていない……」


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