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#14

 僕達が乗った鉄の馬車は、南の門から街を出て、街を回り込んで、南東に向かう街道へ向かった。

 でも、街道へ着く手前で、ゾンビの集団と遭遇した。


「どうする?やる?」


 サナダさんが銀色の大きなリボルバーを取り出して、ゾンビの方を睨んでいる。

 こんな大きなリボルバーは見た事が無い。


「うーん、数が多いよね…」


 ダテさんも御者席の輪から右手を離して、懐からリボルバーでは無い銀色の小さな銃を取り出した。

 異世界の銃はよく分からない。

 僕達の世界で銃と言ったら、単発式かリボルバーしかないし、そんなに射程も長くない。単発式の銃を使うくらいなら、ボウガンの方が射程も長いし安価なので、単発式は貴族の護身用くらいにしか使われない。


「リボルバーとワルサーPPKじゃ厳しいかな」


 ダテさんは、言いながら近付いて来たのゾンビの頭を撃ち抜いて、車の向きを変え始める。


「援護よろしく」

「了解」


 サナダさんが答えて、リボルバーを持つ右手を窓の外へ出す。


 ガァン!


 雷のような轟音が鳴り響いて、サナダさんのリボルバーが火を吹いた。

 サナダさんの弾が当たったゾンビの頭が吹き飛んだ。

 あまりの事に、僕は目を見開いてしまった。

 人の頭を吹き飛ばすような威力のリボルバーなんて見た事が無いし、あんな凄い音が出るのも聞いた事が無い。


 ガァン!ガァン!ガァン!ガァン!ガァン!


 サナダさんのリボルバーから轟音が五回連続で鳴り響いて、五体のゾンビの頭が吹き飛んだ。


「すまん、弾切れ」


 そう言って、サナダさんはリボルバーを前後に折った。

 後ろに座っている僕からは、サナダさんの手もとが見えないけど、たぶん弾を込めているのだろう。


「大丈夫」


 サナダさんが撃っている間に、ダテさんは馬車の向きを変えていた。

 馬車が一気にスピードを上げて走り始め、ゾンビ達が遠ざかる。




「ここ、どこ?」

「よく分からんが、南へ向かう街道沿いの街じゃないかと」


 サナダさんの問いに、ダテさんが答えた。

 僕達は、ゾンビの集団から逃げて、街の壁沿いの道を戻り、街道に入った。

 どの街道か正確には分からなかったけど、一本目にぶつかった街道に入ったはずだから、南へ向かう道のはず。


「今晩はこの街に泊まって、武田達とは明日、合流しよう」

「そうだね」


 ダテさんの提案にサナダさんが頷いて、不思議な道具を取り出す。


「あ!武田からメッセージ着てるね。二件。合流地点の街に着いたってのと、宿に入って寝るって。宿の名前も書いてある」

「アリシア様も御無事なんですか?」

「うん、一緒って書いてあるよ」


 サナダさんの答えに、ホッとした。

 神官の僕がご一緒していて天使様に何かあったら、大変だ。


「じゃあ、俺達も宿に入ろう」

「だね」


 ダテさんが、煙草に火を着けながら馬車から降りた。サナダさんと僕も、続いて馬車から降りる。

 僕達が降りたのを確認して、ダテさんが不思議な道具を取り出し、馬車に向けた。道具が光ったと思ったら、馬車が消えていた。これで馬車は収納されたらしい。


「メッセージしといたよ」


 ダテさんが馬車を片付けている間に、サナダさんが連絡してくれたみたいだ。

 あのメッセージというのは、手紙を念話の様に送れるらしい。異世界の道具は、本当に不思議だ。

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