エピローグ2
「お疲れ様!」
明智のかけ声でグラスを掲げて、乾杯する。
「まったく、誰のせいで疲れたと思ってるんだか…」
伊達は、ラムコークを一口飲んでからグラスを置くと、ラッキーストライクをくわえて火を着けた。
「まあまあ、戻って来たんだから、いいじゃん。でも、今度は勝手に死ぬなよ?」
真田が明智の肩を叩く。
「すまん、すまん」
明智は煙管を取り出して、刻み煙草を詰め始めた。
「また死んだら、どっかに召喚されて勇者やっとけよ。で、魔王倒して帰って来ようぜ。協力するから」
俺はロメオのぺティコロナのヘッドを切って、吸い口を作り、フットに愛用のバーナーライターで着火する。
俺達は、冒険の打ち上げと称して飲んでいた。集まるとよく飲みに来る飯田橋のバーだ。
「また呼ばれるのは勘弁だよ。死なない様に気を付けるから」
明智が肩を竦める。
こうして、また集まって飲めるのは、生きているからこそだ。
「そういえば、原田や本田は元気にしてるかなぁ…」
「そうだねぇ。戻って来たら、もう会う事無いもんね…」
真田が俺に同意した。
「ま、どこかで元気にしてるんじゃないの?…って、俺達が戻って来たの今朝じゃん」
伊達は紫煙を吐き出しながら、笑う。
「あぁ、無事にこっちに戻れたって言ってたよ」
「は?」
「え?」
明智の言葉に、俺と真田が同時に疑問の声を上げ、伊達は黙っているが固まっている。
「どうしたの?」
明智が俺達の反応に不思議そうな顔をした。
「言ってたよって、会ったの?」
「いや、メールだよ。前に赤外線で連絡先交換したから」
「アプリのやつ?」
「いや、普通のメール」
「マジですか…」
真田の問いに対する明智の答えが、余計に俺達を驚愕させた。まさか、連絡先を交換しているとは思わなかったのだ。
「そういえば、ユキさんが最後の魔法を使った後、どうなったの?原田さん達は何か言ってた?」
真田が思い出して、首を傾げている。
「いやぁ。原田さん達も覚えてないって」
明知が首を横に振る。
「お前は何か知ってる?」
伊達に話を振られた。
「まぁ、それなりに。でも、それはまた別なお話ってね」




