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operation flags  作者: k.はる
一章 ―新世界(new world)―
6/52

一章・3-2

※'15.11/4 読みやすいように編集しました。

「よし、ではこれから作戦会議を始める」

 トカレフの一言で作戦会議に入った。とはいっても‥‥‥

(OFの経験者は少ないし、それにVRワールドでのOF経験者はCapREX一人だけのはず。いったいどうやって作戦を立てんだ‥?)

 俺はこの疑問を持ちながら作戦会議に臨んだ。ただ、その疑問はすぐになくなった。

「ではこれからゲームの日程を確認する。ゲーム開始の日である6月1日の前日、5月31日には全員に来てもらうが、そこから先は常に全員がそろうのは難しいと思われる。ただ、ある日は二人しかいない、ということにならないために分担表のようなものを作ろうと思う」

 作戦会議といっても、今決めるのはバイトでいう『シフト』のようなものだけのようだ。

 って、ここはバイトか!……とも思ったけど、お金をもらえることを踏まえると、たしかにバイトかもしれない。『シフト』といっても、交代があるわけではなく「いつ来ることができないか」というものだった。ここに住んでいて、いつでもできる人はいいが、俺らみたいにここに住んでいない人は毎日夜をここで過ごすわけにはいかない。そのため、俺は週一で泊まりの日を作った。ただ、OFの世界は現実世界の4倍で進んでいるらしく、6時間で一日なのだそうだ。だから、夜は来なくてもいいといわれたものの、いずれ基地で過ごそうとしていることを踏まえるとそれくらいの頻度で泊まってもいいだろう。

 それに、俺はすでに親元を離れ一人でマンション生活をしている。だから、今からこの基地内に住んでもよかったのだが、俺の住んでいるのは月借りのマンションで、あと二週間が惜しかった。そのため、慣れたら基地暮らしもあるだろうが、とりあえず二週間はここから通うつもりだ。

 そして、通うに伴って地図をもらったとき、驚くことが分かった。それは、俺の家と基地が思ったよりも近く、自転車でも40分足らずで着くということだった。だから、これから通うことになるがあまり気にせず決めることができた。

 また、食事について気になったから聞いてみると、上の居酒屋で食べることができるらしい。居酒屋だが食堂のようなメニューもあり、また基地の人間は日替わりメニューが無料で食べられるらしい。他のものを頼むときでも、多少の割引があるということだった。


    ☬


『シフト』の話も終わり、次にゲーム機の話になった。

「ゲーム機は、個人の部屋にあり、基地に住む場合はその部屋に住むことになっている。また―――」

 機械についてまたまた長い説明のあと、俺たちは各部屋に案内された。その部屋は、十畳ほどの広さで、一人で過ごすにはもったいないくらいの広さだった。でも、その部屋には何もなかった。ベッドや机などはもちろん、肝心のゲーム機さえなかった。不思議に思っていると、頭上から聞きなれない声が聞こえてきた。

「予定通り、これからゲーム機の搬入作業を行う。担当の者は搬入口に集まれ。ゲーム参加者は部屋にゲーム機を入れるスペースを確保しておくように。以上」

 どうやら声は、天井にあるスピーカーから流れてきたようだ。

「お前の部屋もこうなのか……」

「わっ‼」

 突然後ろから声がしたので驚いたが、後ろを向いてみると、そこには霧野がいた。俺がドアを開けっぱなしだったから入ってこられたらしい。

「何でここに?」

「いや、俺の部屋に何もなかったからおかしいと思ってお前の部屋を見に来たらこのありさまだ」

 どうやら霧野の部屋も同じように何もなかったらしい。ただ、霧野に言われて気づいたのだが、壁に一つ、内線電話が設置されていた。だが、番号がわからなかったため、使うことはできなかった。

「ちょっとどいてね~」

 後ろから声がした。見ると、作業着を着た二人の男が何やら大きい機械をもって部屋に入ってきた。

「これは‥‥?」

「ゲーム機だよ。さっき放送が入っただろ?」

「あぁ、さっきの‥‥‥」

 どうやらこの二人が『担当の者』らしい。二人はさっさと扉の反対の角にその機械を置くと、さっさと部屋を出ていった。

「どうかしたか?」

 気づくと後ろにトカレフが立っていた。

「あっ、トカレフさん。どうして何もないんですか?」

「説明してなかったな。お前らは違うが、ここに住んでる奴がいるだろ?」

「はい」

「そいつらは、ここに『引っ越して』くるんだ。だから、引っ越してきた時に何をもってきてもいいように部屋には何も置いてない。でも、頼めば家具をもらえるぞ」

「そういうことだったんですか」

 俺のマンションは家具付きのマンションだ。だから、ここに引っ越してくる場合でも家具を持ってくることができない。

「じゃあ、今頼んでもいいですか?」

「あ、いや、俺に頼まれても困る。この基地の中央にある事務ルームにいって頼んでくれ」

「わかりました。霧野、行こっ♪」

「やけにご機嫌だな‥‥まあいい。行くか」

「そうだお二人さん、これ持ってきな。基地に居る者全員の必需品【電子マップ】だ。ナビ機能もあって、便利だぞ」

「「ありがとうございます」」

 こうして俺らは【電子マップ】を片手に基地の中央、事務ルームに行くことにした。


 300PV達成しました!

 ありがとうございます。

 ということで、今日から4日ごとに更新する予定です。

(PV数とは関係ありません)


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