氷の王子は眠らない
氷室深夜は走っていた。
午後三時。たくさんの人々が歩き行き交う大通りを。青空の中を駆け抜け、迫りくる夜闇からただひたすらに走って逃げ回っていた。
周りの人々が気づかぬうちに、次々に侵食される風景。壊れていく日常。
『このお守りが、あなたを守ってくれるからね』
遠い昔の誰かの記憶、紐解いたその中ではー-------
「ああ…よく眠った。」
間の抜けた、カミが眠っていた。
午後三時。たくさんの人々が歩き行き交う大通りを。青空の中を駆け抜け、迫りくる夜闇からただひたすらに走って逃げ回っていた。
周りの人々が気づかぬうちに、次々に侵食される風景。壊れていく日常。
『このお守りが、あなたを守ってくれるからね』
遠い昔の誰かの記憶、紐解いたその中ではー-------
「ああ…よく眠った。」
間の抜けた、カミが眠っていた。