表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/61

#28

 村へ戻る頃には、すでに夜になっていた。

 作戦の成功は、原田達によって伝えられていたので、俺達がする事は特に無い。

 村長達に礼を言われたくらいのものだ。

 その後には、アリシアとアンが帰還する旨を聞かされた。

 彼女達は、俺達との別れを惜しんでくれた。

 別れ際、アリシアは俺のスマホを手に取ると、何やら呟いていた。

 彼女ともメッセージ機能で連絡が取れるようにしてくれたそうだ。ただし、ピンチになって助けが必要な時以外は連絡してはいけないと言っていた。

 天使には天使の規則があるのだろう。


「私の事、忘れないでくださいね」


 そう言って微笑むと、アリシアは青い光の玉になって、空へ昇って行った。それが彼女の最後の言葉だった。


「サトシくんもお友達も元気でね」


 アリシアと同じ様に、アンも青い光の玉に姿を変え、空へ昇って行った。


「居なくなると寂しいもんだね」

「そうだな」


 真田の言葉に、俺はポケットの中で携帯灰皿を握りながら応えた。




 原田達の傷が癒えるまで、俺達は村に滞在する事になった。

 原田達は戦える状態とは言い難く、ヴァンパイアに襲われれば全滅する恐れがあるので、俺達と一緒に居る事になったのだ。

 村のために戦って負傷したという事で、村人達も滞在に好意的だった。

 俺達と原田達は、それぞれ空き家を一軒ずつ借り、そこに寝泊まりしている。


「しかし、この歳になって特訓とはね…」


 真田が言う特訓とは、戦闘訓練だ。

 大天使の加護を受けているとはいえ、それはスピードや筋力、反射神経等が上がっただけだ。

 真田の銃撃や銃剣を使った格闘、伊達のワイヤーにしても、その技能を使えるようにして貰っただけ。

 つまり、使えるようになっただけで、使いこなせる訳ではない。

 体に染み込ませて、感覚を慣れさせなければ、この先の戦いが厳しいだろうという事で、戦闘訓練をしている。

 特に俺は加護を受けていないので、この世界風に言うと、魔力を体に纏って身体能力を上げるというのを意識的にできるようにしなければならない。今まで無意識にできていたレベルではダメだ。

 元の世界での霊能力とこの世界での魔法や魔力の差にも慣れなければならない。


「そういえば、明智は?」

「原田さんのとこじゃないの?」


 伊達の問いに、真田が銃剣で隣の家を指しながら答える。

 隣の家は、原田達が寝泊まりしている。


「またアイツは…」


 伊達は溜め息を吐きながら、煙草を取り出した。

 いつものラッキーストライクだ。


「明智はいいんじゃん?特訓しなくても、本能で何とかできそうだし」


 真田の言う通り、明智は力を使いこなしていた。


「タイやカンボジアの旅行の話聞いた時も順応性高いとは思ったけど、異世界でまでとはねぇ…」


 伊達は紫煙を吐きながら、再び呆れた様子で呟いた。


「ま、とりあえず凡人の俺達は、特訓するしかないよ」


 真田はそう言うと、何かを諦めた様に銃剣を振るい出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ