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魔法学園  作者: 心木真冬
第2章 東砂見鳥
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緑の鎧の者

2ヶ月あいてしまった…

 レイが目を覚ますとグレンがそばで胡座をかいて寝ていた。


「グレン……」


「ん、レイ元気そうだな」


「腕を切り落とされたけど繋げてもらったよ」


「訂正しよう。随分と痛い思いをしたようだな」


「別に、すぐに倒れちゃったから痛みなんてそんなに感じなかったし。むしろ腕がない時のあの感覚の方がよっぽど気持ち悪かったよ」


 ふと、塔が微かに揺れたように感じる。グレンは心臓が大きく高鳴るのを感じる。


「!?」


「今のはなんだ?」


「ぐ、グレン、まさか!!」


「ああ」


 グレンは少しばつが悪そうに立ち上がる。


「メルト、あの鎧野郎との戦いで()()()()()()()が反応したんだろうな」


「大丈夫なの?」


「まあ、今のところはな…」


「よく考えておくべきだった……、復讐の事ばかり考えてたけどこういう事が起きるのを予測してなかった」


「仕方ねえよ、これは一生かかって解決しないといけないもんだからな」


 そんなやり取りをしているとブラウンが階段から降りてきた。


「ん?どうしたんだ二人とも」


「ブラウン先生、話しておきたいことがあるんです」


 レイはグレンの抱える問題を説明した。


「なるほどね……、確かに話に聞いてた通りだな」


「え?どういう事ですか?」


「いやこっちの話だ。そうだな俺はそういうのは専門外だが本人の意思を尊重するのが一番だ。グレン、お前は()()()()()()()()()()()()()()闘うつもりか?」


「正直分かりません。今は……そうガルムの復讐だって本当はとても恨みが薄いのにやろうとしている。そうしなければいけないと思う自分がいてしまう。俺はその中で答えを見つけたいんです。だから」


「だから闘うのか……、それは義務感か?自分の親が顔を見てもいない相手に復讐をしなければならないと思ってるお前のそれは」


「恐らくは」


「それでお前はそんな自分に矛盾を確かに感じていながらも戦おうとする、それを答えを導き出す手段にする。それで最悪自分が壊れても良いって言うのか?」


「俺は自分を壊す気はない。だからここにいるんです、先生はどうしてこの先に行こうとしたんですか?生徒を危険に晒してまで」


 ブラウンはポケットからタバコの箱を取り出し一本抜いて咥える。


「そうだな」


 タバコに火を着けて吸い出す。


「さすがにやばすぎたから引き返させたが、あの鎧男やコウモリだけなら俺は別に生徒を危険に晒しているとは思わないな。活かすも殺すも学ばさせる。俺は殺す道を選んだが当然あそこで引き返すやつは止めないさ」


「でも先生が戦うように仕向けたんでしょう?」


 長らく黙っていたレイが口を開く。


「いや違うな、俺はあくまでも選択肢を明確にしただけだ」


「スピガ先生は止めていましたよね……」


「まあ、あれは特別さ。立場が違えばやり方も変わる。それでなんで上に行くかだったか、簡単な話行きたいから行くんだ。多少の障害があっても構わない。俺はこの塔をお前達に見せたかったから上を目指している」


「なんだか理由になってないな。結局俺達の障害の大元は何なんだ?ガルムなのか?」


「それを今から確かめる。付いてきたければ勝手にしろ」



 15階、この塔は15階建てでありつまり最上階にそれはいた。

 石碑の前で佇む緑の鎧の者。


「あいつは、村に来た……!!」


「知っているのか?」


「村がガルムに襲われる前に来たやつですよ。多分あいつはガルムの仲間だ」


「なるほどね、おいそこのお前」


 緑の鎧の者はゆっくりと振り返る。


「軍の連中じゃなさそうだな。……その制服、魔法学園の人間か」


「そうだ」


「驚いたな、いくら魔法が使えるといってもあれらを突破するとはな」


「やりすぎだよ、生体兵器を住み込ませるなんて悪趣味も良いとこだ」


「しかし君たちは処理したんだろ?」


「ああ、それで何だってあんなモノまで使ってここにこさせようとしなかったんだ?」


「私の目的はこれさ」


 緑の鎧の者はいつの間にか持っていた剣で石碑を指す。


「ああ?その石碑は単に魔力が内蔵されているだけだ。そんなものを一体何に使う気だ?」


「お前達には関係のない話さ、ところで」


 剣をブラウン、グレンとレイにそれぞれ向け、


「間違いない、予言の通り。なればお前達をここで引き返させるわけにはいかないな」


「安心しろよ、引き返すつもりもないし、それにこいつらは俺達もあんたに少しばかり用があるみたいだ」


「ほう」


「ガルム・オスカーという名前を知っているだろう」


「我が主だ」


「ならばやつの情報を聞こう」


「できんな」


「なら力ずくでも聞き出すさ」


「やってみるといい」


「そうするさ、だがまずはお前の名前くらいは教えてくれ」


「グリム・アナトリモス」


 グリムは兜を被っており、顔が見えなかったが笑ってるように見えた。

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