#48
「ハッ!」
かけ声と共に伊達のワイヤーが宙を舞い、黒マントの男の一人をバラバラにした。
それに気を取られる別の男へ銃弾を叩き込む。
地面にマントだけが落ちたので、灰になったのだろう。
ガァン!
再び雷鳴の様な音が鳴り響き、黒マントの一人が体をくの字に折って、吹っ飛んだ。
真田は早くも二人を倒している。
「やるねぇ」
呟いた伊達は、次の標的へとワイヤーを放つ。
二人の攻撃は決定力に優れているので、俺は敵を足止めするために、両手の拳銃を撃ちまくる事にする。
連携しての攻撃は効率が良く、どんどん敵が減っていく。
「ラスト!」
真田の放った弾丸が、最後に残った黒マントの頭を吹き飛ばしたのを確認して、銃のマガジンを交換する。まだ弾切れはしていなかったが、念のためだ。
「明智、そっちは?」
その問いに、明智は顎で原田と松永を指し示して応えた。
原田と松永は、槍と剣で戦っている。
普通なら槍を使う原田の方が有利なのは間違い無いのだが、ヴァンパイア化した松永にはそうもいかない。むしろ、原田は槍の優位性と技量の差を持って、松永と互角に戦っている感じだ。
本田は刀を構えたまま、二人の戦いを見守っている。
「会長、あんたの事はずっと気に入らなかったんだ!」
松永が、原田の槍を払い、袈裟斬りに斬りつけようとする。突きに特化した細身の剣であっても、ヴァンパイアのパワーとスピードで斬りつけられたら、ただでは済まない。
しかし、原田は払われた勢いに任せて槍を半回転させると、石突きで松永の脇腹を殴打した。
「ぐはっ」
松永が殴られた脇腹を押さえて後退る。
その隙を見逃さず、原田の槍が松永の喉を貫く。
「がっ!」
槍が引き抜かれ、傷口から血が吹き出した。
「最後…まで…ムカつく…女…だな…」
松永が喉を押さえて地面に膝をつくが、原田は構えを崩さない。
「夜の…王…は…、ゾンビと…戦った…村に…居る…」
「何故、私達にそんな事を教える?」
「行って…、殺され…るがいい…」
そこまで話して、松永は灰になり崩れ去った。
「お疲れさん」
明智が原田の肩に手を乗せ、原田は構えを解いた。
原田は震えている様だった。仲間だった者を倒したのだから、当然だろう。武道家の娘とはいえ、女子高生だ。
「どうする?」
真田がリボルバーをしまいながら、訊いてきた。
「行くしかないだろ」
俺も銃をしまい、答える。
「原田が落ち着くのを待って出発しよう」
伊達が、俺と真田にだけ聞こえるような小さな声でそう言ったので、本田を手招きして、エミリー達の方へ歩き出す。
「あっちは明智に任せよう」




