#18
アリシアとお茶を飲みながら雑談していると、車が走って来る音が聞こえてきた。
伊達のアルファードにしては、やけに音が大きい。
窓から外を見ようと、ソファーから立ち上がろうとした時、部屋のドアが開いた。
「お待たせしました。勇者様がお戻りになりました」
村長がドアから入って来て、そう告げた。
「じゃ、行きますか」
俺はそう呟いて、ソファーから腰を上げた。
村長が俺の様子を確認して部屋から出て行く。
俺は村長の後について、部屋から出る。
足音と気配からすると、アリシアもついて来ているようだ。
玄関の近くまで来たところで、また車の近付いて来る音がした。今度の音は、伊達のアルファードだろう。
(良いタイミングだな)
伊達と真田の到着があまりにタイミング良過ぎて、俺は思わず笑っていた。
(長かったな…)
ヤツの訃報を聞いてからここまで、この世界で過ごした日々を入れても一ヶ月半くらいだ。
それがとても長く感じた。
終わらない悪夢の様に。
もう四人が揃う事は無いと思っていた。
このドアの向こうに三人が居る。
玄関のドアを開けて出た村長に続いて外へ出ると、家の前には黒いGMCのバンが停まっていた。
その隣に、伊達の白いアルファードが停まった。
こうして並べて見ると、やはりアメ車のバンと日本のミニバンでは迫力が違う。
黒いバンの運転席のドアが開き、男が一人降りて来た。
ガッシリとした体格で、旧日本軍のものと思われる緑色の軍服を着て、ヘルメットを被っている。腰には拳銃のホルスターが吊られている。
アルファードからも、伊達と真田が急いで降りて来て、男に歩み寄る。
俺も、村長の前に出て、男へと近付いて行く。
「おぉ!久しぶりだなぁ」
俺達が連れ戻しに来た男、明智聡は、ヘルメットを脱ぎながら笑顔で言った。
明智の顔を見た俺達三人は、泣いていた。
もう会うことはできないと思っていた友人と、再会できたからだ。




