表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/61

#16

 村長の家の扉から出てきたのは、白髪に白く長い髭の老人だった。彼は、村長だと名乗った。

 村長は、俺達を家の中へ招くと、応接間と思われる部屋に案内した。広さは六畳くらいで、二人がけの古いソファーが一組とテーブルだけの簡素な部屋だ。


「ようこそおいでになりました、勇者様のお供の方。もう少しで、勇者様達はお戻りになりますから、ここでお待ちください」


 村長は、俺達に座るように勧めると、部屋から出ていった。

 今のうちに、真田と伊達に脇道へ入る目印をメッセージで伝えておく事にする。


「ヤツは、ここに居るんじゃなかったのか?」


 スマホでメッセージを打ちながら、アリシアに尋ねる。

 家の前でのアリシアの言葉から、てっきり家の中に目的の人物が居ると思っていた。


「念話でここに入るように言われたので、私もそう思ったのですが…」


 アリシアも俺と同じ勘違いをしたみたいだ。


「じゃあ、念話でどこに居るか聞けないのか?」


 確実であろう方法を提案してみる。


「すぐに戻るから待ってて欲しいと言われました」


 そうなると、ここで待つ以外にない。

 メッセージを打ち終わったので、スマホをしまい、仕方なくソファーに腰かける。

 アリシアは俺の隣に座った。


「失礼します」


 言葉と共にドアが開いて、女の子が入ってきた。

 赤茶色のロングヘアーをポニーテールにしていて、気が強そうな目をしている。服装はブラウスにロングスカート、ブーツを履いている。

 両手でお盆を持っていて、カップが二つ乗っている。


「どうぞ」


 カップは、俺達の前に一つずつ置かれた。


「どうも」


 カップの中を覗くと、濃く淹れた紅茶のような深い赤茶色の液体が入っていた。湯気は立っているからホットだろう。


「ありがとうございます」


 アリシアは笑顔でそう言うと、カップを手に取り、一口飲んでいる。


(この子の前で、どんな味だとは聞けないよなぁ…)


 俺がそんな事を考えているうちに、女の子は部屋から出て行った。


「このお茶、どんな味なの?」


 早速、アリシアに聞いてみる。


「あなた達の世界で言えば、中国茶に近いですかねぇ」


 中国茶なら飲めそうだ。ドクダミ茶とか薬草っぽいものは遠慮したい。紅茶なら砂糖が欲しい。

 試しに一口飲んでみる。


(不味くはない。色が濃い割りに薄味だし)


 カップをテーブルに置くと、ポケットの中でスマホが震えた。真田か伊達からメッセージだろう。

 返信が遅いとは思うが、起きたのが遅かったのかもしれない。彼らが街へ着いたのは、俺達が寝た後だったのだから。

 スマホを操作して、メッセージを確認する。真田からだ。


『すまん、送信し忘れた。もうすぐ着く』


 喜んでいいのか、怒っていいのか分からない内容だった。

 アリシアにメッセージが表示されたままの画面を見せる。

 数秒間、画面を見た後に頷いたので、読み終わったのだろう。スマホをしまう。


(ようやく全員集合か)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ