一章・4-2
短めです。
※'15.11/5 読みやすいように編集しました。
目を開けると、白い、何もない空間が見えた。
「ここは……?」
自分の頭の上には何やら湿ったものが、体の上には毛布がかぶせてあった。俺はそれらをどかして体を起こすと、そこにはゲーム機と、椅子に座ってうつむいている誰かの姿が目に入った。
「トカレフ、さん?」
「お、ようやく起きたか。調子はどうだ?」
「まあまあです。それより、ここは……」
「おまえの部屋だ。そのベットだって、お前が頼んだものだろ?」
「そういえば……」
今自分が乗っているベットは、部事務で頼んだものだった。でも、受け取っていないはずだった。
「俺、どうなったんですか?」
「詳しくは知らないが……俺は、お前が倒れたということをロッテルから聞いた。それで俺が急いでロッテルのいる場所に行ったら、本当にお前が倒れてるもんだから、とりあえずこの部屋に連れてこようと二人でお前を運んでくると運送係がベットもって部屋の前で立ってたんだ。どうかしたかと声をかけると、お前が頼んだベットを持ってきたのに当の本人がいないってことだったから、事情を話してベットを設置してもらいそこにおまえを寝かせたってところだな。」
「霧野は?」
「霧……ロッテルはもう帰ったぞ。なんせ今日は泊まれないとかどうとかで……もう日が変わるころだしな。」
「え⁉」
そういわれて時計を見ると、長い針と短い針が真上で重なろうとしていた。
「俺そんなに寝てたんですか⁉」
「そうだな、お前が倒れたって連絡受けたのが大体4時半ごろだったから……ざっと七時間だな。」
「うそ……」
「本当だ。にしてもなんで突然熱出して倒れたんだ?」
「わかりません……。今日のことが楽しみで昨日からまったく寝てなかったり、あとは、説明が難しくて困惑していたのはありますがこれとは関係ないだろうし……」
「それだな……」
「なんか言いました?」
「いや、何も。それよりお前はまだ休んでろ。意識が戻ったのは分かったし、俺はもう自分の部屋に行くからな。」
「あの!」
「なんだ?」
「明日はバイトが……」
「その件に関してはロッテルが話しをつけておくそうだ。お前は朝になったら俺が家まで送ってやるから明日は一日休んでおけ。そんな体調でまた倒れられたらこっちが迷惑だ。」
「ですが……」
「それに《OF》だって。あれはゲームだが、俺らにとっては仕事だ。そんなんでやれないようじゃろくに給料も出ないぞ!」
「それは困ります」
「なら今日は休め。俺だって寝たいんだ。いつまでもお前に付き合ってはいられない。俺はもう行くぞ」
そういって、トカレフは部屋を出て行ってしまった。
「しょうがない。俺もね、る‥‥」
いつの間にか、意識はなくなっていた。
余裕ができてきたので、次回から三日間隔で更新しようと思います。