#51
村長いわく、このヴァンパイアは村長の叔父であり、先代村長の弟だった。
そして、まだ村長が子供の頃、村は魔獣に襲われ、多くの犠牲者を出した。
当時、まだヴァンパイアではなく一人の魔法使いだった彼は、村を守るために魔獣に挑んだのだが、敗北し重傷を負い、そのまま殺されるのを待つばかりだった。
その戦いの一部始終を見ていたのが、夜の王だ。
夜の王は、彼をヴァンパイア化させて命を救い、戦う力を与えた。その力で魔獣を倒した彼は、そのまま姿を消した。
「この男が間違いなく叔父様なんですか?」
「はい。居なくなった時と変わらぬ見た目ですが、間違いなく叔父上です」
明智の疑問を村長が肯定した。
「そんなわけで主には恩があったんですけどね」
彼は苦笑いしている。
「村長の叔父様で間違いないと言うのなら、信じましょう」
「いいんだな?」
「あぁ」
「分かった。お前がそう決めたなら、それでいい。責任はお前が持てよ?」
「また俺かよ~」
明智と伊達が、いつも通りのやり取りを繰り広げる。
「素敵なチームワークですねぇ…」
再び、彼が苦笑いしている。今度は視線が温かい。
「村長の叔父さんを、あんたやお前と呼ぶわけにはいかないし、名前を教えてもらえないか?」
「ロイドですよ」
ロイドが右手を差し出す。
少しだけ迷ったが、銃をしまって握手する。
「よろしく」
「よろしくお願いします」
ロイドを信用する事にした俺達は、外で待っている面子に状況の説明と、彼の紹介をする事にした。




