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#47

「ご迷惑をおかけしました」


 ユキが姿を消し、原田が拐われてから一週間が過ぎ、原田の怪我は全快と考えて良いと医者から告げられた。

 これでようやく、夜の王を倒すために北へ向かう事ができる。

 本人としては、もっと早く旅立つつもりだったようだが、中途半端な状態では余計に危険だと説得した。


「いったん、この前の廃村まで戻って、それから山沿いに探索してみよう」


 明智の提案に従い、車二台に分乗して、北を目指す。

 前を走る明智のバンには、明智、真田、エミリー、原田。後を追う伊達のアルファードに、伊達、シャーリー、アリス、本田、俺だ。

 廃村までは二日で無事にたどり着き、警戒しながら一晩を過ごした。


「どっちの方角から探索する?」


 コーヒーの入ったアウトドア用のステレンレスマグを片手に、伊達が口を開いた。


「西の勇者を見失ったのは、大地の神殿の西にある砂漠だったよね?なら、城は西寄りにあるんじゃないの?」


 真田の言う城とは、もちろん夜の王の居城の事だ。


「じゃあ、西回りで山の麓を国境まで探索して、次は東回り。それでも見つから無ければ、山狩りだな」


 明智が話をまとめ、朝のうちに出発する事になった。




「松永!」


 西側に探索を始めて数時間後、俺達は小さめの城を見付けた。

 車を降りて近付いてみると、その門の前に数人の黒いマントを羽織った者を従えて松永が立っていた。松永も同じものを羽織っている。


「随分と遅かったじゃないか。会長の回復でも待っていたか?」


 本田の激昂に、松永は薄笑いを浮かべて言った。


「松永、君は私が倒そう。副会長の不始末は、会長である私の責任だ」


 原田が槍を構えて、一歩前へ出る。


「会長が?笑わせないでくれ。お前なんて、相手にもならないよ。それより、要があるのは、そっちの二人だ」


 松永の視線が、エミリーとシャーリーの方へ向く。


「どういう意味だ?」


 明智がグルカナイフを抜き、刃を松永に向ける。


「そのままの意味さ。夜の王に、そいつらを連れてこいって頼まれててね。あぁ、連れてくのは一人で良いから、もう一人は食べてしまおうかな」


 松永が凶悪な笑みを浮かべた。


「松永ぁ!」


 原田が、松永に向かって突っ込む。

 明智と本田もそれに続く。


「エミリーとシャーリーは下がっててくれ。アリス、二人をよろしく」


 アリスが頷くのを確認して、両脇のホルスターから銃を抜いた。


「俺達は、あれを片付けますか」


 伊達は手袋をはめ、ワイヤーを引き出す。


「だね」


 真田がリボルバーを撃つ。

 辺境の地に轟音が鳴り響いた。

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