表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法学園  作者: 心木真冬
第2章 東砂見鳥
13/59

塔に潜むモノ

 5階、グレンとソフィア、そして彼女の使い魔であるローズの3人がかりでメルトと戦っていた。


 しかしメルトは3人の猛攻を余裕でさばいている。


「くそ、なんて奴だ…、ヒルダも攻撃してるのにあの鎧に傷一つつけられねえ」


 グレンの使い魔であるヒルダもメルトの隙を付くように攻撃するが、メルトにはこれといってダメージを与えられていない。

 それどころかグレン達には疲労が現れ出している。


「グレン、まだやれますわよね?」


「当然」


 しかし階段の方から複数の足音が聞こえてきた。


「なんだ?」


 階段から生徒達が現れる。


「あ、グレン!!」

「ソフィアもいるぞ!」


 生徒達の何人かが二人を見て言う。


「撤退を選ぶか、なら俺の役目はここまでだな」


 メルトは剣を収める。

 するとこれが最大のチャンスとみたグレンとソフィアは同時に攻撃を仕掛けるが、


「まだ剣に手を置いているのが見えないのか?」


 メルトは剣の柄を強く握り、


「真剣流・剣 技其壱【抜刀一閃】」


 恐ろしく速く剣を抜き攻撃をしようとしていたグレンとソフィアを斬った。


「おっと」


 メルトは反射的にしようとしていた追撃を止める。


 ソフィアはメルトの攻撃を受けて倒れたがグレンはぎりぎりのところで攻撃を防いだのだ。


「っ!?」


 グレンは一瞬自身の心臓が大きく鳴ったのを感じる、それと同時に今までにないほどの力で剣の柄を握りしめていた。


「……!? お前……」


「ぐ、グレン君?」


 グレンは汗を流しながら深呼吸をした。


「お前、長生きしないタイプだな。()()到底一人の人間が抱えて良いものではない」


「はぁ……、うるせえよ」


「まあ良いか、お前は行っても構わんぞ」


「最初からそのつもりなんだがな」


 グレンは振り替えって階段を上る。


「待てグレン!!」

「グレン君!」


「放っておけ、上にはまだ人がいる」


 メルトはそう言いながら小型の通信機を取り出す。


「つ、通信機?でもここは電波がないはずでは……」


「軍が持ってるのと一緒にするな」


 メルトは通信機に耳をあてる。


「メルトだ。…ああ、終わった。それで迎えにバスを寄越してほしい、人数は…30人程だ。……ああ、すまない」


 メルトは通信機をしまって、


「さてそこにいる教師、今ここにいる生徒と下にいた軍の兵士1人を送っててやるがどうする?」


「何故そんな事を?」


「言ったはずだ?この塔は危険だ。早く塔を出ることをおすすめしている」


「し、しかしグレン君やブラウン先生が……」


「その2人だけか?」


「スピガ先生、レイがまだ上にいます……」


「レイ君も!?」


「ふむ、まあその2人はあの教師がなんとかするだろ。とにかく早く決めた方がいい」


「わ、分かりました」


「物分かりが良くて助かるな」


 こうしてメルトと生徒達、そして3階にいた軍の兵士を説得して塔にはグレンとレイ、ブラウンそして1人の者と2体の化け物以外いなくなった。




 それは地下で眠っていた。


 上で戦いの気配を感じていたそれはついに目覚めた。


 緑色の蜥蜴の様な顔立ちだがその胴体は蛇の様に長い。


 それはゆっくりと上に上がる。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ