守護者 メルト・シナリー
メルトが剣を抜き構える。
「スピガ先生、指示を」
「わ、私がですか?」
「まあこの中で一番魔法を知っていますしね」
「分かりました…。相手は鎧を着ています、使い魔と上手く連携して総攻撃を仕掛けてみましょう」
「了解!!」
グレンが剣を持ちメルトに斬りかかる。
「ふん」
メルトはそれを軽く受け止める。左から雷の亀、右から水の猿が襲いかかる。メルトは後ろに跳び避ける。
「ヒルダ!!」
メルトが跳んだ位置の上にいた炎の鳥が火の球を口から放つ。
火の球はメルトに直撃したがメルトは特にダメージを受けていない。
「真剣流・剣 技其拾壱【風切り上げ】」
「うわっ!」
メルトの切り上げ攻撃をグレンはなんとか防ぐ。
「行きなさい!」
炎のオタマジャクシが横から攻撃を仕掛けるがメルトはこれをかわす。
「水魔【ウォーターネット】」
キャシーの手から水の網が飛び出しメルトを捕らえようとするが、
「足運び【踏ん張り】」
メルトは瞬時に後ろに移動して網をかわす。
「真剣流・力 技其伍【力踏力斬】」
力強く跳んだメルトはキャシーに向かい剣を振り下ろす。
「雷魔【サンダーシールド】」
雷の盾が阻もうとするが盾は切り裂かれ剣はキャシーを捉える。
キャシーはメルトの攻撃を避け、
「水魔【ウォーターロープ】!」
水の縄がメルトの左腕を縛りあげる。
「キャシーよくやりましたわ、こちらも!炎魔【ファイヤーロープ】!」
ソフィアからも炎の縄が放たれメルトの右腕を捕らえた。
「これしき」
メルトの右手首は固定されていなかった、故にメルトは剣をソフィアに向かって投げる。
「ソフィア!!」
グレンが間一髪でソフィアを押し倒しす、剣は壁に刺さり、
「ふん」
メルトは左手で水の縄を掴み引っ張る、縄と共にキャシーもメルトに引き寄せられメルトは左足でキャシーの腹を蹴った。
「うっ!!」
「キャシーさん!」
スピガがキャシーの元に駆けつける、メルトはスピガを無視して壁に刺さっていた剣を回収した。
「まず1人」
「先生、キャシーさんは?」
「気絶しているだけです」
「たく、まさか剣を投げるとは……」
「グレン、助かりましたわ」
ソフィアとグレンは立ち上がる。
「さて、まだやるのか?」
「皆さん……」
スピガは不安そうに皆を見る。
「大丈夫だよ先生、そう簡単にやられてたまるかよ」
「あら、口だけならいくらでも言えますよ?」
「ふん」
グレンとソフィアは剣を構える。
「そうか、ならば少し本気を出すか……」
次の瞬間場の空気が変わる。メルトからただならぬ力をグレン達は感じる。
「こいつは…」
「中々きつそうですわね」
「真剣流・剣 技其拾壱【風切り上げ】」
メルトは一気にグレン達との距離を詰め、
「足運び【蜃気楼】」
目の前で消えた。
「どこだ?」
「え?ああっ!」
「ラザス君!!」
メルトはラザスを斬っていた。
「なっ」
「2人目、戦う意志なきものは立つな」
「ラザス……」
メルトの剣はいつの間にか水を纏っており、彼の足元には水溜まりができていた。
技名とか明らかにあれの影響受けてます