#32
翌日、俺達は当初の予定通り、北の山岳地帯を目指して出発した。
アミナは話を終えると帰って行ったが、その前に念のため、ブラボー、チャーリー両チームのメンバーの特徴とブラボーチームが消息を断った地点を聞いておいた。
「結局、やる事は変わらんのよねぇ」
真田の言う通り、俺達は夜の王と呼ばれるヴァンパイアを倒すために呼ばれたのだから、予定に変更は無い。
「まぁ、やるしかないよねぇ」
伊達が短くなった煙草を灰皿に捨てながら、独り言の様に呟く。
行方不明になったブラボーチームは、二十代の若者達で、武器はサブマシンガンと拳銃を使っていたらしい。屋内の戦闘に向いた武装だし、城に乗り込む事を考えたら妥当だ。
それでも全滅したという事は、夜の王には銃が効かない可能性が考える。
アミナと会ってから二日後、俺達は山岳地帯の近くまで辿り着いた。
「すげぇな!」
明智はそびえ立つ山々を見て、感動している。
「観光に来たわけじゃないんだぜ」
伊達が、明智をたしなめる。
「観光だったら良かったけどな」
言いつつ、葉巻に火を着ける。
「このまま車で行く?それとも歩き?」
二列目のシートから、真田が身を乗り出して来る。
「歩きの方がいいんじゃない?車乗ってる時に襲われたら、戦えないし」
明智の意見で車から降りて、夜の王の城を探す事になった。
車はしまえるが、馬車はしまえないので、神官達を乗せてついて来ている。
原田達は馬車を囲うように位置取って歩いている。馬車の護衛のためだ。
「あれ、村じゃないか?」
山の麓に、木製の柵に囲われた数軒の家が見えた。
まだ村の様子までは分からない。
「とりあえず、あそこで情報を集めようか」
伊達の提案に明智が頷いたので、行動方針が決定した。
俺達は村へと進む。




