#13
東の門へ辿り着くと、ゾンビと戦った街の北側よりも酷い有り様だった。何軒もの家が燃えた跡があり、門は破壊されていた。
東の門から外へ出た俺達は、街道を南東に向けて走る。
「寝ててもいいよ。街に着いたら起こすから」
「私は大丈夫です。天使は眠らなくても平気ですから」
それならアリシアに運転してもらいたいところだが、そうもいかない。天使が運転免許を持っているとは思えないから。
もっとも、俺の免許も元の世界で取ったものだから、この世界で有効なわけはないし、それ以前に運転免許なんて存在しないだろう。
「じゃあ、これから夜の見張りは、アリシアにお願いしようかな」
「それは酷いです。女の子に夜通し見張りをさせるなんて。それに、眠る必要が無いだけで、眠れないわけじゃありませんから」
俺の冗談に、アリシアも笑いながら答えてくれた。
車内の空気が少し軽くなる。
「急いで街へ行って、みんなと合流しよう」
車のスピードを少し上げて、街へと急ぐ。
昨日泊まった街の前へ着いたので、車を停めてスマホを取り出すと、真田からメッセージが着ていた。
『東の門が通れないっぽいから、南の門から出る。少し遅くなるかもしれない』
真田達が東の門へ向かった時には、まだ周りの家が燃えていて、門に近付けなかったのだろう。
真田へ、街へ着いた旨を返信をする。
「真田達は南の門から出たって。もしかしたら遅くなるかもしれないってさ」
「そうですか。どうします?」
アリシアの問いに、少し考えてから答える。
「このまま街の外で車に乗ってるわけにもいかないし、街へ入って宿を取ろう。その間に真田から返信があれば合流すればいいし、返信が無ければ、こっちからメッセージして、合流は明日にしよう」
俺の答えに、アリシアは頷いた。
結局、宿を取るまでに真田から返信は無かったので、こちらからメッセージを入れた。
部屋は念のために二つ取った。
しかし、アリシアが二人しか居ないのに別々の部屋に分かれるのは危険だからと、俺の居る部屋に入ってきた。
戦闘の後、ずっと運転していたので、さすがに見張りをする元気は無いので、アリシアにも眠るように言って、ベッドに潜り込んだ。
この部屋は男性用に取ったので、ベッドは三つある。両はじにある離れた位置のベッドを使えば、まぁ大丈夫だろう。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
アリシアの返事を聞いて、目を閉じた。




