表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/61

#19

「お前!何してんだよ!」


 鉄の馬車から降りた僕が見たのは、普段はニコニコしてるサナダさんが泣きながら叫んで、勇者様を殴るという驚くべき光景だった。

 何故、勇者様は仲間のはずのサナダさんに殴られているんだろう?

 どうして、サナダさん達は泣いているんだろう?


「何すんだよ~?痛いだろ?」


 勇者はは大して効いてない様子で、サナダさんに殴られた左頬を擦りながら、微笑んでいた。


「お前が勝手に死ぬから悪いんだろう!」


 サナダさんが再び叫んだ。


「なに断りも無く逝ってるんだよ」


 ダテさんも怒っている。

 でも、勇者様が死んでるって、どういう事?

 勇者様は目の前に居るのに…?


「いやぁ、死んじまったもんはどうにもならんよ」


 勇者様が頭を掻きながら、そう言った。

 勇者様自身が死んでいる事を認めた。


「帰ろう、明智。俺達は、お前を元の世界に連れて帰るために、迎えに来たんだ」


 タケダさんが勇者様に右手を差し出した。

 勇者様が死んだのは、元の世界での事なのだろうか?


「ダ~メだよ。俺は勇者として呼ばれたらしくてさ、吸血鬼を倒さなきゃいけないんだって。そうしないと、向こうの世界で生き返れないから」


 勇者様は困ったように、そう言った。

 やはり、勇者様は元居た世界で死んでいたようだ。

 死者の魂が異世界から勇者として召喚される事がある。

 勇者様はそうなんだろう。

 話の内容からすると、サナダさん達は元の世界で死んでいなくて、死んでしまった勇者様を連れ戻しに来たって事だよね。


(異世界まで連れ戻しに来るなんて、スゴいな)


 僕にも、そんな友達が欲しい。

 この人達みたいに、大人になってもずっと友達で居られるような。


「だから、そんなの手伝うから。とっとと吸血鬼を片付けて帰れば問題無い」


 ダテさんがニヤッと笑う。


「だね」


 サナダさんも笑う。


「俺達は、勇者様のお仲間らしいから」


 タケダさんも笑った。


「じゃあ、ロクデナシで鬼退治するかぁ!」


 勇者様が豪快に笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ