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#26

 一度、玄関ホールに集合した俺達は、隠し扉や隠し階段を探す事にした。

 建物はそこそこ大きかったので、今度は手分けして探した。

 それでも、地下へ続く隠し階段を見付け、隠し階段のあった書斎らしき部屋に全員が集合したのは夕方だった。


「夜になる前に片付けられるかな?」

「そんなの、片付ければいいんですよ」


 俺が階段を覗きながらそう言うと、松永が鼻で笑いながら返してきた。


「そう簡単にいくかねぇ」


 伊達が紫煙を吐き出しながら、呟いた。


「自信が無いなら馬車で待っててくれてもいいですよ?オジサン達が居なくても、僕達だけで片付けますから」


 松永は小馬鹿にした様にニヤつきながら、そう言った。


「それなら、お言葉に甘えて葉巻でも吸いながら待たせて貰おうかな」

「松永、いい加減しろ!」


 俺が葉巻を取り出そうとしたら、原田が松永を睨んでいた。


「会長、こんな煙草ばかり吸ってるダメな大人なんて居なくても、僕らだけで十分ですよ。ほら、みんな行くよ」


 松永が階段を降りて行った。

 本田と島津はちらっと原田の方を見たが、原田が頷くと、松永に続いて階段を降りて行った。


「すみません」


 原田は、俺達に頭を下げてから、仲間の後を追う。


「で、どうする?」


 明智達の方を振り向いて尋ねる。


「ここで行かないのも大人気無いとは思うけど、放っておいても良い気はする」


 伊達が短くなった煙草を携帯灰皿に捨てながら答える。


「明智がリーダーなんだから、決めなよ」


 真田が明智の方を見て、言う。


「え?俺?」


 明智はリーダーという言葉に戸惑っているようだ。


「ロクデナシのリーダーはお前だし、勇者様なのもお前だろ。後の責任を取ってくれればいいから、決めなよ」


 我ながら酷い事を言って、責任を押し付ける。

 伊達と真田も頷いている。

 ちなみに、ロクデナシというのは、俺達グループの名前だ。

 中学の頃、交換留学生として俺達のクラスに来てた奴に、明智がそう呼ばれた事がルーツだ。


「分かったよ。決めればいいんでしょ、決めれば。彼女達を追いかけるぞ!」


 明智の決定で、俺達も階段を降りて往く。




 階段を降りた先は、一直線に道が続いていた。

 壁に備え付けられている松明には火が点いている。先に進んだ原田達が点けたのだろう。


「けっこう奥まで続いてるね」


 真田の言う通り、道はかなりの距離、続いている。


「どこか別の場所まで続いているのも」


 伊達がそう言うのも分からなくはない。

 城の地下でも無いのに、距離が長過ぎる。


「何か聞こえないか?」


 伊達の言葉に耳を澄ませてみると、道の先から音が聞こえる気がする。


「急ごう!」


 明智がそう言って、先を急ぐ。




 道の終わりには昇り階段があり、階段の上のドアは開いていた。

 急いで階段を昇る。

 ドアの外に出ると、そこは礼拝堂の様だった。

 礼拝堂の中では、原田達が武器を構えて、一人の男と対峙していた。

 男は、一般的な村人に見える服装だったが、薄暗い中で、瞳が紅く輝いていた。


「またお客様ですか。困りますね、こんな早い時間の訪問は!」


 男がこちらを見てそう言った瞬間、明智のAK47が火を吹いた。

 男は横っ飛びに弾を避け、ちょうど原田達が自分と明智の間に入る位置に移動した。

 これでは銃が使えない。

 俺は、左腰に差している刀を抜いた。

 明智も、日本刀とグルカナイフを抜いた。


「みんな、私の僕にしてあげますよ」


 男が一直線に原田達へ突っ込む。

 松永と島津が吹き飛ばされ、本田が男の拳を剣の腹で止めている。


「やあっ!」


 そこへ原田が槍で突く。

 しかし、男は原田の突きを空いている手で反らし、本田に回し蹴りを放つ。

 本田は豪快に吹っ飛び、イスの列に突っ込んだ。


「まずは、一人」


 男が原田へ迫る。

 その男の背後へ明智が突進し、日本刀とグルカナイフを降り下ろす。

 男は、二つの刃が降り下ろされる直前、真上に跳躍した。

 見上げる明智目掛けて、上空から蹴りを放つ。

 明智は両腕をクロスさせて防ぐが、後方に吹っ飛ぶ。


「おっと、危ない」


 後方から放たれた原田の突きを、男は半身になって躱し、原田の槍を掴む。

 そこへ、さらに俺が刀で斬りつける。

 しかし、俺の斬撃は、掴んだ原田の槍を使って防がれてしまった。

 続けて斬りつけるが、男は槍を離し、原田の背後へ跳躍する。


「なんて奴!」


 原田が振り返り、槍を構え直す。

 明智も起き上がり、日本刀を鞘にしまい、グルカナイフを構えている。


「仕方ありませんね」


 男が呟いて指をパチンと鳴らすと、最初に男が立っていた場所の奥から、神官と村人が数人出て来た。

 彼らの瞳も紅く輝いている。


「お客様を歓迎してあげなさい」


 村人達が、こちらへ近付いてくる。


「そっちは任せた!」


 真田が両手に銃剣を握り、俺達が対峙してるヴァンパイアを迂回して、新たに現れたヴァンパイアの方へ向かった。

 伊達も真田の後に続いた。

 俺も、真田達とは逆サイドから回り込んで向かう。

 先程から居るヴァンパイアには、明智と原田が向き合っている。

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